見出し画像

アフリカは安く行ければいいのか? 31年経った今もちょっと後悔していること

アフリカへは何度も行けない。だとすれば、1度の訪問をいかに濃くするかが大事。また、早く行かないと“今のアフリカ”は見られなくなる。

「アフリカに行きたいけれど、飛行機代が高い。なかなか行けません」。こんな声をよく聞きます。

とりわけ大学生や若い社会人にとってお金はボトルネック。現実として無視できない問題です。

「アフリカに行きたい!」と熱望する若者がそこで思いつくのが主に下の2つの選択肢。

①なんとか安く行く
②お金がたまるまで待つ

こういった相談を受けたとき、私(ganas編集長)からの答えを凝縮したのが冒頭の太字のフレーズです。

この回答は、実は自分の学生時代の“ちょっとした後悔”からきています。

お金がなかった学生時代の私のモットーは、途上国へは「最も安い方法で行くこと」でした。日本から近い東南アジアであればそれでも問題なし。なぜなら何度だって、またいつでも気軽に行けますから。

ただ違ったのは、日本から遠い場所。南米にどうしても行きたかった私は大学3年生の春休み(1992年2~3月)、米国カリフォルニア州のサンノゼまで飛び、そこから陸路で南米を目指しました。理由はそのほうが安いから。“東南アジア限定のバックパッカー”だった当時の私にとっては冒険心もくすぐられ、おもしろそうだなと思いました。

1カ月半をかけて、米国からメキシコ、ベリーズ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマと駆け足で南下し‥‥結局、南米にはたどり着けませんでした。

(パナマからコロンビアはそもそも本当に道が通っていなかった<ダリエン地峡>。当時は最新のガイドブックもなく、何が正しい情報なのかよくわからなかった)

南米には行けずとも、この旅自体は刺激的。学生時代の強烈な思い出のひとつとして心に残っています。ただ今になって考えると、しょせん「単なる旅でしかなかったな」という残念な気持ちもちょっぴりあるのです。

パスポートのスタンプは確かに増えました。若い時分にとってそれは何事にも代えがたい喜び。嬉しかったことを覚えています。

ですが、中米の国々について何がわかったのか? せっかく足を延ばしたわりには、その国のことをろくすっぽ知らずに帰国したこともまた事実です。

観光はしょせん観光。バックパッカーはしょせんバックパッカー。ほんの上辺しかわからない。視覚がとらえることしかわからない。いや、地理を除いたら何もわからない。こんなことを痛感した旅でした。

当時はまだ中南米に行く日本人は多くありませんでした。それだけに、このとき現地を深掘りしておけば、「中米ウォッチの起点」がつくれたのに、と今さら心残り。

さて、このときの中米旅行から今年で31年。そのあいだ私は中南米に十数回行き、現地(ベネズエラ)で2年暮らしました。ですが再訪した中米の国はメキシコだけです(メキシコは日本から南米へ飛ぶ際の経由地なのでおのずと寄ります)。中南米には33の国があり、やっぱり、基本はまだ行っていない国に行ってみたいですから。

つまり何を言いたいのか?

アフリカも中南米と同様、日本から遠い(飛行機代も高い)。これは現実です。また54も国があります。

大半の日本人にとって、同じ国には二度と行かない可能性も低くない。どうせならアフリカの別の国に行きたいですよね? もちろんアフリカ以外にも(世界にはおよそ200の国がある)!

だとすれば、貴重な1度の訪問は可能な限り濃くしておいたほうが絶対に得です。それがもし、皆さんにとって“原点となる(にしたい)国”であれば、なおさら。普通の旅行、普通のスタディツアーに参加するだけでは10年後、20年後、30年後、“青春の思い出”以外に大して残らないかもしれません。

せっかく大金を払ってアフリカへ行くのにもったいなさすぎませんか? 長い目でみればコスパも逆に良くないですよね。

ではどうやって、訪問を濃くできるのか。その方法のひとつが「現地を取材すること」です。

具体的には、ルワンダで英語を使って、自分自身でルワンダ人を毎日取材し(ルワンダ人の取材ヘルパーをつけます)、日本語で記事を書き、それを発信するというプログラムがあります。途上国を専門とするNPOメディアのganasが開催する「Global Media Camp in ルワンダ」です。

Global Media Campのメリットは、取材を通してルワンダを深掘りすること(旅では見えないことが見えてくる)/ルワンダ人(とくに取材ヘルパー)と親密になることで、ルワンダをウォッチする起点を「早め」につくれること。また、インタビューやライティングなどのスキルもレベルアップできて一石二鳥です。

ルワンダは、というより途上国は1年単位で急激に変わっていきます(だから今行く! 今のルワンダは今しかない。早く行かないと“別の国”のようになってしまう)。その国の変遷を10年、20年、30年、40年と見続けるのは、自分自身が年を重ねていくうえでも楽しい。人生でおもしろいのはやっぱり「変化」ですから。

で、お金はどうする? お金がたまるのを待つのではなく、どうやればお金を得られるか。その方法を考えたほうが良いですよね! 逆の発想。

2050年には世界人口の4人に1人がアフリカ人になるといわれます。今のうちからアフリカを知ること/知る起点をつくっておくことは人生100年時代の投資になるかもしれません(アジアがまさにそうでした)。

お申し込みは先着順。ちなみにキガリは涼しいです。今年の夏は熱いアフリカで避暑を!?

下の写真は「ルワンダの首都キガリ」と「東部州の村落」。ルワンダの街や村はどう変わっていくのか。ルワンダの今を瞼に焼き付けるだけでなく、取材を通して「景色の裏」に何があるのかを深掘りしてみませんか?

首都キガリの街中
ルワンダ東部州の村