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今回はDXにおける内製化のお話です。

DXを進めるには内製化が必須だ!

この様な話を見たり聞いたりしたことはないでしょうか

様々な雑誌、ネット記事で書かれています。

内製化とは、ITベンダーなど外部の専門会社に依頼せずに、自社でシステムを作って運用しようということです。

なぜ内製化が必要と言われるのでしょうか


内製化が必要と言われる訳

「外注だとビジネス変革速度についていけないから」
「企業変革が必要だから」
「自社のビジョン実現が目的だから」
「海外では内製化が多く日本は遅れている」

様々、理由が挙げられています。

どれもその通りです。

しかし、これらは「DXだから」の理由ではありません。

DXでなくても、ビジネス変革のスピードは加速させる必要がありますし、企業変革は必要です。

DXは確かにこの色が濃くなっていますが、根本的に変わった訳ではありません。before DXとafter DXで全く変わってしまうのであれば、それまでのITの捉え方にそもそもの間違いがあったと言えます。


内製化は最近言われだしたことなのか

実は、内製化必要論はDXが叫ばれ出すずっと昔から言われ続けてきました。

内製化の方が、外注よりコストが抑えられる。

外注より早く対応できる。

自社のIT人材の育成が必要。

などなど、実は今と言っていることと変わりはありません。

そして内製化しようとして、挫折した例も多いのが事実です。



海外の内製化と日本の内製化の現実味の違い

海外、特にアメリカの事例を引き合いにシステムの内製化がDXの推進を阻害している。という話を聞くことがあります。

確かに、そういった側面もあるかもしれません。

しかし、日本と海外の雇用環境や労使間の環境を無視して、日本の内製化が遅れていて、日本もそうすべきだ。というのは乱暴でしょう。

海外の様にジョブ型で何をやるかで仕事を決められ、また雇用の流動性も高いと言われる市場と、日本の様に会社に所属している雇用形態で、仕事がなくなったからと解雇できる訳ではない環境を踏まえると、IT専門の正規社員を抱えることの難しさも理解できます。


中小企業にITの内製化人材は必須なのか

さて、これらを踏まえて日本の特に中小企業におけるITの内製化は必須なのでしょうか。

私もやった方がよいかと聞かれれば、やった方がよいと答えます。

ただ、現実的なのかと問われると、各社の状況を鑑みる必要があります。

ITはほぼすべての業務に関連しており、数十人規模の会社でも複数のシステムやツールを利用しているでしょう。

それら全てのシステムを把握し、管理・運用するだけでも複数の専任社員が必要になります。

それらの社員をIT知識をアップグレードできるような育成体制も必要になります。

それだけの人的リソースを抱えられるほど潤沢な利益が出ていればよいですが、現実問題として多くはないでしょう。

これらの状況から、人的リソースや財務的リソースが大企業と比較して強くない中小企業者にとってIT人材の内製化は必須とは言えません


現実解としての内製化

では、全く内製化を行わなくて良いかというと、そういう訳ではありません。

ITを活用してビジネスに活かしていく。

この点を踏まえた上で、何を内製化すべきか考えましょう。

・自社の社員でも可能な部分から始める

いきなり全てを内製で行うと言っても無理があるでしょう。

全体としては小さい部分でも、自分たちでITを管理するといったことはどういうことなのかを経験する意味でも簡単な部分から始めるのが良いでしょう。

・ベンダーを上手に活用する

内製化=ベンダーとの付き合いをやめる。ではありません。

やはり専業としてIT業界に関わっており、ノウハウやトレンドを理解している強みがあります。

自社のビジネスを理解してもらえるベンダーに、変更しやすいシステムや運用しやすいシステムにしてもらえるよう、十分なコミュニケーションをとりつつシステム化するのも1つの手段です。

・変更が多い部分だけ自社でできるようになる
ビジネスの変更速度に対応するシステムを構築するのは簡単なことではありません。

システム導入の際に、どの部分の変更が多いのか、前もって想定しておくことが必要です。

それらを事前に整理しておくと、どの部分を内製で行うかも見えやすくなるでしょう。

変更が多い箇所はシステムの変更ではなく、設定の変更でできるようにしておくとスピードも速く、システムへの影響も少なく済むメリットも得られます。


これらの点をふまえながら、
自社のビジネス強化につながる内製化を推進することをお勧めします。






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