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「ビルド・ア・ガール」を観て思い出した あの頃の私に伝えたいこと

先日、この映画を観に行きました。

「ビルド・ア・ガール」

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あらすじ等はこちら

「レディバード」や「ブックスマート」で今、旬な女優として注目が集まりつつあるビーニー・フェルドスタインの主演青春コメディ映画です。

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この映画の公開、とても楽しみにしていました!90年代のイギリスが舞台の青春もの。
そして今や私内で1、2を争うお気に入り女優のビーニーが主演!
田舎に住む文章を書くのが好きなダサい女子。まさに私じゃん(笑)
そんな彼女がイギリスのロック批評雑誌の最年少ライターになる。夢しかない!(笑)
エンパワーメントムービーでもあるそうで、楽しみにして映画館に足を運びました。

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この映画、今の10代、いやもしかしたら年代性別関係なく、すべての人達に元気や勇気を与える映画として愛される映画だと思います。

映画館を出た後、映画を思い返しつつ、青春時代そして今に至るまでの自分を振り返りながら帰り道を帰ることになりました。
主人公と同じ、90年代に冴えない青春を送っていたあの頃の自分語りも入りますが(笑)、誰かの元気になってくれたらいいな。興味があったら読んでみてください。

※ここからは思いっきりネタバレしてますので、結末や詳細を知りたくない方はご注意下さい。

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まずは映画としての最大の魅力を語ると、

何と言ってもやっぱりビーニー!!

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もうファーストシーンから愛おしいです、この映画。この顔が。

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「レディバード」では主人公の親友役として助演ながら印象的な演技で注目され、

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「ブックスマート」はケイトリン・デリヴァーとのW主演!

単独での主演作を観たのは私はこの映画が初でしたが、もう彼女の魅力なしにはこの映画は成り立たなかったと思います。

それくらいビーニーが最高!!!

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もう輝いちゃって輝いちゃって(笑)この映画で確信しました。彼女はおそらくそのうち天下取ります(笑)
いや、もうとってるか。「レディバード」と「ブックスマート」だけでも冴えない高校生女子の代名詞的な存在。
そこに新たな代表作が加わった感じです。とにかく愛おしいんですよね。かわいい声と、愛嬌の塊のような表情。

映画の中の彼女がクルクルと見せる様々な表情に目が釘付けです。「あちゃー」と思うようなジョアンナの行動や態度もビーニーが演じているからか全てが愛おしい。

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ドリー・ワイルドに変身してからも極端な行動に出たりしますが、それでも憎めない。いや、他の子だったらドン引きかもしれない(笑)

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本人はもう28歳なので、さすがに高校生役や学生役はこれが最後かもしれないですが、また愛すべき青春ムービーをありがとう!
ビーニーが出ているだけでもう「絶対チェックしないと!」って存在ですよね。

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また、彼女が恋してしまうミュージシャン役のアルフィー・アレンも良かったです。
アーティストらしい繊細な面をうまく演じていました。ミュージシャンって実は彼くらいしか出てこないんですよね(笑)

なかなか素敵な歌いっぷりでした♪

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父も母も決して悪い人ではないんですが、家はお金無し、父はもともとミュージシャンで生活力は無し、ドラムセットがリビングにあって、毎週POP音楽番組を子供と一緒に観たり。
産まれたばかりの双子の世話で産後鬱になっている母は今の私の目から見ると共感しかありません(笑)

そして兄。

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ジョアンナを鬱陶しいと思いながらも見守る優しい兄です。ジョアンナにロック雑誌の募集を教えるのも彼。この兄妹関係も良かったです。お兄ちゃんの方がロック好きなんですよね(笑)

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私、盛大に勘違いしていたんですけど、主人公のジョアンナは当初はロック好きでもなんでもないんですよ(笑)
ただ文章で自己表現したくて、図書館に入り浸ってる子。先生にも呆れられるタイプ。

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彼女が壁に貼っているお気に入りの偉人たちの写真。サウンド・オブ・ミュージックのジュリー・アンドリュースや、エリザベス・テイラー、
ブロンテ姉妹やなぜかドナ・サマー(笑)

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なんかエリザベス・テイラーがリリー・アレンに似てるなと思ったら本当に本人が演じてた(笑)


そんな彼女が兄の勧めで辛口ロック批評誌のライター募集のために書いたのがアニーの「tomorrow」のレビュー(笑)。場違いだけどユニーク。
それで一応審査が通るんだから、やっぱり並みならぬ才能があったんだと思います。

自分の文才を活かせる場所なら、全然知らないロックの世界でもあり。10代は場を与えられるだけでうれしいし、外見まで変えちゃう。彼女の場合はそれで家計まで支える立場になってしまう。

