見出し画像

「好きな漫画は何ですか?」

「好きな漫画は何ですか?」

距離感があまりよくわからない人にこんな質問をされたとき、果たしてあなたは何の漫画を答えるだろうか?この問いに対する絶対的な答えは存在しない。非常に難しい質問である。実際、自分と相手の性別、関係性、場所、文脈、その他諸般の事情を考慮して漫画をひねり出さないといけない。その上で、このnoteでは想定される回答に対する筆者の偏見をぶつけていく。何かしら具体的な場面を想像しながら読むことをおすすめする。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「鬼滅ですね!」
たぶんこいつは漫画がそんなに好きじゃない。自分も含め自称漫画好き達は、漫画に対して矜持みたいなものを持っており、好きな漫画を鬼滅と言い張ることはその矜持を傷つける。鬼滅と答える人は、単純に最近読んだのがそれしかなく、選択肢を他に持ち合わせてない人の可能性が高い。もしくは、めちゃくちゃ気を遣える奴である。鬼滅の刃を好きと言うと、相手の心の中に「こいつミーハーやな」とか「もっと自己主張してこいや」みたいなごく小さなヘイトが発言者に溜まる恐れがある。自分のことだけを考えると、正直メリットはまるでないが、デメリットを理解しながらその場を盛り上げようという目的で言ったとすれば、その自己犠牲精神は称賛に値する。鬼滅の刃はどの方向にも話が広がり、最も柔軟性のある回答である。だが難しいのは、「鬼滅って言っとけばいいんでしょ」感は絶対相手に伝わってはいけない。発言者のこなれ感が伝わると熱はスーッと引いて行ってしまう、その塩梅をちょうどよく、「鬼滅ですね!」と伝えることは難しい。オススメしない。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「ワンピース!!!」

ワンピースと答える奴の語尾には、きっと特大のビックリマークが3個ついていて瞬発力も異常に早い。こいつは、めちゃくちゃいい奴であることには間違いない。打算も計算も何もなく、反射レベルでワンピースと答えてくれる奴は一生の友にすべきである。でも、もしあなたが漫画を好きなら、そいつと漫画の話を積極的にするのは控えた方がいいかもしれない。先に述べた鬼滅ロジックはここにも通じる。そもそも世界一売れている漫画なんだからわざわざ今ここで好きだといわなくてもよくねという感じもする。かといって鬼滅ほどの急を要する話題性もない。オススメしない。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「ハンターハンターかなあ」

「かなあ」の文言は、こいつの頭の中で何個か好きな漫画が挙がった中で、最も一般ウケやら話題性やら漫画そのものの面白さを兼ね備えたのがハンターハンターであったことをほのかに示す。たしかにハンターハンターは漫画の面白さは最高峰かつ休載日数がTwitterのトレンドになってしまうほどである。一見攻守を兼ね備えているようにみえるが、休載の要素は諸刃の剣でもある。会話相手がハンターハンターを読んでくれたなら、あまりの面白さに最新刊まで読み切る。そして、こんなに面白い物語が、完結しないかもしれないという恐ろしい予見可能性におののき絶望するだろう。オススメしない。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「進撃の巨人」

連載当初から圧倒的話題を呼んだ本作も、もうすぐ最終回を迎える。緻密に張り巡らされた伏線に衝撃の展開、もはや教育漫画なのではと思う強いメッセージ性、進撃の巨人の面白さは枚挙にいとまがない。アニメも絶好調で、キャラデザインも素晴らしく、幅広い層の人気を獲得している。進撃の巨人は、攻守一体、水陸両用、話題性と漫画のおもしろさの両方の刀をいいバランスで構えている。オススメする。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「デスノート」
デスノートと答える奴はきっと小声で、天才っぽい雰囲気を醸し出そうとしている。中高生なら微笑ましいで片づけられるが、20歳を越えてまだ夜神月になろうとしている奴は、自分の身の振り方をもう一度見つめなおした方がいい。イタイ奴だと思われかねない。オススメしない。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「ライアーゲーム」

たぶんこいつはドヤ顔をしている。下手すると心理を語りだすので気を付けよう。アキヤマになりたければまずはマルチを壊滅させよう。デスノートよりもイタイのでオススメしない。

Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「おやすみプンプン」

こいつには近づかない方がいい、瞳孔がきっかり開いているはずだ。
 
Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「ヒストリエ」

うるさい
 
Q 「好きな漫画は何ですか?」
A 「手塚治虫」

うざ

色々な回答をみてきたが、ここでは扱いきれなかった漫画も多々ある。私はこの漫画が好きだよ!というのがあれば教えてもらえると僭越ながら偏見をぶつけさせていただく。それでは、このnoteは以上である。
俺たちの戦いはこれからだ!

☆ご愛読ありがとうございました。デストロイヤー先生の次回作にご期待ください。



この記事が参加している募集

#最近の学び

182,162件

サポートと同じぐらいスキが欲しいですね