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ユーロ圏製造業PMI確定値、2022年10月は過去29カ月で最低。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年11月03日に、米国の金融情報サービス大手S&Pグローバル(S&P Global Market Intelligencel/ex-IHS Markit/IHS Markit is now part of S&P Global)は2022年10月02日に、2022年10月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が46.4になったと発表した。

速報値から,さらに0.2ポイント下方修正され、前月からは2ポイント低下した。過去29カ月で最低に沈んだ。景気の「改善」と「悪化」の境目である50を4カ月連続で下回っていると報告した。

調査対象国のうち、
スペインは44.7と、こちらも過去29カ月で最低を記録。
イタリアは46.5に下がった。
オーストリアは46.6と過去28カ月で最も低く、
オランダは47.9に低下。
ギリシャは48.1で、過去22カ月で最低だった。
アイルランドは51.4に低下したが、分岐点は超えている。

ユーロ圏経済をけん引するドイツは45.1と、速報値から0.6ポイント下がり、前月からは2.7ポイント低下。
過去28カ月で最も低い。
生産高は2020年05月以来の低水準に落ち込んだ。
新規受注も、経済の先行き懸念やエネルギー高騰の影響で落ち込みが加速した。一方、雇用は堅調に推移している。

フランスは47.2と、速報値から0.2ポイント下方修正され、前月からは0.5ポイント低下。過去29カ月で最低となった。生産高は14カ月ぶりの低水準に落ち込み、新規受注は1998年の統計開始以降で最低水準に低下した。

ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、生産高は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の初期以降、最も急激なペースで減少した。
新規受注も、統計開始以降でまれに見るペースで落ち込んだ。仕入れ価格と出荷価格のインフレ率は、歴史的な高水準で推移している。

S&Pグローバルの上級エコノミスト、ジョー・ヘイズ(Joe Hayes, Senior Economist, S&P Global)は、今回の結果について「ユーロ圏の製造業が後退していることを明確に示している.」と指摘した。サプライチェーン(供給網)への圧力が緩和しているにもかかわらず、インフレ率は高止まりしており、企業はこうした厳しい状況が来年にかけて長期的に継続すると予測しているという。


S&Pグローバルの上級エコノミスト、ジョー・ヘイズ(Joe Hayes, Senior Economist, S&P Global)

イギリスも過去29カ月で最低

S&Pグローバルによると、2022年10月のイギリスの製造業PMIは46.2となり、前月から2.2ポイント低下。
速報値からは0.4ポイント上方修正されたものの、過去29カ月で最低となった。
景気の「改善」と「悪化」の境目である50は3カ月連続で下回っている。生産高は4カ月連続で減少し、新規受注の落ち込み幅は20年5月以降で最大となった。

輸出向けは9カ月連続で減少している。雇用は20年12月以来の縮小に転じた。

戦争好きのウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy)に武器を買うための資金を提供している限り、この不景気は継続する。

まずは、EUのシャルル・ミシェル(Charles Michel)大統領とEUのウルスラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長の意識改革が必要であり、戦争を継続するのではなく、停戦することが最優先である。

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