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ジョアンナがドリーとして乗り込んだマニック・ストリート・プリーチャーズのライブで「You Love Us」を聴いて衝撃を受けてノリノリになるシーン!!
あれはそうなるよね~(笑)

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刺激ある生活に飲み込まれて別人のようになるジョアンナ。
そんな彼女がロック批評の場で辛口批評をもてはやされて、どんどん辛辣なことをかいて人気を得ていく過程は、若さゆえもあるけれどちょっと胸が痛いところも。
書かれる方はたまんないよね。それはミュージシャンを傷つける行為。でもそれで人気がでちゃう。今も昔も辛口な批評ってなぜか人気になりやすい。
そして、好きになったミュージシャンがオフレコで語った大切なエピソードまで晒してしまう。
本来の自分と違う酷いことをして、すさんでいってしまう彼女はかなり痛いんです。。。

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「D&ME」のオフィスの雰囲気、編集長はじめ魂無さそうなライター達。いや、そんなことないんだろうけどいい事ばっかりも言ってられない、そんな甘い世界でもないわけで。

また男性社会の中に飛び込んだジョアンナが編集員の膝に「座れ」って言われて一瞬ひるむシーンはヒヤっとしました。
膝に飛び乗ってやるジョアンナは笑えるシーンでもあるけれど、原作者のキャトリンによると「それしかなかった」という。


こういう経験、女性なら少なからずあると思います。まして10代。断りづらいですよね。
さすが原作者本人が脚本も一緒に書いているようで、リアルな感じがしました。

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最後は自身をバカにされて、怒りと傷心で「D&ME」のライターを辞めてしまいます。
けど、彼女は書くことはやめなかった。酷いことを書いたアーティスト達に過ちを認めて、別の出版社へ売り込みます。
そこにいるのがエマ・トンプソン!いいキャスティングですよね~。一瞬の出演だけど、すごく気がきいてます。

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ラストは「自分自身を探す過程で傷ついたり崩れたりしても、また再構築すればいい」というジョアンナの言葉で締められます。
この語りが胸に来て泣きました。ジョアンナのかわいい声で言われると余計に響く。

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ジョアンナが自分に重なる部分がとても多くて、まさに10代後半から20代前半の自分を観ているような気持になりました。
私も田舎の団地で育って、文章を書くのが大好きな冴えない女子。一緒過ぎる(笑)
海外の映画や音楽に夢中で、高校時代にレンタルビデオ屋に毎週通ってはロックのCDや映画のビデオをお小遣いで借りて四六時中観て、妹や母に自分の考えや感想をぶちまけてスッキリしてました(笑)
本屋で映画雑誌や音楽雑誌を買い漁ったり、放課後に立ち読みばっかりしてた。(本屋さん、ごめんね)
大学の頃は映画雑誌のサークルに入ったり、音楽フリーペーパーに文章書かせてもらったりしてました。懐かしいわ!

けど、実際ライターでお金を稼ぐなんて「私には無理だ」と思ってたし、そもそもどうやったらなれるのかも本当のところは分からなかった。

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それに私とジョアンナが決定的に違うのは、私は傷つくのがとにかく怖かったです。
「自分の書いたものが批判されたら、間違ったことを書いて指摘されたらどうしよう」って。
誰かを傷つけたり、辛い思いはさせたくないし、何より自分が傷つくのが耐えられなかった。今も同じですけど。
映画の中のジョアンナの行動力がとても眩しかったです。

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あれから20年経った今、それでもあの頃と根っこは変わらずに、相も変わらず映画や音楽やドラマについてちょこちょことレビューを書きはじめました。
こうやってnoteで好きな作品や感動した気持ちを自分なりに表せる場所ができて、なんだか成長しているのかしていないのか(笑)
それでも、誰かに喜んでもらったり、面白いって思ってもらえるのは本当に嬉しいし、今や人生で大切な喜びの一つです。素晴らしい作品に出逢うのと同じくらい。
それに、読んでくださった方ともちょっと繋がれる行為なんですよね。「感想を共有できる」って素晴らしいことだと思っています。

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今、子育てや仕事と同じくらい、私にとってnoteにこのブログを書けることは自分にとって大切なことになってます。
なんの生活の足しにもなりませんが(笑)

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この作品や原作者のキャトリンさんみたいに、世間の女の子や自分探しをしている人にメッセージを送るなんて大それたことはできないけれど、
あの頃の自分になら言えるかもしれません。「好きなことをやめないで。書き続けてね。」って。それが自分を作ること、救うことにもなるから。

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痛くて最高に素敵な作品をありがとう!!大切にまた見返します♪


おまけ 当たり前ですが90sのイギリス音楽がたくさん使われてます。90sから抜け出せない(笑)

おまけ2

この映画の原作者、なキャトリン・モランさんのこのインタビュー記事、本当にいい内容なのでぜひ読んでみてください♪映画以上に過酷な家庭だったよ。。。




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