【レポート】CG界の最先端を体験!「SIGGRAPH Asia 2021」を見てきました。
デジタルハリウッド大学(DHU)は、2021年12月14日から4日間、東京国際フォーラムにて開催されるCGとインタラクティブ技術に関する世界最大級の国際会議と展示会である「SIGGRAPH Asia 2021」にゴールドスポンサーとして参加しました。
▼詳細はこちら(プレスリリース)
展示会2日目となる12月16日、デジタルハリウッド大学のブースを中心に会場見学したnote取材班によるレポートをお届けします!
SIGGRAPH(シーグラフ)とは
Special Interest Group on Computer GRAPHicsの略。主にコンピュータグラフィックス (CG) を扱う国際会議・展覧会。1974年に第1回会議が開催され、2008年から毎年アジアの各都市を巡るSIGGRAPH Asia(シーグラフアジア)もスタート。研究、科学、アート、アニメーション、ゲーム、インタラクティブ技術、など、技術分野とクリエイティブ分野で活躍する世界中の業界関係者が数多く参加している。東京開催は2018年以来。
公式Webサイト
https://sa2021.siggraph.org/jp/
3年ぶりの東京開催
SIGGRAPH Asiaはその名の通り、毎年アジア各地を周遊する国際的なイベントです。東京開催は2018年以来3年ぶりとなりました。ちなみにSIGGRAPH Asia 2018でもデジタルハリウッドはゴールドスポンサーとして出展しています(詳細は社会人向け専門スクールのブログをどうぞ)。
会場は前回同様、有楽町の東京国際フォーラム。JINTOによると2018年は約1万人(外国人参加者数約2,300人)もの来場があったとのことですが、今回は開催直前に新型コロナ変異株の感染拡大が重なり、残念ながら海外からの来場者はわずか。それでも展示会自体は3年前以上に驚きと発見の連続でした。
「オールデジタルハリウッド」による多彩な展示
そんな会場内の入口から進んで突き当たるエリアに付近にドン!と構えたのがデジタルハリウッド大学のブースです。今回はデジタルハリウッド大学、大学院、社会人スクールの在卒生5名によるアウトプットを展示しました。
▲デジタルハリウッド大学の展示ブース
教育・研究用ソフトウェア、XR領域のエンタテイメントコンテンツ、インスタレーション、立体造形など、五者五様の作品が並んだブースには、午前中の早い時間から来場客が絶えることなく訪れていました。
▲立体造形「Thinking Man (思考する男)」森田 悠揮(デジタルハリウッド社会人スクール卒業生)
▲VRコンテンツ「Clap」伊東 ケイスケ(デジタルハリウッド社会人スクール 卒業生)
▲教育・研究用ソフトウェア「Viewtify 医用画像リアルタイム3DCG可視化システム」瀬尾 拡史(株式会社サイアメント/デジタルハリウッド社会人スクール卒業生/デジタルハリウッド大学大学院 特任准教授)
出展した在学生2名にインタビュー!
まずは学部在学生として出展者に加わった、DHU4年の野田 康平(のだ こうへい)さんにお話を伺いました。
▲野田康平さん(DHU4年)
——作品のタイトルと概要を教えてください。
「Colorful Fish School VR」というVRコンテンツです。カラフルなたくさんの丸い粒=パーティクルを利用して幻想的な空間を作り出すことで、ご覧いただいた方に癒やされてもらおう、というものです。
——魚がキラキラ光りながら泳いでいる様子が美しい!体験された方の表情もまさに「癒やされた…」という感じでした。
元々イルミネーションとかが大好きだったのですが、これまでは自分が見ていて楽しいものをいわば自分のために作っていた部分がありました。ところがある日、これを見ていた指導教官の茂出木先生(DHU准教授/VR・ARゼミ)から「これいいじゃん、どこかで出展しようよ」と。するとどんどん話が進んで、気づいたらこうなっていました(笑)。
——こんなことになるとは、という感じなんですね。
はい、正直思ってもみませんでした。でもこうやって実際に会場でいろいろな方に自分の作ったコンテンツを体験いただくと嬉しいですね。「わーきれい!」と言わせたら僕の勝ち、と密かに思いながら展示しています。
——貴重な経験になりましたね。ありがとうございます!
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続いてデジタルハリウッド大学大学院の澤田 真吾(さわだ しんご)さんにお話を伺いました。
▲澤田 真吾さん(DHU大学院修士1年)
——今回は「Soup of Voice - 核 -」というインスタレーション作品を展示いただきました。作品について解説いただけますか?
自分の遺志を「声」で残すプロジェクトです。声、というのは言語情報と非言語情報を同時に伝えることのできる優れたメディウムだと考えています。このプロジェクトは、みなさんがいま現実に直面している気持ちを声に出して、それを10秒間録音し、未来に残そうというものです。
——プレスリリースに掲載された作品概要には息子さんや奥様に向けたなメッセージを「澤田家末代まで継承する」と書かれていて、素敵な家族だなと感じました。
はい。息子はまだ1歳なんですが、「メッセージ、遺していいかい?」と聞いたら、「いいよ」と言いたそうな顔はしてたんで(笑)。
▲ブース内は白い布で囲まれており、正面には録音用のマイクが置かれている。録音された音声はやがてスープの一滴として吸い込まれていく
——「声」を残す、という着想は得たきっかけは?
僕自身が音に関する仕事をしていて、声がどのような性質を持っているのかをよくわかっていたので、それをアートに活かせるんじゃないかと考えたんです。
人っていうのは本来「良い心」を持っていて、それが少しずつ大きくなっていくべきだと思っているんですね。実際、ここで「声」を録音するとき、これが未来まで本当に残るんだなという事実を目の当たりにすると、ほとんどの人が「ちょっといいこと」をお話してくださるんです。
この「いいもの」の集まりの象徴が"Soup of Voice"、つまり音のスープとしてこの世に存在し続ける、っていうのが、人類にとってちょっとした希望になる気がして。そういうものを創りたいと思ったのがきっかけです。
——たしかに、文字の情報と声の情報って特性が違うというか、声にするとなぜか心が優しくなるような気がしますね。最後にnoteをご覧の方に一言いただけますか?
これからの時代はひとつの強みだけじゃなくて、自分の領域から0.5歩はみ出したところにある別の何かと混ぜ合わせていくと、より差別化ができる世の中なのかなと思います。デジタルハリウッドは、自分の強みを身につけたり鍛えることもできるし、差別化するための術を学ぶこともできる場です。
——ありがとうございました!
会場内の様子
DHUのブース以外にも、3DCGやVR/AR系のコンテンツをはじめとするさまざまな体験コーナーやアート作品、研究発表の展示などがずらり。
普段はDHU駿河台キャンパス内のメディアライブラリーに展示されている、メディアアーティスト・市原えつこさんの作品「サーバー神輿」も、招待作品「祝祭のデジタルツイン」の一部として出展されていました。(市原さんが出演した夏のオープンキャンパス2021の様子はこちらから!)
▲祝祭のデジタルツイン(市原えつこ、渡井大己)。仮想空間上の「投げ銭」(ビットコイン)に応じて画面内のアバターも踊りだす
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以上、SIGGRAPH Asia 2021の会場からお伝えしました!
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