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アートを学んでデザインを知る|非美大卒が0から造形を学ぶ#2

こんにちは!2年目UI/UXディレクターのyunです。

一度は学んでみたかったけど、なかなか手を出せなかった美術やデザイン。
文系大卒社会人が初めて学び、生じた疑問、感想を毎週投稿。なんでもありの備忘録。

今回は「非美大卒が0から造形を学ぶ」シリーズ第2回です!それではスタート!

アートって何だろう?

「アート」と聞くとどんなイメージでしょうか。ルーブル美術館?モナ・リザ?・・

私は正直「高尚で理解するのが難しいもの(自分とは遠いとことにあるもの)」というイメージがありました。「美術」っていう言葉、それだけですごく難しそうに感じますよね。美術館も日々の中でなかなか行く機会がなかったです。(最後に行ったのは高校生の頃?)

ではデザインはどうでしょうか。街中のポスター、道路標識、お菓子のパッケージなど普段使っているものはすべてデザインされていると考えるとすごい近く感じますよね。

でも、歴史を振り返ると現代のデザインという概念が生まれたのは産業革命後、つまり19世紀半ばのようです。ではそれ以前にもコミュニケーションの手段として、「造形」が使われていなかったかといえばそうではなく、紀元前から記号や文字はありましたし、今ではアートと言われる絵画も宗教を広めたり、国を治めるための象徴(今でいえばポスター的な?)として使われていました。

例えば宗教画は文字を読むことができない人のために、ストーリーを伝える手段として用いられました。現在京都市京セラ美術館でルーブル美術館展が行われていますが、こちらで展示されている絵画の多くが旧約聖書やギリシア・ローマ神話などに登場する一場面が書かれています。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」現在京都市京セラ美術館で開催中

アートとデザインの違いを考えてみる

では「アートとデザインの違い」は何でしょうか。たとえデザインとされるものでも私たちは「美しい」と感じることがあります。明確に分けることは難しいかもしれません。

その問いに答えるヒントを与えてくれたのが、武蔵野美術大学出版局の「造形の基礎 アートに生きる。デザインを生きる。」です。この本はデザイン系とアート系の教授がそれぞれの分野を学ぶとはどういうことかを論じます。最後の対談にあった以下の文言が印象的です。

本書を執筆するにあたり、この論争を紙上で再現できないだろうかという思いがあった。いわば、アートでデザインのバトルである。そこで、デザインとアートの違いを明確にするため、多くの時間を対やし、幾多の話合いを重ねた。その中で浮かび上がってきたのが、対談中にもある「君の意見は聞いていない(デザイン)」と「君の意見こそ聞きたい(アート)」のフレーズである。・・デザインでは多くの人々に発信する宿命があるし、アートでは個人の内面を重視する性格を帯びているのだ。

造形の基礎: アートに生きる。デザインを生きる。

私は美大に通ったことがないですが、こちらの説明はかなりしっくりきました。さらに、絵画においては最初に書き始めた純粋な気持ちで書くべきであり、それは非常に孤独な作業であるとも書かれていました。「人を癒したい」「公募展の会員になりたい」など人の反応をうかがって絵を書くことは当初の目的から離れてしまっているという記載があり、なるほどと思いました。私はバンドをやっていましたが、バンド界隈でも同じようなことがありますし、悩むことであると思います。(ぜひみなさんのご意見もお聞かせくださいmm)

とにかく、これから美大を目指す高校生だけでなくアートとデザインに触れたことがない方にも非常におすすめの本でしたので、ぜひ気になったらお手にとってみてください!

まとめ/次回予告

今もこれからも「デザイン」「アート」これらの言葉は分かったようで分からない。ずっと考え続けると思いますし、単なる言葉、すなわち記号でしかないので分からなくていいのかもしれません。でも何も考えないで取り繕うように使うのではなく、地に足ついてデザインに関わっていくためには自分なりの立場・解釈を持つことに意味があると思っています。

上記を踏まえて、自分なりの解釈としては「デザインは社会、いや人間、自然に求められて造形を行うこと」「アートは自己の意見・感情を造形におこすこと」です。

なぜ「人間」「自然」という言葉が出てきたのか。こちらはまた次回「なぜデザインをするのか?」で書いていきます!お楽しみに!

~余談~

デザインについて考えるのにおすすめの本もう一冊。無印良品などのアートディレクションを手掛け、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科で教授も務める原研哉さんの「デザインのデザイン」です。デザインを学ぶにあったて私が初めて読んだ本で、初心者でデザインの歴史から考え方まで学ぶことができるおすすめの本です!


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