見出し画像

ワーケーション中にできる仕事 できない仕事

ワーケーションしていると「自分はできないけどワーケーションできていいなー」ということをよく言われます。

ワーケーションできない理由はある程度は分かります。接客業の方は物理的に無理ですよね。会社が出社が絶対ダメという方も分かります。でもデスクワーカーの方やフリーランスの方は本当にできませんか?個々の業務単位で考えてみたことありますか?

雰囲気で話していても埒があかないので、自分のイベント制作業の場合、どんな業務はできて、どんな業務はできないか細分化して考えてみたいと思います。

ワーケーション中にできない業務

現場にひもづく業務

イベント業において、イベントの本番のこと、またその会場自体を「現場」と表現します。その現場業務の時はワーケーションは絶対無理です。

  • 進行ディレクター業務

  • 運営ディレクター業務

  • 制作案件立ち合い業務

進行や運営のディレクター業務は現場でステージを担当したり、誘導等の運営を指揮したりするのですが、これは遠隔ではできません。ZOOMを使ったり、IPシーバー(携帯回線を使ったトランシーバー)で遠隔で対応することは0ではありませんが、それは余程の緊急事態で普通であればで、基本は現場にいないと話になりません。

また制作案件というのはいわゆるプロデュース業務のことです。イベントに関わる協力会社を手配したり、事前準備を行う業務なのですが、自分はイベントの中でもこの領域を本職としています。

完璧に手配していれば後はお任せ、なんてわけにはいかず、話と違うことがあったり、現場での変更、微調整などいろんなことが起きます。全ては現場のために行うことであり、何千万ものお金が動く責任の重い業務なので、必ず現場には立ち会います。やはりこれもワーケーション中にはできません。


制作時のロケハン

撮影においてと少し意味が違うのですが、イベントにおいて「ロケハン」は現場となる会場を実際に見て使い方を検証する業務となります。これも現場にいないとできません。

ロケハンでは会場担当者が資料では分からない部分の説明を説明してくれたりします。また音響照明映像美術などの関係者が一堂に介する場合が多く、その場でいろいろな取り決めを行います。場合によってはクライアントが同席することもあり、会場の特性を説明したり、現在のプランの説明をしたりします。

小規模なイベントの場合、資料と電話やオンライン会議で対応することもありますが、原則現場にいないとダメな業務ですね。なんやかんや言っても現場を見て初めて分かることがたくさんあります。


ヘビーな映像編集

自分ができるのは簡単な映像レベルですが、、

全てのイベント会社に共通する業務ではないのですが、自分はイベントに関わる映像の編集も行っています。簡単な編集であればモバイル環境で行ってしまうのですが、ヘビーな編集の場合はそうはいきません。

AfterEffectsで動きのあるテロップを作ったり、PhotoshopやIllustratorで凝ったデザインを作ったり、マルチカメラ編集や4K映像を使う場合はノートPCではスペックが足りません。またモニターも大きなものやカラーマネジメントモニターが欲しくなります。

やってやれないことはない業務なんですが、レンダリングや読み込みの時間を考えると激烈効率が悪い。なので、この作業が発生しそうな時はワーケーションを避けています。


配信機材システム検証

簡単そうに見えて案外事故率が高い配信仕事、、

これも全てのイベント会社ではやらないと思いますが、自分は配信イベントやハイブリッドイベントも請け負っていて、ある程度のシステム検証作業は自社内で行ったりしています。機材も一通り所有しています。

ただ撮って出すだけの配信ならいいのですが、最近はZOOMと組み合わせて遠隔参加の人がいたりとか、Vtuberでグリーンバックを抜いて合成してだとか設定上複雑なことが多々あります。この組み合わせで音声の遅延や劣化がないか、色が正しく出力されているか、長時間運用でも問題ないかなどを検証する必要があるのですが、この業務も遠隔ではできません。

検証やリハーサルという業務は可能な限り現場と近い環境でテストしてこそ意味があるので、実際に使う機材を繋いでみて会社内でいろいろと試してみたりします。


レアな備品、安い備品手配

イベントの現場の直前というのはいろんな備品を大量に手配するのですが、大体はネットで手配してしまいます。アスクルかAmazonでほとんどのものは手に入ります。昔はドンキやハンズやLOFTによく通ったもんですが便利な時代になりましたね。

それでも揃わないケースや、スケジュールが際どい時、また安い備品を手配する時は100均のが便利です。近所のダイソーやキャンドゥ、セリアにはよく買い出しに行きます。これも遠隔地でも一応できるんですが、品揃えは東京のが多いし、お店の数も多い。遠隔で買って送るのもナンセンスなので、やはり東京にいる時に行います。


できない状態をまとめると

イベント業においてはロケハンや現場直前でなければワーケーションしていてもあまり影響がないということですね。

ちなみにイベント業は一般的に2月、8月が閑散期と言われていて、その時期なら同業の方も結構ワーケーションできる気がします。

ただその辺は自分の取引先によるので、一概には言い切れません。自分は逆にその時期が忙しいことが多く、また突発的な仕事も発生します。なので時期で判断するというより上記のような業務が発生しない隙間を見計らってワーケーションしています。

基本的に制作はプロジェクトが大きい時に発生する業務なので、大体3ヶ月前ぐらいには相談が来ます。現時点で相談されていないのであれば3ヶ月ぐらいは暇になりやすいのでその時がワーケーションチャンスとも言えます。


ワーケーション中でもできる業務

先程あげた業務以外は大体できます!
イベント屋としての業務以外にも会社経営に関連した業務もあるのですが、まとめて挙げたいと思います。

オンラインMTG
電話連絡調整
メール、Slack、チャットワーク、Discord連絡調整
台本制作
マニュアル制作
Notionで資料作成
見積り作成
リサーチ
PPTスライド制作
PhotoshopやIllustratorなどで簡単なデザイン
PremiereProやAfterEffectsでの簡単な映像編集
請求書発行
振込、入金確認
経費精算
契約書締結(オンライン)
などなど

デスクワークをされている方の業務って大半この辺りだと思うのですがどうですか?人によってはプロダクト制作や広告制作がサンプルが届くとかあるかもしれませんが、1週間ぐらい何も届かない時もありますよね。

自分の想像力が足らないだけかもしれませんが、デスクワークをされている方のほとんどがワーケーションできる状態なんじゃないかと思っています。


ワーケーションできない事情

業務単位ではできるかもしれないが、業種の事情、会社の事情、家庭の事情、コストの事情などでワーケーションできないという方もいると思います。そこは難しい問題ですよね。

そのあたりについてもお話ししたいのですが、ここでは長くなってしまいますので割愛します。別の機会に自分の意見を発信したいと思います。


まとめ

正直自分もリアルな場を取り扱う仕事なのでワーケーションなんてできないと思ってました。でもデジタルツールの発展により案外できるんじゃね?となり、実際にやってみたら案外なんとかなることが分かりました。

ワーケーションが全員ができるようになるとは思っていません。そこはある程度限られてくるでしょう。自分だってテンパってる時期に無理にワーケーションしようとは思いません。みんないろんな事情はあります。

ただ一つここで伝えたいのは
「ワーケーションできる環境の人がしていないのはもったいない」
ということです。

自分のようなリアルをともなう仕事でもワーケーションできてしまうので、「ワーケーションしてみたい!」という方は、自分の仕事や環境をあらためて考えていただき、チャンスがあれば是非チャレンジしていただければと思います。できる方は思ってるより多い気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?