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アイデア実現への第一歩は、仲間づくり「やまぐちデザインシンキングカレッジ」アドバンストプログラム・交流会

こんにちは、デジテック運営事務局のやまたんです。

日本を代表する世界的な指揮者、小澤征爾さんが2024年2月6日に88歳でお亡くなりになりました。

個人的な話になりますが、小澤さんが何度も指揮された「G線上のアリア」は、子どもの頃、自宅にあったパソコン(MSX)で、BASICの本を見ながら、初めて演奏プログラムを入力した曲。

追悼ニュースで同曲が流れる度、偉大なマエストロとの別れが惜しまれました。小澤さん、思い出に残る素晴らしい音楽たちをたくさん贈っていただき、ありがとうございました。

小澤さんの若かりし海外修業時代を描いたエッセイ「ボクの音楽武者修行」は、道を切り開く情熱の大切さや人との出会いの尊さを私たちに教えてくれます。挑戦したいと考えている人を、きっと勇気づけてくれる一冊です!


「そうだよね~」皆が共感したことは?

2月9日にアドバンストプログラム第2期修了生の交流会が、Y-BASEで行われました。

デザイン思考を習得し、各組織でのリーダー人材となった修了生の皆さん。しかし、デザイン思考をいざ職場で実践するためには、様々な課題や困難が待ち受けていることも、想像に難くありません。

そこで、この交流会は、共にデザイン思考を学んだ仲間たちと久し振りに集って、12月の最終発表会から今日までデザイン思考の実践にどのように取り組んできたのか語り合い、課題や疑問に感じたことは広瀬先生・中田先生に率直に質問して、どんどんデザイン思考を使いこなしてもらいたい!という思いから開催されました。

まず、プログラムを共に戦い抜いたチームメンバーと近況報告。久し振りに話したメンバーも多いようで、早くも各チームでの会話も大盛り上がり。「そうだよね~」という声がここかしこで聞かれ、気持ちを共有できる貴重な仲間たちだということが、傍にいても伝わってきました。

交流会はその後、チームごとの近況報告の概要発表や修了生から先生方への質問タイムへと続いていきましたが、その多くに共通していたのは、「デザイン思考を理解してもらえる仲間がまだ少ない中、どのようにデザイン思考を広め、実践していくと良いのか」という課題。さぁ、どのようなアプローチが有効なのでしょう?

できることから少しずつ

先生からのアドバイスは「できることから、少しずつ手伝ってもらう」こと。

プログラムで習得したツールを皆に教えたくなる気持ちは分かるけれど、ツールばかりが前に出ると、「いきなり見たこともないツールを使えと言われても、よく分からないし…」と協力者は広がっていかないものだと。

そこで、例えば「こういうアイデアを考えたいから、アイデア出しだけ10分位付き合ってくれる?」など、簡単なお手伝いから職場の人たちにお願いしてみてはとのアドバイス。

そして、アイデアの収束は一人でもできなくはないので、手伝ってもらったアイデアを頑張ってまとめ上げ、後日、「前に手伝ってもらったアイデアを、こんな感じにまとめてみたんだけど、どうかな?」と、手伝ってくれた人たちに見せることを提案。

こうすると、「この間のアイデア出しって、こんな形になるんだ。」と興味が湧いて、徐々にデザイン思考の他のプロセスにも協力してくれるようになるそうです。

また、デザイン思考が良い影響を生んだ事例として、職場の仲間のアイデアの良いところをお互いに見つけるようにしたところ、コミュニケーションが盛んになり、部署の枠を超えた気づきも得られるようになったとも。

目指す目的に必要な機能をシステムとして分解し、その機能の創出にふさわしいツールを使って思考をデザインするという、システム×デザイン思考の有効性を、改めて認識できた会となりました。

1期生も奮闘中「やまぐちリビングラボ」

交流会後半は、第1期の修了生が、デザイン思考の実践に向けて、各自のアイデアのプロトタイピング取り組んでいる「やまぐちリビングラボ」の事例発表。2024年度は「遊び」と「子育て」の2テーマに取り組んでいます。

まず、「遊び」チームは、若者に「山口県にいれば『楽しい』が 自ら作り出せる」と思わせるにはどうし たらよいか、という問いを立て、子ども達の考えた「遊び」を大人が本気で実現する「やまぐちASOBIプロジェクト」をプロトタイピング。

山口県教育委員会がやまぐちU18デジタルアートコンテストで募集した「きらら公園で遊びまくれ!」というアイデアを、山口きらら博記念公園で実現しようと、地元の阿知須小学校の子ども達にも協力を得ながら、プロジェクトを練り上げてきたそう。メンバーのプロジェクトにかける強い情熱と愛情を感じます。

子ども達の考えた遊びアイデアを、きらら公園でプロトタイピング!

なお、阿知須小学校の6年生が活動成果を村岡知事にプレゼンする様子を、以下アーカイブでご覧いただけますので、ご興味のある方はどうぞ~。

そして、2024年3月23日(土)、デジタルアートから生まれた遊びが山口きらら博記念公園に遂に出現!子ども達の笑顔にあふれるイベントになることを、心から応援しています!

もう一つのテーマ「子育て」チームは、「どうすれば、思春期の子どもとのコミュニケ―ション不足という家族問題を、料理を通じて解決できるか」という問いにタックル。

まずは、料理に関心がない子どもがどうすれば興味を持つか検討し、親子で参加する料理コンテストをプロトタイピングしました。

「どうせやるなら、フルコースの方が子どもも興味を持つのでは」という仮説のもと、チームメンバーで行った料理イベントでは、フルコース作りでみんな忙しくて、背中を向けながら黙々と作業を続けた結果、「料理コンテストは、親子のコミュニケーション増加には向いていない」という気づきを身をもって痛感したそうです。(笑)

黙々とフルコースの調理を続けるームメンバー達

その後、ゴールデントライアングルなどを使って問いや価値を見つめ直し、「どうすれば一人暮らしを迎えた高校生が、孤食という社会問題を解決しながら、コミュニケーション不足という家族問題も解決できるか」という問いにリフレーミング。

一人暮らしなどを控える高校生が、子ども食堂等と連携して、子ども達に食事を提供することにより、食事の大切さや子ども達の孤食問題について考える機会を提供するプロジェクトを今後検討していることが発表されました。

デザインシンカー達の挑戦は続く

カレッジ修了後も、アイデアの実践を続けている1期生の姿は、きっと2期生の皆さんに大きな刺激になったと思います。1期生の皆さん、発表ありがとうございました。

今回の交流会で、「やまぐちデザインシンキングカレッジ」第2期も終了となりました。2期生の皆さんが職場のリーダーとして、社会の一員として、デザイン思考でどんな新しい価値を生み出すのか、非常に楽しみです!

ちなみに、第2期の皆さんのカレッジ風景は、以下のマガジンにまとめていますので、ご興味があれば、ぜひご覧ください。

「デジテック for YAMAGUCHI」では、住民の皆さんの挑戦を支援する様々な取組も展開中ですので、イノベーティブな活動が生まれたら、また皆さんにご紹介しますね。では、また!

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