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Meta広告(Facebook/Instagram広告)虎の巻 ~Advantage+ Shopping Campaign(ASC)を使いこなすには~

Facebook/Instagram広告(以後Meta広告と省略)を運用されている方であれば管理画面上で「Advantage+ Shopping Campaign(以後ASCと省略)」の文字を目にすることは多いのではないでしょうか?

管理画面で見たり、良いという話はよく聞くけども実際、どういう違いがあるのかや、どういうところに注意するべきかが分からないということはあると思います。

本記事ではASCと通常配信の違いから、設定面での注意すべき点、抑えておくポイントを紹介します!

実際、うまく活用することで通常配信と比較しても大きくパフォーマンスが変わったりしますのでしっかり読んで理解していただけたらと思います。

※通常広告配信のベストプラクティスは下記記事にまとめてあるのでこちらも見てみてください。


ASCと通常配信との違い

ASCとは、商品の販売を目的とした広告配信に特化した自動化キャンペーンです。
従来の機械学習モデルをさらにアップデートし広告の自動化を進めることで、パフォーマンスや効率の改善が期待できます。

では、ASCと通常のキャンペーンとはどう違うのでしょうか。

大きく以下のポイントで違いがあります。

  • ターゲティング・配信面・広告クリエイティブの自動化
    通常のキャンペーンでは、広告主側でターゲティングや配信面をどのように設定するか考える必要がありました。
    しかし、ASCでは上記を細かく考えて選んだり、設定したりする必要がありません。ASCは、配信先の国とクリエイティブを設定するだけで自動で広告配信が可能です。Meta広告配信ではできる限りキャンペーン内にコンバージョン数を蓄積し、学習を進めることが重要となっている中で、キャンペーン数を最小限にし、学習をもとにターゲットを自動で設定を行うことで、手動設定を最小限にした上で最もビジネスに対して価値が高い顧客の特定を図っています。

  • 1キャンペーンに最大150個の広告クリエイティブの入稿可能
    通常の配信では1広告セットあたりに入稿ができるクリエイティブ数は50個までとなっており、商材やクリエイティブの本数や入稿スパンによっては動画や静止画等で広告セット等を分割する必要があると思います。
    一方で、ASCでは最大150個までの広告クリエイティブの入稿ができます。
    可能な限り多いクリエイティブを1キャンペーン、広告セット内で配信を行うことでコンバージョンの蓄積が進み、学習のスピードが通常配信と比較すると早く進み、獲得につながりやすい傾向にあります。

 なお、過去に別のキャンペーンで配信をしていた場合、パフォーマンスの 
 高い広告を自動でレコメンドし、取り込みをサポートしてくれる機能もあ
 るため、ぜひ併せて活用してみてください。

  • 新規ターゲットと既存ターゲットを1つのキャンペーンで配信可能
    ASCでさらに特徴的なのは、新規ユーザーと既存ユーザーを分断せずに1つの広告キャンペーンで配信をすることができる点です。

 新規ユーザーとリピーターでそれぞれを切り分けて配信したい場合、通常
 キャンペーンでは「新規ユーザーへ多くリーチできる配信」「既存ユーザ
 ーへ多くリーチできる配信」それぞれでキャンペーンを作成する必要があ
 りました。

 しかしASCでは、Facebook上で定義した既存ユーザーリストを用いれば、
 新規とリピーターのユーザーの予算比率を指定したうえで配信をすること
 ができます。また、その配信成果は、レポート上で通常のキャンペーン同
 様の指標で確認することが可能です。

 そのため、自動化でありがちな、獲得効率の良いリピーターに偏り過ぎて
 新規ユーザーの獲得数が減少してしまったり、オーディエンス別の成果が 
 細かく確認ができなかったりするのではという心配は不要です。

 また、これは前述の内容とも重複しますが、キャンペーンや広告セットを
 細かく設定する必要がなくなることで、データが集約され、機械学習も進
 みやすくなります。

ASC配信でのポイント

上記のようにASCと既存配信とでは異なるポイントがあります。
この章ではASCの学習ロジックをうまく活用していくうえでの設定のポイントを記載していきます。

  • 正しいコンバージョンポイントを設定し配信を行う
    これは通常配信も同様にはなりますが、媒体内での機械学習をどのポイントで学習させるかが重要になってきます。
    直近のアップデートでASCにおいてもPurchase(購入)以外の標準イベントに関しても下記の標準イベントでは最適化をかけることが可能となったため、適切なコンバージョンポイントで設定を行っていくことが重要です。

【ASC最適化可能標準イベント(2024年5月現在)】
・購入
・カートに追加
・チェックアウト開始
・支払い情報の追加
・ウィッシュリストに追加
・コンテンツビュー
・登録完了
・トライアル開始
・サブスクリプション登録
・検索
・カスタムイベント
・カスタムコンバージョン

