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顧客に媚びて妥協することはマーケティングではない 10月4日 The Right Compromise 正しい妥協

#10月4日 水曜日。お昼になりました。今日の #収入を増やすための #ドラッカー #NOTEマガジンも #ドラッカー365の金言  から。

今日のテーマは
#The_Right_Compromise
#正しい妥協

今日のテキストも昨日の続き。効果的に意思決定する5原則の3番目です。

1、問題が一般的であり、そして、それは一定の法則ないしは原則を確立するような決定を通してのみ解決されうるということを、はっきりと認識すること。
2、問題に対する解答が満足させなければならない要件、つまり、<限界条件>をはっきりと定義すること
3、<正しい>解答は何かということ、すなわち、決定が受け入れやすいようにするために必要な妥協であるとか、適応であるとか、譲歩であるとかいったような事柄に留意する前に、要件を完全に満足する解決策は何かということを考え抜くこと
4、決定それ自体のうちに決定を実施に移すための方策を組み入れること。
5、決定の妥当性と有効性を、現実の成り行きに照らして検証するための<フィードバック>を設けること

#経営者の条件 1966年版 227ページより

正しい妥協とは何か、について、ドラッカーは以下のように記述しています。

 われわれは「なにが受け入れられやすいか」ということを検討することから始めても結局なにも得るところはない。いな、むしろこれに解答しようとする過程で、われわれはほとんどの場合重要な事柄をすべて犠牲にし、そして正しい解答はおろか、なんらかの意味において効果的な解答に到達しうる可能性というものをまったく失ってしまうからである。

#経営者の条件 1966年版 249ページより

 この記述から分かる通り、ドラッカーは、ターゲット客の要望に応え、訴求して、どうにかして買ってもらうことをマーケティングとは考えていません。

 本物のマーケティングは、「わが社が売りたいと思うのは何か」と問いはしない。「顧客が買いたいと思うのは何か」と問う。また、「これこそ、わが社の製品(ないしはサービス)にできること」と、いいはしない。「これこそ、顧客が探し求め、価値を認め、必要としている満足感である」というのである。(中略)「マーケティング」の狙いは、顧客というものをよく知って理解し、製品(ないしサービス)が「顧客」に「ぴったりと合って」、ひとりでに売れてしまうようにすることである。
 理想的にいうと、「マーケティング」とは、その結果、顧客に購入の準備を整えさせてしまうことである。そうすれば、後で必要になるのは製品(ないしはサービス)を入手できるようにするだけ、つまり、「セールスマン活動」よりは「兵站技術」、また「販売促進」というより「統計による流通」ということになる。

#マネジメント  1974年版 上巻 100ページより

 例えば、2000年代、主に出張や移動の多いビジネスパーソンには、薄くて軽くて充電が長持ちするノートパソコンが欲しいという需要がありました。

 ソニー、シャープ、パナソニックなどライバル社も薄型ノートPC市場に参入していました。アップル社も2008年1月16日、MacBook Airを発表して参入。

伝説となったジョブズ氏のプレゼンです。

「封筒からノートPCを出す」という演出が聴衆の度肝を抜きました。

2000年代に入り、ネットワーク速度が速くなり、物理的な機能からクラウドが始まったこともあり、Bluetoothなどのワイヤレス接続機能が強化されたこと、機器の強度、電池の持ち、そして「薄さ」に妥協せず、製品化したことで人気を集めました。この製品は現在も人気を集め、2023年6月5日、初の15インチディスプレイを備えたMacBook Air (15-inch, M2, 2023)が発表されています。

MacBook AirはiPhone同様、絞り込んだ先進的な「薄さ」、そして、ネットワーク機能を充実させたことで、他社PCとは一線を画したデザインがファンの心を掴んでいます。

妥協しないで、自分(社)の思いをかたちにしてみたらいかがでしょうか。思いから形になりつつある直近の面白い事例の1つが百田尚樹さん・有本香さんが始めた「日本保守党」です。

https://hoshuto.jp より

 9月1日にツイッターアカウントを開いて2週間で、国内政党でNo1のフォロワー数(25万7千)を獲得、9月30日から党員募集始めて3日で4万人超。党員数は、維新の会、参政、国民民主、社民らを抜きさりました。

政党は、利害関係で始まるのではなく、理念や考え方から始まり、形になっていくことを見ることができました。利権で繋がる既存政党との違いは明らかです。

 こうした事例からもドラッカーの考え方が理解できます。そして、彼の考え方を活かし収入増を実現する方法をご紹介します。参考にされたい方は、ハートマーク、フォローもよろしく。コメントもいただけると嬉しいです。それでは、ごきげんよう!

追伸

これと真逆なこと=妥協を強いることばかりをおこない、人を無力感、無気力へと進ませるのが「全体主義者」です。

 ドラッカーは、処女作『 #経済人の終わり 』で、1917年第一次大戦敗戦、1919年スペイン風邪流行、1920年戦後の巨額の賠償金請求、1929年世界恐慌による長期的なインフレ、と連続で襲う負の現実に絶望感を抱いたドイツ国民が1930年代にナチスの全体主義へと走った心理を次のように記しています。

「大衆には欲しいものがある。空虚には耐えられない。全体主義がくれるものは、まことに不満足である。しかし他には何ももらえない。してみれば全体主義の他には妥当な回答がないのであろう。全体主義がくれるものが気に入らなければ、それだけに、もらえるもので十分なのだと思い込む自己説得につとめなければならない。自己説得につとめるほど不満が高まるのは必定である。そうしてみれば、この努力は、ますます強められ無ければならない。
 このようにして全体主義の国民は、普段の緊張のなかに生きることになる。大衆はひどく不愉快であり、ひどく失望しており、激しい幻滅を感じている。しかし、幻滅を感じ失望していればこそ、あらんかぎりの力をつくして全体主義の信仰に努めなければならない。今持っているものはただ1つ、これを捨てたらなにが残ろうか。大衆は麻薬常習者のようなものである。毒と知りつつ使い方を増やしていかなければならない。やめるわけにはいかない。」

「経済人の終わり」 218ページより


「半切れのパンでも、ないよりはまし」

#経営者の条件 1966年版 248ページより

そうやって人々を諦めさせ、「飼い慣らさせる」。それが共産主義者、全体主義者がおこなうことです。

ドラッカーは、ナチスが与えるものは極めて不十分なもの=「半切れのパン」と表現しました。文書はこちら↓

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