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【最高にクリエイティブな入学式】DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2022を開催しました。

2022年4月9日、デジタルハリウッドは大学・大学院・社会人向け専門スクールの合同入学式をLINE CUBE SHIBUYAで開催しました。

デジタルハリウッドの入学式では、前年度に卒業した学生の卒業制作作品のなかで優れたものを表彰するセレモニーを同日開催しています。それが『DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2022(DF2022)』です。

入学を迎えたその日に卒業後のゴールを見せることで、新入生に将来の目標やビジョン、そして「あの舞台に立ちたい!」と思ってもらうことを目的に、開学当初から行われているこのイベント。

DHUnote班は今回、DF2022の会場に初の潜入取材!セレモニーの様子や受賞作品の紹介、DF2022観覧を終えたばかりの新入生へのインタビューを中心にお届けします。

Photo: Naohiro Sato

▼DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2022公式Webサイト

14ヶ国語の「入学おめでとう」

入学式は、デジタルハリウッド株式会社の代表取締役社長兼CEOの吉村毅による世界14ヶ国語での挨拶から始まりました。

これは、今年入学する留学生を含めたすべての方の母語で言葉を届けるため。ウクライナ語、スウェーデン語、フィンランド語、スペイン語、インドネシア語、中国語、英語など、学生・院生一人ひとりに話しかけるように激励の言葉を送りました。

▲代表取締役社長兼CEO吉村(撮影:Naohiro Sato)

続いて、学部新入生代表の伊藤莉奈さんによる宣誓はすべて英語。はっきりとした声で、伊藤さんは学生生活への思いを語ります。

「昨今、長期化するパンデミックにおいて、世界中でデジタルコミュニケーションが活用されています。その一方で、デジタル化に取り残される人々がいないようあらゆる世代、環境、状況下で同じ恩恵を享受できることが望まれます。(中略)私は大学のみなさんとともに、この地球上の人々が幸せに生きることに貢献できるよう、その使命を果たすべく勉学に励んでまいります」

▲学部生の新入生代表宣誓を行った伊藤莉奈さん(撮影:Naohiro Sato)

「みなさんはあらゆる障壁を超えて、自分の人生を作っていける」

「デジタルハリウッドを作ったのは、自分の人生を学生自身で判断して、自分で作っていけるようになってもらいたいと思ったからなんです」。

入学式の最後に、杉山学長はこう語ります。

「21世紀において、何が自分の人生を作っていく力になるか。それは、デジタルコミュニケーションを操る力、デジタルコンテンツを作れる力だと僕は思ったんですね。大学をはじめたのは、今後のコミュニケーションにおける要となる英語、そして何を作るかにおいて必要となる倫理観や教養も学べる場所にしたいと考えたから」

▲杉山学長(撮影:Naohiro Sato)

「私たちの学校で身につく力は、誰にも盗られません。デジタルコミュニケーションを操って、デジタルコンテンツを作ることができれば、世界中どこでも仕事ができる。学校を作った90年代から思っていましたが、本当にそういう世の中になりました。みなさんはあらゆるバリアを超えて、自分らしく、人生を作っていける」

学長自身、難病を抱えながらテクノロジーを活用して学長の仕事を続けています。デジタルコミュニケーション・デジタルコンテンツの持つ、あらゆる障壁を越境する力を感じている一人です。

「ただ、のほほんと過ごしていては、それは叶いません。自分でその力を身につけなくてはいけないわけです。スクールの本科生は1年、大学院生は2年、学部生は4年。この時間を一刻も無駄にすることなく、自分のために、勉強し技術を身につけることに励んでいただければと心から願っています」

挨拶の最後に、なぜ入学式と卒業制作の授賞式であるグランプリを合同で行うかについて語りました。

「新入生のみなさんには4年後、素晴らしい卒業制作を作ってもらいたいと思います。今日のグランプリはそのためです。今日、さまざまな作品を見てもらいますが、『これらの作品を超えるんだ。』そのつもりで、心に刻んでもらいたい、そして行動してほしいと思います。この入学式とグランプリがそのきっかけになればいい、そういう意味で特別な一日になればと思っています。DIGITAL FRONTIER GRAND PRIXを楽しんでください!」

DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2022 受賞作品

こうして始まった『DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2022』。学長の言葉にもあったように、「受賞者のみならず新入生にとっても世界に向けて羽ばたくスタート地点になってほしい」という本学の想いを込めて、毎年入学式と併催しています。

