望月智之『2025年、人は「買い物」をしなくなる』クロスメディア・パブリッシング、(2019)
これも書店で見かけて違和感のあった本(笑)。そんなに違和感ばかり感じているのか?と言われてしまうかもしれない。でも、だって「買い物って楽しくないですか?」と思うのだが、それはタイトルのつけ方が上手でつい買ってしまうんだろうなぁ。
で書いてあることは、流通・小売の話がメインで、ではメーカーとしてどう取り組むのかといった製造業的な視点やマーケティング・ブランド的な話にはあまり触れられていない。
ざっくりとまとめると「ショッピングをするための棚は消費者にとってどこかに行って実際に目で見たり手で触ったりするものではなく、デジタルデバイスの中に収まってしまう時代となった。しかも、その棚は自分の過去の購入実績や今の自分の好き嫌いと言ったデータをもとに、AIが選択した棚になる。選択の範囲が非常に狭くなってしまう可能性はあるが、それはソーシャルなコミュニケーションが補完をしてくれる」と言ったメッセージになるだろう。
じゃぁ、どうすれば良いのか。
ということは、ここでは触れられていないのがちょっと残念。
ただ、情報過多、ソーシャルと言った社会環境の変化や利便性とこだわりの両極性を同時に持ち、しかもその利便性とこだわりは個人によって全く異なっていることを鑑みると、旧来のカテゴライズやフレームは役に立たなくなってくる。そうすると、ここでもメーカーは製造を担い、流通や小売は棚を担い、消費者は消費を担うと言った従来の社会構造というかビジネススキームに改めて疑問を持った方が良い時期なのではないだろうか。
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