文化と文明は何が違うの?などという質問は、恐らく、日本の小学生しかしないのではないだろうか?
CultureとTechnologyは根本的に意味が違う。カルチャーについてはどっちが語源として古いかは知らないが、明らかにCult(カルト)と同源であろうし、Technologyもこちらは更に明らかにTechnic(テクニック)と同義だ。
ものの本に依ると、文化は精神的なもので文明は物質的なもの、などと書いてあるが、どちらも精神的側面と物質的側面を備えている。
それにしても、日本語だと何故両者共に「文」という文字が付くのか?
「文」という文字の起源について考えてみた。
どうやら、これら「文」という漢字は、文明よりも文化の方に傾倒しているように思う。
ふと、我々日本には、「文明開化」という特殊な歴史的イノベーションが存在していた事に気づいた。
「文明開化」は、西洋の言葉を取り入れたという意味で、ある種のルネッサンスだったのだ。
「精神文化」という言葉や「物質文明」という言葉はあるが、「精神文明」とか「物質文化」という言葉はない。
しかしながら、我々はスマートフォンやタブレットという文明の利器を駆使しながらも、同時に文化を支えているのである。そしてこのガジェットを手にする事で、生命活動をし、暮らしと社会を構築しているのである。これこそ正に「精神文明」であり「物質文化」なのである。
これが日本における、「文化」と「文明」の差異が不明瞭な理由だ。
2023.4.8