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中国輸出の大きな落ち込みは、輸出力を失いつつあるのか?


CNBCが発表した物流調査会社MDSトランスモーダル(MDS Transmodal)のデータから

ドイツのインフォグラフィクスを紹介しているハンブルク(Stadt Hamburg)にあるStatista GmbHのデータ・ジャーナリスト(data Journalist)のカタリーナ・ブッフホルツ(Katharina Buchholz)の報告として2022年10月24日に、「世界の工場」としての中国の地位は、かつてほど揺るぎないものではないことが、CNBCが発表した物流調査会社MDSトランスモーダル(MDS Transmodal)のデータで明らかになった。

この数字によると、世界の輸出における中国のシェアは、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、バングラデシュ、パキスタン、インドなどの追い上げにより、衣料品などの主要なカテゴリーで遅れをとっている。


消費財の世界輸出における中国のシェアは2016年以降低下している


生産国間の競争が激化し、中国での規制強化により、ベトナムやマレーシアなどの工場が立ち上がる中、コロナウイルスの大流行以前からこの現象は始まっていた。

2016年以降、主要消費財の世界輸出に占めるベトナムの割合が増加

コロナウイルスの大流行時には、大規模な封鎖により各地で生産が停止されたため、輸出はさらに低迷した。
2016年から2022年の間に、世界の履物と家具の輸出における中国のシェアは、それぞれ7ポイントと11ポイント減少した。旅行用品・ハンドバッグの落ち込みは13ポイントとさらに大きかったが、中国は引き続き同分野を支配している。重要な衣類とアクセサリーの分野では落ち込みが少なかったが、衣類は市場が細分化されているため、もともと輸出シェアも小さかったのである。

バングラデシュとマレーシアは近年、衣料品とアクセサリーの輸出で中国の世界シェアを食いつぶしている

世界的な輸出を拡大できた国としては、家具、履物、旅行用品の国際販売を4〜9ポイント向上させて世界数の10〜17%のシェアを獲得したベトナム、2022年に衣類輸出の世界シェアがそれぞれ14%と12%に達したマレーシアとバングラデシュが挙げられる。

ブロード・マーケッツESG

中国では大規模なCOVID-19による封鎖が続いており、国際経済界の信頼は大きく揺らいでいる。

中国でビジネスを展開している米国企業117社を対象にした6月の調査では、48%が中国のCOVID-19対策がビジネスに深刻な悪影響を及ぼしていると回答している。

また、48パーセントは中程度の悪影響と見ている。その結果、55パーセントが中国への投資を取りやめたと答え、37パーセントが2021年に比べて収益予想が減少したと答えた。

後者の数字は、42パーセントが収益減を予想した2020年にかなり近い数字である。

報告書によると、検閲問題、データ保護問題、中米間の政治的緊張が、米国企業にとっての中国の地位をさらに複雑にしていと報告した。

さらに、中国の最高国家主席習近平(习近平/President Xi Jinping)による未来展望が、具体性を欠き、掛け声だけになってると指摘する声も聞こえてきている。

いよいよ、中国国内消費に期待する以外は、望めなくなっている。」

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