人と宇宙とシャボン玉
(文1600字 写真45枚)
科学者の話によれば、私たちの太陽系を含むこの天の川銀河には、太陽のように輝く恒星が2000億個以上存在し、宇宙全体ではこうした銀河が約1兆個存在するという。
更に最近の研究では、この銀河は一様に分布するのではなく、直径が6000万光年から1億5000万光年という巨大な泡状に分布するということがわかった。
宇宙空間には光っている星のほかに、その10倍にものぼる暗黒物質とダークエネルギーがあるが、銀河の泡構造はそれらによって形成されたという可能性がある。
上記の写真では、光る点一粒一粒が太陽のように光る恒星が1000億個以上集まった銀河一つの輝き。泡の膜面のような銀河フィラメントに銀河が集中して存在し、中の空洞のような超空洞には銀河がほとんど存在していないということがわかる。
この光景が私たちの地球から見ても四方八方、全天球的に広がっている。
あまりに途方もなく巨大な宇宙の全体像を頭の中で立体的にイメージすることは、もはや完全にお手上げだ。
ところが半年ほど前に偶然、市内にある大きな公園で夜間に開催されていたシャボン玉ショーというイベントに遭遇した。
ふわふわ浮かび漂い消えていく大きなシャボン玉を見て、このシャボン玉こそ般若心経の「色即是空 空即是色」のイメージそのものではないかと思った。
般若心経は600巻ある大般若経を約300字あまりに凝縮したものであり、ブッダの教えのエッセンスとも言うべき存在だ。
そして上の写真のような極大の宇宙から、下のような極小の原子レベルに至るまで、どちらもまたよく似た中が空洞のバブル構造である。
ブッダは2000年以上も前にこのことを看破していた。
半年前に見たシャボン玉ショーの写真はこちら👇
先日、このシャボン玉ショーが再び同じ公園で開催された。今回も前回と同様、シャボン玉師のシャボン玉お兄さんとしゃぼんだまいさんのコンビによる素敵なパフォーマンスが繰り広げられた。
しかしこの日は前回と異なり、晴れてはいたものの、かなりの強風が吹き荒れる悪条件。そのこともあって大きなバブルが出来難く、ふわふわ浮かんでいるようなシーンがあまり撮れなかったのが少々残念だった。
それでも子供たちは昼も夜も始終大騒ぎ。手をいっぱいに伸ばして次から次へと飛んでくるシャボン玉を掴もうと必死にジャンプする。強い風だったことが集まった大勢の子供たちには幸いした。離れた所にいる子供たちにもシャボン玉のプレゼントがしっかりと届いたようだ。
光輝く笑顔の子供たちには本当にシャボン玉がよく似合う。
しゃぼんだまいさんの選曲によるJ-POPも、無数のシャボン玉が次々と流れては消えていく光景にぴったりフィットしていた。見守る若いお母さんの中には感動して涙ぐむ人も。
日中は白い雲が浮かぶ青い空の下で、周囲に存在するものすべての色彩を身に纏い光輝くシャボン玉。
夜間にはスポットライトを浴びて幻想的に輝く闇夜のファンタジー。
大きな打ち上げ花火も綺麗だけど、シャボン玉もまったく引けを取らない美しさだった。
人も宇宙も原子も、みなシャボン玉のように中身は空。
空だからこそ、自由に、美しく、光輝いている。
とびら
岡田 静
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