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夏休みの宿題って何っスか?



「チェコの学童には夏休みの宿題が出題されない」
この事実を知った時には、チェコに住んで既に10年以上たっていました。

私個人がチェコで受けたのは大学教育のみ、現在子育てをしているわけでもないので、知らなかったんです。私たち日本人にとっては「夏休みの宿題が大変」は周知の事実だし、「あるのか、ないのか」って、疑問にも思わないことないですか?

日本語を教え始めてしばらくたったころ、若い生徒さんたちと夏休みの話題になって、偶然発覚したのです。「チェコの子供は夏休みの宿題なしで丸二カ月自由の身である」と(夏休みは7月初めから8月末まで。)

「ある」ものに「ある」ことの理由はあるでしょうが、「ない」ものは「ない」、「ない」ことに理由などないわけで。
しかし夏休みの宿題を計画的にやらず苦労した典型的な怠慢児童だった私としては「どうして」と聞かずにはいられませんでした。
皆さん、どうしてって言われても…といった顔をしていましたが、絞り出された答えは「チェコの学年度は9月に始まる。夏休みに宿題を出すということは出題者の先生と点検者の先生が異なることを意味する。だからないのだ」というもの。

理由になってな~い、と言いたいところですが、何にしても羨ましいですよね。

せっかくですから、ちょっとチェコの教育制度をまとめておきます。

義務教育は日本と同じ6歳から15歳までの9年間。「小学校」「中学校」と分かれているわけではなく、その9年間の教育機関はzákladní škola(直訳すると「基礎学校」)と呼ばれます。その9年も最初の5年と後の4年で二段階に分かれていて、5年生の時点で受験をしてその後8年間続くgymnáziumに入学する子もいます。このgymnáziumと言うのは日本で言う高校の「普通科」のようなものだと思っていただければいいかと思います。この時点で受験して入学した子は高校受験がないことになります。
9年の義務教育の後、4年間のgymnáziumやその他の分野のstřední škola(訳は「高校」でいいかと思います。直訳は「中学校」ですが)に進みます。4年間ですから、一般的には19歳まで高校生である、ということです。

とは言え、スタートの時点で年齢がずれることもあります。
5歳の子でも、お医者さんが「この子は発達が早いから学校に行っていいよ」と判断すれば他の子よりも早く小学校に入学するし、逆に「遅い」と判断されれば、一年ずらして7歳で小学校入学の場合もあるそうです。

そんな、医者の判断でって乱暴な、と思わないでもないですが、日本のように画一的に「今年度の4月2日から来年度の4月1日に7歳になる子!」と決められているのも充分乱暴かな、とも。
皆さんはどう思われますか?

(ちなみに今回話題にしている「夏休みの宿題がない」は義務教育に限った話ととらえていただければいいかと思います。高等学校教育は多種多様なので、一概には言えない感じがします。)


そういえば、かしゅたんはチェコに住んでいてチェコの学校に通っている設定だったのに、なんで夏休みの宿題やってんだろ…設定はネタによって臨機応変に変更可能、ということで大目に見ていただければ(そんないいかげんじゃいけませんね、もうちょっとしっかり考えます、この二人のキャラ設定)。

日本人少年かしゅたんとチェコ人少年パツキンスキーの初登場はこちら↓


最後に、「やっべ、今まで遊びまくってて、もうお盆過ぎちゃったのに宿題全然やってね~」という日本の児童・生徒の皆さんへ。
私もこの夏は「夏休みの宿題だと思ってガツっと仕上げまで持っていく!」と気合いを入れていた案件があるのですが、遅々として進んでおりません。ここから8月31日まで、共に尻に火をつけてダッシュしましょう!


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