白紙で共感してもらえると、それだけで心が軽くなる

いやいや〜、参りました。恐れ入りました。

「日本人社会のシステムに馴染めない……」
ゴールデンウィーク4日間のカウンセリングセミナーに参加した後のZOOM打ち上げで、私はそう打ち明けました。

「馴染めないと言ってるけど、馴染む努力はしてるの?」と聞き返された。

恐らく、彼は60〜70代ではないかな。

そして、さらにこう付け加えて。
「話を聞く限り、あなたは日本人そのものだと思うけど?」

「そ、そうですか?」
そう答える以外にどんな答えが適切だったのか、考えを巡らす。

今回のカウンセリングセミナーは、アメリカにあるアドラー大学院を卒業された講師によるレクチャー4日間。朝から晩まで。

「人の話を聞く時は、白紙で共感が基本です」
と4日間に渡って、何度も教えてくれた。そして、白紙で共感する実習もたくさんしたのに、、、いやいや、完全に責めモードでしょう?と言いたかった。
白紙で共感はどこへ??

他の人は「日本に馴染めないのが、なんでそんなに辛いの?海外に行って気が楽ならそれでいいじゃない?」と。

「母国に馴染めないことがどれほど苦しいことなのか想像したことありますか?」
私はそう言い放った。
言葉に詰まらせながら、あぁそうか、そういうことか。という表情。

「あの〜ぉ、、、心の中で、白紙で話を共感するっていうのは、カウンセリングをする時だけではないんだよ。。。。」

そもそも、「白紙で共感されたら嬉しい」のは人間として紛れもない事実だ。
カウンセリングの時だけ白紙で共感、、、そんなのできるわけないじゃん!

そうそう、これなんですよ。人間としてという感覚がどうも鈍感になっているこの感じ、こういう違和感。

最終的に、打ち上げの時に最後に残った2人に対して、「なぜ日本が合わないのか?」を、詳しく話すことになった。
そして、その対比の例として、ドイツに住んでいた時に体験したドイツ人の思考回路の違いについても話すことに。
そして、私が自分の雰囲気や性格を今自分がいる居場所に合わせようとしなくても馴染めたこと、それを一番伝えたかった。

すると、、、
「私、Nikoさんが、セミナーで会った時に、私に話しかけなくても平気っていう雰囲気を出していて、薄いバリアーで覆っている感じがしたっていうことがあるんだよね。これは合っているとか間違っているとかではなく、私の主観で」

そう言われたら、何もこちらは言えないじゃないか。つまり、私の主観、あくまでも自分が感じたことだから合っているか、間違っているかのジャッジをしないでよね、そう言いたかったのか……一度俯瞰してみて?どう見える???
と聞いてみたい。
白紙で共感はしていないし、私の話を十分に掘り下げる間もなく、すかさず、自分の意見や感じたことを話すと、相手をカチンとさせてしまうということ。。。に気づいていない。いやいや、ここを再三セミナーで習ったでしょう?

つまり、私が違和感や嫌悪感すら感じるのはここなんですよ。
人間として、話を聞いてあげたい。どんな苦しいことがあったのか、聞いてあげたい。わかってあげたい、という気持ちがないこと。そして、それを持たなくても生きてこられたから、セミナーで実習しても急にはできるようにはならない。

ドイツや他の欧米諸国に住んで感じたのが、みんな人の話を楽しく、喜んで、悲しみながら、あらゆる感情を共感して話を聴けるということ。そして、相手の話に乗っかって共感しながら話した後、あーだこーだ、そのことについて話していること。私はそれをしたいだけなのだ。

「もっと意味のある会話とか、本質的な話がしたいんですよ〜」と言ってみたところ、「話って、いつもそんな本質ばかりではないと思うしね〜」

「……」

もういいです。。。

心からそう思った。会話というのは、浅い話から深い話、を行ったり来たりしながら進んでいる。そして、他の話に飛んで、またそれについても同じように、浅いところから、深いところまで話す。浅い話で話す話題もいくつかは合ってもいい。

でも、浅い会話だけが永遠と続くと、この話はどこに向かっているの?と方向を見失う。それを言いたい。

きっと、言葉というのは考え気持ちの象徴的に表す記号のようなもので、本当に今自分が伝えたいことの何十分の一しか伝わらないのだろう。
相手に、私が感じているのと似た感覚がなかったら、
「あぁ、こういう感覚ね。」とはならない。
人と話していて、「わかってもらえた〜」と思うのは、理屈を説明している時ではなく、感情を受け止めてもらえた時なのだから。
それに、苦労していない人ほど感情に鈍感だったりする。

私が日本いやだな、って思うのが、苦労している人が圧倒的に少ないということもあるみたい。苦労を強いられてきたタイプの人間は、どうしても繊細なニュアンスを含めて話をしたくなる。そして話を複雑化してしまいやすい。

外国に住んだことのない人に、外国の感覚をどう伝えるか、しかもZOOMで。ブレイクアウトルームの残り時間が15分の時点で……

共感できない人と話すと、人とコミュニケーション取りたいと段々思わなくなる。だから、私は一人で平気です!っていう雰囲気になる。日本ではね。

言葉(=思考)に感情が乗るような表現をたくさん蓄積しておきたいなぁ〜。

1日も早く留学したくなってしまった。


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