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設定がガバガバな夫婦の話


当時、僕は映画館でバイトをしていた。

その日もチケットのもぎりをしていたのだが、
50代くらいの夫婦がやってきて
僕に3枚のチケットを渡してきた。

大人二枚、子ども一枚

ん?子ども一枚? 
どう見ても夫婦しかそこには見えない。

つい何も考えず聞いてしまった。
「本日お子さんはいらっしゃってないですか?」

すると、奥さんが旦那さんの左手を指差した。
「うちの息子です。」


僕は戸惑ったがすぐに理解した。

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そのミッキーが息子という設定だと。



「大変失礼いたしました。8番シアターへお進みください」
僕は平然を装い、その設定に乗っかることにした。


「チャイルドシートはありますか?」
「はい、シアターの前にございます。」
「良かったです。息子が使うので。」
「どうぞお使いください。」

夫婦は、設定に乗っかった僕とそんな会話をしたあと8番シアターへ向かった。



なんとか設定に乗ることができたが、
僕は心の中で3つツッコミをしていた。

一つ目、まず大前提にミッキーが息子なんだ。
二つ目、ミッキーはミッキーでも、昔のタイプのミッキーなんだ。
三つ目、息子と言いながら、ボストンバッグに入れてるんだ。首だけ出すその入れ方って可愛い小型犬以外もあり得るんだ。



息子と言う割には、物として扱ってる感じがすごい伝わってくるガバガバな設定だったので、笑いそうになったが、時給が発生していたので何とか我慢した。


その後、上映前にその夫婦がどのように映画を観るのかが気になりすぎてシアターまで見に行くことにした。

するとこんな感じだった。

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ここでもまた、ツッコミを3つしたくなった。

一つ目、完全に荷物みたいに息子置いてんじゃん。2人の間に置かないんだ。その置き方ならチケット買わなくて良くない?
二つ目、カバンから出してあげないんだ。家でもそのままなのかな。
三つ目、チャイルドシートあるか何で聞いたんだよ。使えよ。



正直ここまで設定がガバガバだと吹いた。


きっとあの夫婦は設定を続けていくうちに段々と設定が甘くなっていたのだろうが、咄嗟に設定に乗っかった僕は気になって仕方なかったし、息子が可哀想にさえ思えた。

しかし、2人の世界、いや3人の世界に口を出す権利は僕にはない。


上映終了後、その3人家族は楽しんだ様子で帰っていった。

帰り際、僕に対して夫婦は「ありがとうね」と言った。すぐに設定にちゃんと乗っかったことへのお礼だったと勝手に思っている。


そもそも僕以外の人は、「息子です。」と言われた時どうしてるのだろう?と思った。

ずっと設定を受け入れない感じを出すと旦那さんが「そういう設定でやってんだよ!!!」とキレたりするのだろうか。


兎にも角にも、ちゃんとすぐに設定に乗っかったんだからチップくれよと思った。






p.s 雑すぎるコラですみません。




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