阪神タイガース2023年セ・リーグ優勝の一因とドラッカーの教え 9月27 The Ultimate Control of Organizations 組織の価値観と人事

#9月27日 水曜日のお昼です。2023年プロ野球セントラル・リーグ優勝チームは阪神タイガースとなりました。チームの皆さん、そしてファンの皆さん、おめでとうございます。

岡田彰布氏が15年ぶりに監督に復帰した1年目にして優勝したタイガースですが、岡田氏が球団に依頼したあることが優勝の一因となった、と言われています。

それが四球の査定です。

大きな勝因としてあげられるのが四球数です。9月14日現在、阪神の総四球数452個はリーグトップ。2位の東京ヤクルトスワローズに46個もの差をつけています。
 ちなみに昨シーズンの総四球数は358個でリーグ3位。トップは優勝したヤクルトの442個でした。

https://www2.myjcom.jp/npb/column/20230919.shtml  より

シーズンが始まる前、岡田監督はフロントにかけ合い、それまで1ポイントだった四球の査定を1.2ポイントにしました。シーズン後には、積み上げた四球が年俸に加算されるわけですから、選手の四球への意識が変わるのも当然です。たかが0.2ポイント分の上昇とはいえ、これは岡田監督の大ヒットだったと言えるでしょう。

https://www2.myjcom.jp/npb/column/20230919.shtml  より

“とくに日本の野球は、低めにボールになる変化球で攻めてくることが多い。そんな球に手を出しては、安打にするのが難しいばかりでなく、自分の打撃を崩すことにもつながる。ボール球を振らないことが、日本で成功するいちばんの秘訣だ。
 そういう素質を持った選手なら、契約の仕方1つで働かせることが可能になる。簡単に言うと、四球にも出来高の契約を付けてやるのだ。外国人の選手と契約する際に、本塁打や安打、打点に出来高が付くのはもはや当たり前だが、日本の球団は四球については重要視してこなかった“(自著『そら、そうよ 勝つ理由、負ける理由』宝島社)

https://www2.myjcom.jp/npb/column/20230919.shtml  より

 球団が四球の査定を0.2ポイントアップしたことで、9月26日現在で昨シーズンの358よりも124もの四球=出塁数を獲得。

 塁打数は、極端に増えていない(2022年1606、2023年1617)ものの、得点数も昨年の489点に対して、539点と50点の増加に繋がり、甲子園という点が入りにくい球場をホームにしているタイガースでも、総得点数がアップ。

 昨年の68勝に対して今年は9月26日現在84勝と17勝も増え、優勝に繋がった、と言われています。

2023年チーム打撃 https://npb.jp/bis/2023/stats/tmb_c.html より


2022年チーム打撃 https://npb.jp/bis/2022/stats/tmb_c.html より

今日の #ドラッカー365の金言 テーマは、
#The_Ultimate_Control_of_Organizations
#組織の価値観と人事
ですが、

#いかに賞され罰せられるかによって人は左右される

というドラッカーの言葉通り、岡田監督のマネジメントの結果が阪神タイガース優勝という結果に繋がったものと思われます。

一般に、企業は、価値観、行動規範に基づいて→社内規則が定められ、→行動規範が定められます。→その行動の評価として社内の報償・賞罰制度ができています。

人事は、この制度に基づいて運用されるし、全従業員は、この制度のもと、コントロールされているのです。

ですから、監督(マネージャー)が、優勝するために何をしたら効果的かを考えて「今年は四球を去年以上に評価するぞ。プラス0.2ポイントや」という行動規範をチームに宣言した。

たったそれだけで、昨年よりも獲得四球数は増え、得点数は増え、勝利数も増え、優勝という結果になったわけです。

ここには選手のモチベーションを上げるには、とか、意欲とか根性とかそういうものではなく、組織が個人の評価基準を変えて、「四球をより評価するぞ」と具体的な理想行動をメッセージしただけで、チームは、優勝というゴールにより向かい易くなったということでしょう。

同様のことをあなたが所属する組織は、そのような運営がされていますか?

テキストは #マネジメント  39章 #管理手段と管理と経営  組織の究極的な管理(手段) 1974年版では下巻 213~214ページより ↓

午後からもやっていきましょう!それでは!

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