見出し画像

アイデア発想法

 アイデア発想法を二つご紹介します。一つは突然アイデアを思いつく「おりてくる」アイデア、もう一つは考えた末の「いきついた」アイデアについてです。

アイデアが「おりてくる」時

 先日、大手企業からの講演依頼があり、タイトルを一人で考えていたのですが、なかなか考えがまとまらず、急遽、オンラインサロンのメンバーに壁打ちミーティングをお願いしました。

 ところが、zoomで軽く30分のつもりが、話をすればするほど話題の方向性が広がりまとまりがなくなってしまいました。結局、タイトルの決定は保留。一晩寝かせることに。

 ミーティングを終えた数時間後。何気ない家族のだんらんの時間。この日の夕食にはサザエが出ていました。サザエの身を出す作業をしていたとき、何の前触れもなく急にタイトルがおりてきたのです。サザエの身に串を刺して回しながら身を取り出す、あの瞬間です。

 改めて振り返ると、突然アイデアが降りてくるとはいっても、全くのゼロの状態から生まれてきたわけではなかったということが伺えます。いろいろと考えて込んでいた状態で、一度リセットしたことが功を奏しました

 そして、サザエと格闘している際、直前のことはすっかり忘れていたということも一因ではないかと思います。この時、一生懸命集中していたのはサザエであって、数時間前の会議のことはすっかり忘れていました。サザエを出すという、別のことに集中していたことが、ひらめきや悟りにつながったのではないのでしょうか。

 しかし、「おりてくる」アイデアに頼っていると偶発的にアイデアと向かい合うことになります。次はアイデアを捻り出す「いきついた」アイデアをどうやって発想するのかについて書きます。

手で考える

 筆者は「いきついた」アイデアはノートに書いている時に出てきます。朝、頭のさえている時間帯にノートを開いて思いつくままに書くという作業を毎朝の日課にしています。

 頭で考えた事を書くのではなく、書きながら(描きながら)考えます。ボーッと思ったことや気になる事を書いているうちに、認識していなかったアイデアが明確になってきます。最初は眠い目を擦りながら作業をしてますが、気がつくと興奮してアイデアを具体的にし始める。まさに「いきついた」状態になります。

モレスキンノート

 筆者がリラックスした集中の中でアイディアを出すのに欠かせないアイテムはモレスキンノートです。モレスキンノートもさまざまな種類が売られていますが、使用しているモレスキンノートは全ページ無地のタイプ。とても自由度が高く罫線に邪魔されずに思いついたことをイメージしたままノートにおこすことができるので愛用しています。質感や雰囲気などを総合的に考えた、まさに筆者の「マストアイテム」といえるものです。

 モレスキンノートは、質感と雰囲気の良さで選んでいます。少々高額ではありますが、自分の生み出すアイデアの価値と天秤にかけて選んでいます。「いきついた」アイディアを出すには雰囲気作りが大事です。

クリエイティブになれる環境

 筆者は事務作業をするような四角い机を好みません。事務ワーク用の机や椅子など、カチッとしているような環境は苦手です。そういう場所ではなかなか「いきついた」アイディアに出会うことはありません

 その時の雰囲気によってアイデアの出やすくなる場を求めます。ある時は職場であるコワーキングスペース、ある時は近所のホテル、というように場所移動は頻繁に行っていました。

 筆者が運営しているコワーキングスペースでは、さまざまな空間を演出しています。芝生敷きで靴を脱いで裸足で歩けるようになっていて、まるでキャンプ場にいるかのような雰囲気のフロア。いかにもワーキングスペースというテーブルと椅子が規則的に並んでいるフロア。イベントスペースをイメージしたフロア。階によりさまざまな色が出ているので、その時の気分に合わせて居場所を変えることができます。

 また、近所のホテルの1階は天井が高く空気がきれいなのでよく訪れていました。現在は外出することが難しいので、リビングのソファに座りながらBGMを流すなど感じのいい空間を演出をした中でアイデア出しをしています。高級ホテルにいるときとオフィスにいるときでは脳波が違います。筆者は考えたい内容に合わせて環境を選んでいます

脳波と閃き

 脳内で神経細胞がはたらきはじめると電気的な活動が起こり、その反映として観測されるのが脳波です。脳波にはさまざまありますが、リラックスした雰囲気の中で、穏やかな中にも集中している状態時にはα波が出ています。α波は、突然ひらめく、感性を磨くには最適の脳波です。

 脳はリラックスしているときにも頭の回転が速くなるという特徴があります。リラックスしている=脳の動きは落ち着いているため、エネルギー消費は緩やか、かつ頭の高速回転を維持できるという特性を持っています。これが集中力を長続きするということにもつながります。

 コスト面を考慮して手が出しにくい、という方もいるかもしれませんが、アイデアの価値を考えれば上記の支払いは決して高い買い物ではないと思います。高級ホテルにモレスキンノート。リラックスした空間の中でα波を出して「いきついた」アイディアを演出するのに一役買っています。そして、今晩のおかずはサザエですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?