ここからは、1位に選ばれたグランプリ作品を含め、受賞作品の一部をご紹介します。

ベトナムの伝統的な喫茶店のブランディングデザインブランディングデザイン『LIEN HOA QUAN』

ビジュアル表現、デザイン面を重視した作品が表彰されるグラフィック部門。ベストデザイン賞を受賞したのは、デジタルハリウッド 大学卒業生のTRAN LE VY HANさん、HAN&LE HOANG NAHT ANによる『LIEN HOA QUAN』です。

▲『LIEN HOA QUAN』

『LIEN HOA QUAN』はベトナムの伝統的な生活や茶文化の魅力を世界に伝えるために手掛けられた作品。ベトナムの伝統的な喫茶店のブランディングを目的とし制作されました。作品は、ロゴからポスター、Webサイト、食器、制服、3D建築、キャラクター、印鑑など19点にものぼります。

審査員を務めたグリー株式会社の八木たな奈さん(学部1期生)は「卒業制作でありながら、商業製品レベルの完成度。統一感のある色彩、安定感のある画力によるイラスト、余白まで無駄のない丁寧に組まれたレイアウトと、制作物すべてが高い品質でレベルがずば抜けていた。モダンなテイストでありながら、ベトナム古来の美しさが表現されていて、非常に魅力的なブランドに仕上がっていると思います」とコメントしました。

表現者が抱える課題を解決するサービス『For Guest』

デジタルコミュニケーションを活用して、さまざまな課題解決を行うサービスプランやデジネスプランを提案する作品を対象とした、サービス部門。もっとも優れたサービスに贈られるベストサービス賞に輝いたのは、藤吉香帆さん(大学院修了生)の『お披露目をエンタメに ノルマチケットが変えるチケット売り場 For Guest』でした。

『For Guest』は、ひとことでいえば「ノルマチケットが買える電子チケットサービス」。ノルマチケットというのは、ダンサーや俳優などパフォーマンスを行う人がイベントにでるための出演料のようなもの。パフォーマーは、イベントのチケットを買い取り、自ら販売しなくてはならないのが通例です。ただ、これまでノルマチケットは電子化されることが少なく、手渡しで販売する必要がありました。そのため、告知や集客が難しく、パフォーマンスをしたいと思う人の障壁となっていました。

そこで生まれたのが『For Guest』。『For Guest』は販売しにくいノルマチケットを電子化することで、告知集客のハードルを下げ、売りやすく進化させます。「好きなことを続けられる状態が人生の豊かさにつながる」と語る藤吉さんの思いがつまったサービスです。

完成度の高い映像と音。日本の魅力を伝える映像作品『My Memories』

DIGITAL FRONTIER GRAND PRIXの映像部門は、デジタルハリウッド伝統のフル3DCGムービーや実写と3D映像を融合したVFX映像、実写映画、MV、2Dアニメなどさまざまな映像作品を対象とし表彰するもの。この記事では受賞作品のなかからPOETORO HARI ANGGOROさん(学部卒業生)の『My Memories』をご紹介します。

▲日本の山や海などの自然と都会の風景が美しく表現された、没入感のある映像作品『My Memories』

「僕は日本に来て、日本を旅して様々な魅力に気づきました。そこで、自分を主体にした日本の魅力を映像にしてみたいと思いました」とPOETORO HARI ANGGOROさんは制作の背景を語ります。

作品の審査を行った原祐樹さん(学部4期生)は「絵の切り取り方のセンスが感じられる作品だった。ドローンやジンバルを使った優れた撮影技術はもちろん、編集のテンポやつなぎ、車のエンジン音など音への強いこだわりも感じられ、総じて完成度が高い。コロナ禍の影響を大きく受ける実写分野のなかで、いまできることを完成度が高い形で表現していたなという印象」と表彰の理由を話しました。

グランプリに選ばれたのは、つみきとAR技術を組み合わせて楽しく環境問題を学べる『結ぶおもちゃcotoi』

2021年度もっとも優れた作品に贈られるグランプリには、インタラクティブ部門ベストXR賞も受賞した『結ぶおもちゃcotoi』が選ばれました。

▲『結ぶおもちゃcotoi』

『結ぶおもちゃcotoi』は親子で遊びながら、環境への関心を育む知育玩具。つみきで作った動物をAR機能で読み取ると動物がアプリ内に出現し、動物から現実の環境問題にそったクエストが依頼されるというものです。つみきで遊びクエストに取り組むなかで、環境問題への関心を育み、親子間のコミュニケーションのきっかけにもなる。『結ぶおもちゃcotoi』は、親と子、そして家庭と環境を結ぶおもちゃです。

