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歌うへんてこなこども

歌だけだった
色んな人が私に
〜して欲しいと言ってくれるのは
求められるのは、歌だけだった
無意識のうちに気づいたらしてしまってることも、歌だけ

ただの趣味で、アマチュアだ
プロに比べたらそよ風で吹くような
チリのようなもの
だけど確かに私の人生は
歌のためにあるのだ
今行っている他の活動(運動、読書、食事、あらゆる体験)も全て歌のため

大それた形に見える結果がいるということではない
観客が自分ひとりでも関係なし
ただ、一生歌い続けるだけなのだ
ほんとうに、私には歌だけなのだ

不思議と次の歌の予定が入っている
なにもしなくても
色んな方向から歌って欲しいと言ってくれる人がいる
そんなこと他にないのだ

そしてそのルーツを辿ると
最初は父親に行き着くのだ

父親と2人で遊びに行ったとき
必ず歌を頼まれた
歌って欲しいと言われた
父に頼まれることなんて他にない
私は無我夢中で歌った
童謡を、アニメの歌を、歌った
父は喜んでくれた

他の家族はうるさがっていた
でも父は喜んだのだ

今でも私は
父に褒められたい子供の
ままなのかもしれない

しかしそんなことはどうでもいい
私は歌う
歌いたいとかですらなく気づいたら歌っている
指摘されて初めて歌っていることに気づく
そんなへんてこな人間です


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