見出し画像

#181 あんまり教えてくれない仲介で損をしない話3

不動産業界って、個人と会社間で情報の非対称性が数多く存在します。

つまり、知らないと損をすることが多いわけです。

あとで知って後悔をする前に、情報を蓄えられる記事として誰かの役に立てば幸いです。

仲介と買取についてそれぞれ記載をしています。

よければご覧ください。



買取シリーズは5本書いています。


今回は仲介の3本目。


チャレンジ価格で売り出した結果、売却に1年かかった


#175と似たようなケースになりますが、高く売れることを期待して失敗してしまったケースです。


不動産仲介会社によっては、仲介の査定で3つの金額を提示します。

チャレンジ価格:相場よりも少し高めで売りに出す

相場価格   :相場通りの金額で売りに出す

早期売却価格 :相場よりも少し低めの金額で売りに出す

もちろん、誰もが高く売れる方がいいと思うわけですが、#175でも記載をしたように、チャレンジ価格と呼ばれる高い金額で売りに出すと、販売の長期化のリスクがあるため、売れ残ってしまう可能性があります。

ここでひとつデータを見てみましょう。

東日本不動産流通機構が開示しているマンションと戸建のデータです。

データの内容は、売り出し価格と売れた価格の乖離についてです。

(出典:東日本不動産流通機構)

【マンション】

画像1

新規登録物件とはレインズに登録された物件の金額なので、売り出し価格となります。

売出価格よりも成約物件の金額の方が高い、つまり、相場通り、または相場より少し高めに出しても売れる傾向にあることがわかります。

【戸建】

画像2

一方、戸建については、成約物件の金額が売り出し価格を下回っています

つまり、戸建を売ろうと思った場合、チャレンジ価格での売却は難しく、戸建を求める購入層の需要と、高く売りたい売却層の供給が金額面でミスマッチしていることがわかります。


戸建はマンションと違い、個別性があるため、売却に苦労すると言われています。


戸建の個別性とは、間取、地型、施工会社、構造等。

戸建の場合、築年数や広さに加え、上記の個別性という希望条件が入ります。加えて、注文住宅の場合は、施工主の希望条件に合わせて建築しているため、同じような間取り、構造などを希望している購入者を見つけなければならないため、購入層の母数がどんどん絞られていく形になります

さらに、購入層の心理を鑑みると、中古物件と新築物件を比較した際に、同じくらいの価格帯であれば新築物件を求める層が多い為、わざわざ中古物件を選択する必要がなくなってしまうわけです。

一方マンションが売れやすい理由は対照的で、個別性があまりないことから、間取、築年数など戸建程多くない希望条件でフィルターをかけられるため、購入層の母数が広いと考えられます。

マンション全体のメンテナンスは管理会社が行うため、戸建のように自身で何かをする必要がないこと、室内については自由にリフォームをすることができます。最近はDIYが流行し、自身でリフォームをする方も増えてきていることからマンションの人気は衰えていません。

しつこいようですが、仲介の価格は、「売れる可能性がある金額」であって、必ず売れる金額ではありません。

価格の整合性を確認し、なおかつ売却を考えている物件がチャレンジ価格で勝負できる物件なのかどうかを、ある程度ご自身で見極めることが大切です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?