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MS◯◯とかHG◯◯とか、どういう意味?

フォントざっくり解説 ⑥

フォントに興味はあるけれど細かい事が不安で何となく購入に至ってない方、仕事で入手する必要ができてしまったけどイマイチ選び方に自信がない方のための、ざっくり解説。
厳密すぎる説明で途方に暮れてしまわないよう、選ぶ・買うのに必要な知識を、ほどほどに端折りながら解説します。
※2016年11月時点の情報です。


WindowsやOffice製品でお馴染みの「MSゴシック」や「HGゴシック」のように、フォント名の頭に2~3文字程度の英字記号がついていることがよくあります。
同じゴシックなのに何が違うんだろう? と思った方は、こちらの記事をご覧ください。

単に、各メーカーが (勝手に) つけたブランド記号

MSやHG、Rg、DFなどなど…。
この記号に深い意味があると思ってしまう方もいらっしゃるようですが、実際のところこれは単に各メーカーが勝手につけた記号。要するに製品名の一部に過ぎません。
例えば「MS」はMicrosoftの略でマイクロソフトのフォント。「HG」はリコー製のフォントで、High Gradeの略とされています。

メーカーやブランドなどの見分けに使えたり、アプリケーションのフォントメニュー上で探し易くなるという効果はありますので、多くのメーカーは積極的にフォント名の頭に自社専用の記号をつけています。(一方で、フォント名にこのような記号を一切つけないメーカーもたくさんあります)

主なブランド記号

市販フォントのフォント名に付与されているブランド記号のうち、主な例をまとめました。
メーカーによっては、「ブランドを表す記号」と「フォント形式などを表す記号」を組み合わせて表現しているところもあります。

また、この表にも記載していますが、ブランド記号のあとに「P」をつけてプロポーショナルフォントであることを表すという慣例もあります。どちらかといえば発売時期の古い製品によくあるパターンですが、憶えておくとよいでしょう。

※プロポーショナルフォントとは、「1文字ずつ異なる幅にしたフォント」といった意味です。例えば「i」や「W」などデザイン的に幅の異なる欧文を無理に均等にはせず、それぞれの文字毎に最適な幅になるようフォントが作られていることを表します。
※特にWindows用製品の場合、英数字だけでなく仮名文字もプロポーショナルにしたフォントも多く作られました。Pの名称をどのようなフォントにつけるかの流儀はメーカーによってまちまちです。
※最近では特にプロポーショナルと謳っていなくても、いわゆる半角英数字についてはプロポーショナルで、仮名文字や漢字は等幅で作られているフォントが主流となっています。

MSゴシック・MS明朝についての特殊な事情

前述のとおり、MSやHGといった記号の違いは基本的にはメーカーの違いを表します。
従って、例えば「▼▼ゴシック」と「△△ゴシック」ではメーカーが異なっているので、その文字デザインも違っていて当たり前です。

ただし、冒頭にも挙げたMSゴシック・HGゴシックに関しては例外。
実は、MSゴシックやMS明朝はリコー社からのライセンス品となっていて、同等のデザインの製品がリコー社からも発売されているのです。

ビットマップフォントが付属する/しないなどの違いもあるので完全に同一のものという訳ではありませんが、基本的な文字デザインが共通である点は知っておくと良いかもしれません。

ビットマップフォントとは、画面表示専用のフォントの種類です。1つ1つの文字が「点の集まり」で表現されているため拡大/縮小には適せず、主に画面上に小さなサイズで表示する際に限って使用されます。

この他にも、そう多くはありませんが、データそのものや大もとの「字母」が他メーカーにライセンスされたり、委託販売されているようなケースがあります。
そのような製品同士の場合、書体名が異なっても見た目はほぼ一致しているということになります。


【メイン画像使用フォント】
ロゴ:パンダベーカリーDSきりぎりす
タイトル:パンダベーカリーDSきりぎりすDSあかり


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