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「UXデザインの法則」を読んで誤解して認識していた2つのこと

皆さん、こんにちは!Design Switchです🐠 。前回はレスポンシブデザインについて調べてみたについて紹介しました。まだ前の記事を読んでいない方はこちらからどうぞ。

2021年5月に出版された「UXデザインの法則」を読んでみました。内容は心理学に焦点をおき、UXデザインやUIデザインにどのように活用されているかなどを分かりやすく解説されている本でした。特に、各法則の起源や心理学上の概念を解説されている点はありがたいと感じました。図や写真も多用され空いた時間にサクッと読める本だと思います。今回は、この本を読んで少し誤解して認識ていたかもと感じた2つのことについて紹介できればと思います。※個人的な主観も含まれておりますので予めご了承ください

Jon Yablonski (著), 相島雅樹 (翻訳), 磯谷拓也 (翻訳), 反中望 (翻訳), 松村草也(翻訳):UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学


美的ユーザビリティ効果

美的ユーザビリティ効果とは「見た目が美しいデザインはより使いやすいと感じられる」というもので以下の3つが重要なポイントとして紹介されています。※上記の要約は本内で紹介されているいくつかの実験結果を基に結論づけられた内容です。

1.見た目が美しいデザインは、人の脳にポジティブな反応をもたらし、実際の場面でも良く機能すると受け入れられる。
2.プロダクトやサービスの見た目が美しければ人は些細なユーザビリティの問題に対して寛容になる。
3.見た目が美しいデザインはユーザビリティの問題を覆い隠し、ユーザビリティテスト中に課題を発見しにくくしてしまうことがある
Jon Yablonski著,相島雅樹,礒谷拓也,反中望,松村草也訳:UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学, pp.84.

見た目が美しいデザインは「人の脳にポジティブな反応をもたらすこと」「些細なユーザビリティの問題に対して寛容になること」を考慮すると、見た目の美しさユーザビリティを考えることと同じくらい重要であることがわかりました。個人的に、UIを作る際はユーザビリティを優先して設計していたことを考えると、美しさを軽視していたと反省しました。

特に脳にポジティブな反応をもたらすということはサービス全体の体験の満足度に影響を及ぼすことであるため、ユーザビリティ以上に重点を起き画面を設計する必要があると感じました。とはいえ、美しさは曖昧なもので人によって異なるものだと思います。これについては作った物をユーザに見せ、テストを行い定性的にどのように感じたかをヒアリングしてみないとわからない部分ではないでしょうか。「見た目の美しさはユーザビリティの問題を覆い隠す」点については留意しつつ、美しさにも力を注ぎデザインしたいと思います。


チャンク (かたまり) 化

「マジカルナンバー7」で有名なミラーの法則をご存知でしょうか? 「UXデザインの法則」でも紹介されミラーの法則について以下のように説明されています。

ミラーは、若者の記憶範囲は、刺激に含まれる情報量の大小に関係なく、およそ7つまでに制限されることを実験により見出した。このことから、情報の基本単位であるビット数よりも、情報のチャンクの数こそが、記憶範囲に影響を与えるという結論に至った。認知心理学でいう「チャンク」とは、基本的かつ馴染みのある単位でグルーピングされ、記憶されているかたまりを意味する。

“7”という数字が先行して世に広まっていると思いますが中でも重要なポイントは「チャンク化」することで情報をより効果的に保持できるということです。以下の事例は本の中でも紹介されていました。電話番号の書式は単に並列で羅列するよりもチャンク化することで覚えることが容易になります。

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私は今まで、アカウント作成やチュートリアル作成画面などで電話番号やメールアドレス、生年月日などをあまり意識せず並列に羅列する機会が多かったのですが、情報のチャンクを意識した上でどのようにまとめるとより分かりやすくなるかを細部まで検討する必要があると改めて気づきました。神は細部に宿るとよくいいますが、そのような細部の見せ方を検討することにより使いやすさ見やすさは大きく変わるのではという学びを得られました。

Jon Yablonski著,相島雅樹,礒谷拓也,反中望,松村草也訳:UXデザインの法則 最高のプロダクトとサービスを支える心理学, pp.55.
Geroge A. Miller, “The Magical Number Seven, Plus or Minus Two:Some Limits on Our Capacity for Processing Information,” Psychological Review 63, no.2 (1956):81-97.訳注:G.A.ミラー著、高田洋一郎訳 (1972)「不思議な数“7”、プラス・マイナス2:人間の情報処理容量のある種の限界」、G.A.ミラー著、高田洋一郎「心理学への情報科学的アプローチ」培風館、pp.13-44


皆さんいかがだったでしょうか? この本には他にも様々な心理的法則やその裏付けられる認知的効果などが分かりやすく解説されています。

私自身、経験則的にそうだと思っていた事象が心理的法則だったりして驚きつつ、UI設計の論理的構築や説明する時にも役に立つ内容で今後の業務にも生かせると感じております。興味のある方は是非読んでみてください。さて次回はUIデザイナーの成長を助けてくれるサービスサイトのまとめについて紹介します。今後もどうぞよろしくお願いします😀!

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