見出し画像

家づくりの唯一の後悔(「金利が上がっても、 住宅ローンは「変動」で借りなさい」を読んで)

家を購入してから丸一年が過ぎました。元気いっぱいな子どもたちが色々と傷つけたり摩耗させていますが、設備等に大きな故障もなく、心地よく過ごしています。

家を購入するにあたっては、すでに購入した人に話を聞いたり、本を買ってみたり、不動産巡りをしてみたりと、色々と勉強らしきものをしたことで、良いものができたとは思っているのですが、唯一後悔していることがあります。

住宅ローンの組み方です。

住宅ローンも比較検討したうえで、事前審査も数社通した上で決めました。

その瞬間は、「今できるベストの選択」と思っていたのですが、購入後しばらくして、ずっと何かモヤモヤとしてものが残っていました。もっといい選択肢があったんじゃないか・・・と。

先日、「金利が上がっても、 住宅ローンは「変動」で借りなさい」という本を買って読んだのですが、ここに答えが書いてありました。期限の利益というメリットを思いっきり私は放棄していたんですね。

もっとたくさん借りて、長期間ローンを組んでおけばよかった、失敗したと心から思います。

1 そもそもの借入状況

家を購入するにあたって、以下の条件で借り入れを行っています。
 ・金利は1.2%の変動金利
 ・借入期間は10年間
 ・借入額は住宅価格の1/3ほど
 ・団信(団体信用生命保険)はなし

金利については、当時の住宅ローンの変動金利は、ネット銀行ならば0.3%、メガバンクでも0.5%程度であったと記憶しています。私の条件よりもずいぶんと優遇されており、かなり不利な条件で借りたことになります。

その理由は、注文住宅で建てることとしたために、表題登記の手続きにとれる時間が短く、最終の支払いまでに借り入れの条件が整うのか不安があったためです。

また、借入額を10年とした理由は、金利が高くついてしまったため、できるだけ短い期間で返済したかったこと、子どもの教育費がピークを迎える時期と住宅ローンの支払いを被らせたくなかったことです。

借入額も、フルローンの1/3としたのは、注文住宅であるため、中間金の支払いが必要であり、最終に支払う額をそんなに多くできないと思い込んでいたことにあります。

最後に団信については、すでに生命保険に入っていたこともあり、自分が亡くなったとしても、死亡退職金や今入っている保険で賄えるだろうという考えがありました。

こうした理由から、公務員共済の住宅貸付を利用して、金利1.2%という、その当時の固定金利すら上回る額を10年という短い期間で借りてしまいました。

2 本を読んで募る後悔

金利が上がっても、 住宅ローンは「変動」で借りなさい」を読んで、住宅ローンを組む前に読んでおきたかったと思わずにはいられませんでした。私の色々なミスに対してしっかりと指摘をしてくれるようです。

まず金利ですが、このご時世に1.2%の変動金利はやはり高いです。10年でも50万円以上の支払額の差が出ます。本の中でも、借り換えについての記載がありますが、借入額が少なすぎてメリットを生かせていません。

最初の戦略が間違っていました。住宅ローンは最低限の額を借りるのではなく、借りられるだけ借りるべきであったと感じます。

借入期間も短すぎでした。10年としましたが、短くしたことによって、月々の支払いが高くなりますし、その分だけ生活に余裕がなくなります。倍額借りて、30年のローンを組めば、月々の支払いが2/3程度になりますし、その分を資産運用に回せば、支払う金利以上に利益も出せます。

例えば、借入期間10年であれば、月々に10万円を住宅ローンとして支払う必要があったのが、借入期間を30年とすれば、倍額借りても月々の支払いを7万円弱に出来ます。

差額の3万円を、手数料の安い投資信託にNISAで積み立てれば、優に金利分を上回る利益を得ることができるでしょう。もったいないことをしました。

そして、団信です。これ以上の保険は不要と思い込んで、早々に団信は不要としましたが、団信は、非常にお得な制度です。保険の対象者が、働き盛りの若い方ばかりで保険事故が起きにくいためか、保険料が非常に低額に抑えられています。

私の入ることのできた団信は、借入額の金利が0.1%上乗せされる代わりに、死亡または高度障害となった場合に住宅ローンの残債がチャラになるというものです。

住宅貸付の最大額の2000万円で仮定すると、+0.1%の金利上乗せで、ざっくり月々の支払い2000円増えることになります。

一方で、個人的にも利用しているライフネット生命のシミュレーションと比較すると、40歳の定期死亡保険(保険金2000万円)20年間の毎月の保険料は、約4300円です。
定期死亡保険「かぞくへの保険」の保障の選び方・保険料シミュレーション (lifenet-seimei.co.jp)

死亡時に同じ額が家族のもとに入ることには変わりないのに、月々の支払いは半分になります。加えて、団信には、がんと診断された場合に住宅ローンの残債が半分になったりと、様々な特約のあるものもあります。

本にはより詳しく書いてありますが、住宅ローンの大きなメリットである団信を逃したことも非常に大きいです。

3 今思う最適解とは

ネット銀行を中心に見ていたために、中間金の支払いまで対応してくれる住宅ローンはないと思い込んでいたのが失敗でした。

メガバンクを中心に、中間金の支払いや土地の代金の支払いのために、つなぎ融資に対応している金融機関はちゃんとあり、つなぎ融資を視野に入れて金利の安い銀行にも事前審査を入れるべきだったというのが、そもそもの失敗です。
注文住宅ならみずほ銀行住宅ローンの分割融資がお得|みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)

ただ、第三子の出産前であったために、様々な手続きを行う余裕もなく、早く代金を支払える状態になりたいという思いもあったことから、簡易な手続きで借入のできる職場の住宅貸付も悪い選択肢ではなかったと思います。

自治体内で借りることから、審査も厳しくなく、書類を出してから数日で振り込み予定日の連絡があり、大変安心した記憶があります。また、育休に入って、住宅ローンの返済も猶予してもらえることになり、その手続きも簡単で大変ありがたかったです。

一方で、限度額ギリギリまで借りておけば、表題登記など全てが終わったのちに、借り換えの選択肢ができるので、もっと多額をのローンを組んでおけばと悔いています。

限度額の2000万円いっぱいまで借りて、余裕ができた段階で、民間のネット銀行に30年で借り換えれば、事務手数料を差し引いても、金利分得をします。さらに、月々の支払いが少なくなることで、浮いた分を投資に回すこともできます。

私は限度額よりも少ない額で借りてしまったがために、事務手数料の方が高くついてしまい、新たに団信をつける程度ぐらいしか、借り換えのメリットがない状態です。

まとめると、もっと多額のローンを長期間組んでおけば、月々の支払い額を減らせました。また、ネットと比較しても割安の団信を組んでおけば、今入っている保険を見直して、さらに家計負担を抑えることができます。おまけに、多額のローンを組めば、住宅ローン減税での還付額も増えて言うことなしです。

私の失敗語りはここまでにして、冒頭で紹介した「金利が上がっても、 住宅ローンは「変動」で借りなさい」はとても良い本だと思います。家づくり、住宅購入を考えている人は、購入資金は大きく悩むところであると思うので、まず初めに手をとって良い本だと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?