審査員を務める株式会社電通のアートディレクター須藤絵里香さん(学部3期生、大学院8期生)は、「社会的意義のあるコンセプトが素晴らしいと思ったとともに、UI/UXも丁寧に作り込まれているほか、調査を通じてビジネスモデルも深く考えられていた」と評価。

制作者の山本瑞希さん(学部卒)は受賞に対して、ご自身が入学した4年前のことを振り返りながら以下のようなコメントを残し、DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2022は幕を閉じました。

この度は素敵な賞をいただき、ありがとうございます。4年前の入学式で受賞された先輩方を拝見して、壇上でのキラキラとした笑顔に憧れを抱いたことを覚えています。そして4年という歳月がたって、憧れたこの場に自分がいま立てていることを大変嬉しく思います。この名誉ある賞をいただけたのは、制作過程で助言をくださった先生や惜しむことなく力を貸してくれた友人や家族、たくさんの方のおかげだと思っております。今回いただいた賞を励みに、引き続きデザイナーとして人々の生活や環境を豊かにするために、一層尽力を尽くして参りたいと思います。

▲グランプリを受賞した山本瑞希さん。デジタルハリウッド大学(DHU)のnoteでも『結ぶおもちゃcotoi』の制作背景についてお話いただいた(撮影:Naohiro Sato)

新入生&保護者の声

ここからは、当日入学式に参加された新入生とその保護者のみなさんの声をご紹介します。

▲アニサさん

SAKIB ANISA AFREENさん(イギリス出身)
受賞されたみなさんの作品がすごく素敵で、「いつか、こんな素敵なものを作りたい」と刺激されました。私は将来、アニメーションの分野に携わりたいと考えているのですが、今日の入学式と受賞式を通して、アニメ制作の経験を積みながらも、さまざまな分野に挑戦してみたいなと感じました。頑張っていきたいです!

▲清原逸月さんとお母さま

清原 逸月さん
卒業生の作品はどれもすごく魅力的で、これからのモチベーションになりました。僕はまだ「これが絶対にやりたい」と思うものはないのですが、デジタルハリウッド大学(DHU)は学べる分野が幅広く、また、学びたいものの技術や根本にあたるセンスから身につけられる環境だと思うので、興味や関心があるもの全部に挑戦して自分の道を見つけていければなと思います。

清原さんのお母さま
息子は、ゲームやプログラミングといったデジタルの世界が中学高校からずっと好きでした。DHUも自分で見つけてきて、入試に必要な作品も自分だけで仕上げてと、私はもうほとんど干渉せず、自分で道を決めて突き進んでいます。この大学でどう学んで、4年後どう変わっているのかなと今日から楽しみです。

▲木下美咲さんとお母さま

木下美咲さん
入学式も受賞式も参加する前は、ただ見るだけか……と思っていたんですけど、実際に卒業生の作品を見てみたら「4年後、私もこういうものを作るんだ」っていう実感が湧いて勇気づけられました。
私は、いま何かができるわけでもなくて、自信も夢もまだふわふわとしています。でも、これからDHUで自分ができることやしたいことを見つけて、学んで作ることを諦めずに続けていけたらなと思います。

木下さんのお母さま
じつは最初、娘からDHUの話を聞いたとき、「なんだその遊びみたいな大学」って思ったんです。私自身が理系だったこともあって、もっと世の中に役立つことを勉強したらいいのにって。でも、娘の話や卒業生の作品を見るうちに、「こんなにも社会の課題解決に直結することを学べる場所なんだ」と分かりました。いまでは、娘の成長はもちろん、DHUの学生みなさんの活躍をすごく楽しみにしています。

新入生のはじまりである入学式と卒業生の学生生活における集大成である『DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX』。その場にいた全員が刺激を受け、新たに何かを作るきっかけとなるであろう光溢れる時間となりました。

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。デジタルハリウッドは、これからも制作に関わるすべての人を応援し続けます。

また、これから何かを作りたいと考えている方、自分の力で人生を切り開いていきたいという思いを抱えている方は、ぜひ一度当校にお越しください。オープンキャンパスや作品展などでお待ちしています。

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