  • 初速2~3週間は既存配信とのABテストで配信を実施
    前述のとおりASC配信は学習が重要なプロダクトとなっており、学習が進めば進むほど効率がどんどん改善していき、パフォーマンスが安定してくるものになっています。(これは運用型広告であればどの媒体も同じくだと思います)
    初速からASC全振りで配信を行うことで成果が良くなることもありますが、効率悪化の懸念がある場合はABテスト機能等を利用しながら配信を行い、効率がついてきてから徐々に予算をASCに割り振っていく方が、初速での全体的な効率を維持しながら配信ができるようになります。

  • クリエイティブは正しいサイズ、複数フォーマットを利用しながら検証を進める
    ASCでは静止画や動画、カルーセルのようなクリエイティブフォーマットによって反応しやすいユーザーに対して配信が行わる配信ロジックになっています。
    そのため、静止画のみを入れると動画に反応しやすいユーザーに対しての配信が行われず、機会損失が発生する状況になるため静止画、動画、カルーセル、コレクションのように複数のクリエイティブフォーマットを必ず入れるようにしましょう。(どうしても動画の制作が難しいという場合は、カルーセルをスライドショー形式の動画に管理画面上で設定するだけでも動画とみなされ、動画に反応しやすいユーザーに対して配信が行われます。)
    また、縦型のストーリーズ、リール面には縦型の動画のように配置別に正しいサイズを入稿することで広告の品質スコアが上がりやすく、配信が出やすくなるアリゴリズムになっているため、1広告の中でも配置別に正しいサイズを入れることが重要です。

よくある質問

Q:ASCで最適化をかけることができるイベントは決まっていますか?
A:決まっています。導入初期は標準イベントの「購入」のみが対象となっていましたが、直近ではアップデートが進み下記の様なイベントやコンバージョンでも利用が可能となっています。

【利用可能イベント一覧】
・購入
・カートに追加
・チェックアウト開始
・支払い情報の追加
・ウィッシュリストに追加
・コンテンツビュー
・登録完了
・トライアル開始
・サブスクリプション登録
・検索
・カスタムイベント
・カスタムコンバージョン

また、こちらはβ版機能にはなりますが、「リード」を目的に最適化を進める場合はホワイトリスト申請を行うことで下記イベントの最適化も可能になります。
※当社は該当の設定サポートが可能な認定代理店となっておりますので当機能をご利用になりたい場合はお気軽にお問い合わせください!

Q:配信面や年齢の除外はできますか?
A:下記の様な方法で広告アカウント設定より「地域の除外」、「25歳までの年齢の下限設定」「特定配置(AudienceNetwork)の除外」の3つは実施可能になっています。しかし、こちらの設定はASCのキャンペーンのみの設定ではなくアカウント全体へと適応がされるため、注意が必要です。

〇年齢・エリア除外

〇一部配置面の除外

また、完全なる除外は不可能ですが「Bid Multipliers」という入札に傾斜をかけることが可能なAPIによる設定が一部認定代理店では可能です。
※当社は該当の設定サポートが可能な認定代理店となっておりますので当機能をご利用になりたい場合はお気軽にお問い合わせください!

【入札傾斜がかけられる主なターゲティング】
・性別
・年齢
・市区町村
・デバイス
・OS
・プラットフォーム
・配置面

▼APIの設定方法は下記Metaヘルプページを参照ください。
https://developers.facebook.com/docs/marketing-api/bidding-and-optimization/bid-multiplier/?translation&locale=ja_JP


Q:高単価商材やショッピング目的以外の広告でも利用した方がいいですか?
A:1万円以上の高単価の商品やコンバージョン数が媒体単位で月20件前後の高単価商材でも学習が進む中で効率改善につながっている事例が当社でもあります。しかし、学習が安定するまでの期間は他の単価が低い商材と比較すると長めにかかる傾向があるため、前述のとおり安定するまでは通常配信とABテストのような形で並走させることを推奨します。

以上がASCの概要から配信の際に抑えるべきポイントになります。
また、今回は記載しませんでしたが、媒体内での学習をさらに進めていくうえではコンバージョンの欠損を防ぐための手動詳細マッチングや、コンバージョンAPIの設定も重要になってきます。
※手動詳細マッチング、コンバージョンAPIに関しては下記記事で記載してますのでご覧ください。

〇手動詳細マッチング

〇コンバージョンAPI

ASCはうまく使いこなすことにより現状よりも効率改善を進めることができ、更にクリエイティブ管理やキャンペーンでの予算管理のような作業部分の時間の短縮にもつながりますので正しい設定を行い、効率的、効果的な運用を行っていきましょう。

デジタリフトではASCに関してのサポートやコンバージョンAPIの設定サポート以外にも、様々な媒体の広告運用や、広告コンサル等も行っております。
広告運用に関して詳しくお話を聞きたいという企業様がいらっしゃいましたら、こちらからお問い合わせをお願い致します。

もし、私たちの会社で働く事に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ応募フォームよりご連絡ください。


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