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デジタルとリアル、両方の魅力を最大限に活かしたグループワーク術とは~やまぐちデザインシンキングカレッジ・アドバンストプログラム②~

こんにちは、デジテック運営事務局のやまたんです。

生成AIやその他のデジタル技術が急速に進化する中、「イノベーション」という言葉をよく目にします。私も学生時代にイノベーションの提唱者であるシュンペーターの「経済発展の理論」を勉強しましたが、100年以上先の将来まで見越していた彼の洞察力は感服します。

ちなみに、関西学院大学には、イノベーション研究者で、イノベーションは「技術革新」ではなく「創新普及」と捉えるべきと広めておられる玉田俊平太(たまだ しゅんぺいた)先生がいらっしゃいますよ~。


デジタルとリアルを上手に使い分けよう

デザインシンキングカレッジ第2期のアドバンストプログラムも、11月29日に第4回目のデザインワークが終わりました。

第1期との違いに、4~5名のチームで行うデザインワークが、より多くの方が参加しやすいように、現地講義ではなくオンライン形式に変更されたことがあります。

コロナ禍を機にオンライン会議が普及する中、ワークショップやグループワークなどをオンラインで行う機会も増えました。

オンライン会議は、離れたメンバーと手軽に集まれて便利な一方、「やっぱりリアルに会って話した方が、よりチームワークが高まるな」と感じる場面もあるのではないでしょうか。

デジタルとリアルをどのように上手に使い分けるのか。集中ワークショップでの広瀬先生の言葉をお借りすれば、「ニューノーマル」をいかに有効に使いこなすのかは、これからの仕事や社会活動でも、とても重要だと感じています。

そこで、今回のnoteでは、アドバンストプログラムでのアドバイスもご紹介しながら、デジタルを上手に活用したこれからのグループワークについて考察してみたいと思います!

オンライン会議は独演会になりがち?

今回のアドバンストプログラムで話題になったのが、オンライン会議だとリアルのようにワイワイと話しにくいという点。

皆さんの話を総合すると、以下のような傾向があるようでした。

1.誰かが話している時は、発言者以外の人は黙って聞く
2.沈黙が続くと、責任感や人の良さなどから、大体同じ人が発言する
3.参加者全員の表情などを確認し難しく、反応が分からないときがある

1は、オンライン会議の特性もあるでしょう。周囲の音が入らないように、発言時以外はマイクをミュート(消音)にしたり、誰が発言者なのかという混乱を防ぐ心理も働いていると思います。

2や3は、参加者が同じ空間にいないことが影響しているのかもしれません。近くにいれば、考え込んでいても雰囲気は伝わりますし、視野に複数の参加者が入るので、話したがっている方がいれば、話を振ることができます。

オンライン会議でグループワークを行う時は、発言者が特定の人に偏り、独演会のようにならないように気を付けなければならないようです。

デザイン思考では「集合知」を活かそう

先生からは「会話の占有率を意識しよう」とのアドバイスが。

「集合知」の有効性は研究論文などで科学的に証明されていますが、気を付ける点として、集合知の知的能力は、グループメンバー個人の知的能力にはあまり相関がなく、社会的感応性の高さと正の相関関係があるとのこと。

言い換えるなら「相手の表情を読む力」「空気を読む力」が大切なようです。

あと、少数のメンバーが会話を独占するグループでは、反対に負の相関関係が生じるらしいです。発言しない人は成果が上がりませんし、発言している人も周囲に気を使いながら発言することになるため、そちらも作業効率が落ちてしまいます。

デザイン思考を活用しようとする際には、心理的安全性を確保して、集合知を活かすことを心がける必要があるようです。

そのための対策の一つは、オンライン会議の機能を活用して、リアルタイムで参加者の発言量を確認し、発言の少ない人にファシリテーター役が話を振るという手法。これは、デジタルを活かしたグループワーク術とも言えそうです。

他には、本プログラムではデジタル・ホワイトボードのMiroを利用してワークショップを行っているのですが、しっかり考えてから発言したい参加者のために、こうしたアプリの付箋機能などを使って意見・アイデアを伝える方法もあるそう。

このように、様々なデジタルツールを駆使しながら、参加者の意見・アイデアを集めやすい環境を整えることが、これからのグループワークのスタンダードなのかもしれません。

プレゼン資料のまとめ役は誰?

集合型研修でよく発生するのが「発表資料を作る人が大変すぎ問題」

みんなでアイデアを話し合っている時は楽しかったけど、いざそれを資料にまとめようとすると、アイデアのイメージ共有が上手く進まずに、作業分担が決まらず、まとめ役が一人で大変な思いをするというパターン。

皆さんの周りでも、仕事やコミュティ活動の中で起こったりしてませんか?

この問題の対策としては、資料を作る前に資料構成をチームメンバー全員で話し合い、全体像が固まってから分担パートを決めていくという流れが有効のようです。

例えば、ソリューションの具体的な内容を完全には理解できていないメンバーも、その前提となる課題感やペルソナだったら説明できるよ、といった感じでしょうか。

メンバーが作成した各パートの資料を、一旦まとめ役が整え、それをベースに改めてチームメンバーが話し合って最終資料を仕上げることを通じて、チーム内での共感を高めるなども工夫も大事ですね。

ちなみに、先日のY-BASEセミナーでは、資料をいい感じにまとめてくれる生成AIサービスも紹介されていました。この資料のまとめ役も、AIが担う時代が、すでに到来しているのかもしれません。


第2期もついに最終発表会

こうしてオンライン会議やプログラム内での発表を繰り返してきたチームメンバーも、ついに12月21日(木)に最終発表会を迎えることになりました

全5チームが取り組むテーマは、以下のとおりです。

[チームA]県外の人が山口きらら博記念公園に行きたくなるようにするためには?
[チームB]山口きらら博記念公園×子育てでより住みやすい街にするには?
[チームC]中山間地域における買い物弱者をゼロにするには?
[チームD]空き家を利活用して地域を活性化するためには?
[チームE]空き家を利活用して地域を活性化するためには?

そして今回も、スペシャルゲストの皆さんが参加します!

山口県の村岡知事、慶應SDMの白坂委員長、コード・フォー・ジャパンの関代表理事です。昨年度に引き続き、豪華メンバーによる発表会となり、期待に胸が高まります。

この発表会は、12月21日13時30分~16時30分でオンライン配信することとなっており、12月20日まで公式サイトから申込みができますので、デザイン思考にご興味のある方は、ぜひご覧ください!

次回は最終発表会の様子をレポートしますね。では、また!


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