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アルコール依存は、『治らない』という現実。

私はうつ病約2年目です。うつ病は『完治』という概念はほぼない事は当事者にとって知られていることと思います。実際には『寛解』という状態を維持し続けることが回復とされています。

『そして、うつ病の8割ほどはほとんど以前の元気が回復している状態=「寛解」状態を迎えることができるとされています。』(引用:厚生労働省・こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトより抜粋)

つまり『完治』をするという事はないのです。脳の病気として付き合っていくしかないのです。


では、ここからは本題である、アルコール依存症はどうでしょう。おそらく誰もが『お酒を飲まなければいいんじゃないか?』と思うことでしょう。私もそうでした。そりゃそうですよね。『根本的な問題を解決すればいい=飲酒をやめる』となります。小学生でもそう思いますよね。はっはっはっは。ははは…‥は‥。


残念ながら、そんな甘いものではないんです。


本当に残念です。私自身、酒害者家族(家族にアルコール依存患者を持つ人)として、未だにこの事実は受け入れにくいです。私の母親は「絶対に治らない」。これは重大な事実です。決して忘れないでください。「アルコール依存症は『絶対』に治りません」必死に頑張って努力して、断酒して禁酒を行い、ありとあらゆるアルコール飲料を避けた。そして私は復活した!もう治ったんだ!!という喜ばしい結末はありません。ハッピーエンドなんてないんです。

これは純然たる事実なのです。今この記事をアルコール飲料を片手にご覧の方。お酒はほどほどにしてください。では何故、『治らないのか』。それはアルコール飲料の成分と脳との関係にあります。私は専門の医師ではありませんが、依存症の母親のことを知りたくて調べた本に山ほど書いてありました。アルコールは体内に入ると肝臓で分解され、『アセトアルデヒド』という有害物質に変わります。このアセトアルデヒドは毒性作用のある有害物質で、お酒を飲んだときに顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛を起こす原因となります。この成分に関する認識はアルコール飲料メーカーと医療現場との違いがあるとしみじみ感じます。まぁ、かたやそれで商売してますから。自社製品を危険物のような、イメージダウンに繋がるような事態は避けたいですよね。

では、この実際のところアルコールは体に入るとどうなるのか?

"一部非酸化による経路もありますが、体内に取り入れられたアルコールの大部分は酸化により分解されます。汗・尿・便などから直接体外に排出されるアルコールもありますが、摂取されたアルコールの数%以内とされています。この酸化過程の最初の2ステップは主に肝臓で行なわれます。図のように、まずアルコールは主にアルコール脱水素酵素(ADH)で、有毒なアセトアルデヒドに酸化されます。一部はミクロソームエタノール酸化系やカタラーゼで酸化が行なわれます。アセトアルデヒドは主に2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)で酢酸に酸化されます。1型アルデヒド脱水素酵素(ALDH1)も補助的ながら酸化に関わっています。酢酸は血液に乗って肝臓を離れ、筋肉や心臓に移動してさらに分解され、最終的には炭酸ガスと水になります。この間に1gのアルコールから、約7カロリーの熱を産出します。”(引用:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット より一部抜粋)

「ん?」という感じですよね。何言ってるのかよく分からない‥。そりゃそうですよね☺️お役所の説明文だとこんなものでしょう。でも、「尿や汗として体外に出てるなら別に問題はないのでは?」と思われる方もいるでしょう。でも血中濃度なる要素があります。こいつが大事なのです。飲酒する事で血中アルコール濃度は上昇します。するとそれはどこにいくのか、全て肝臓にいきますかね?そこで全て酢酸とやらに分解されているんですかね?いやいやいや、そう上手くいかないから問題が起きるのです。お酒を嗜む大人の皆さんであれば経験もある方もいらっしゃるはず、千鳥足になったり…駅員に暴力ふるったのに覚えてなかったり…あげく酒を飲んだ後の記憶がない…などなど。これって血中のアルコールがどこに作用してこうなったのか。


そう、『脳です』

脳・編集・①・二階調化・切り抜き

そりゃそうですよね。血液は身体中を行来していますし。当然行き着くのは脳なんです。適量飲酒についてはまた別の機会に記事を作ります。ここでは何故『完治しないのか』について重点的に語ります。ではテンプレートなパターンとして適量飲酒を超えてしまった場合、血中濃度は上がります。そしてアルコールは『脳の機能を抑制する』という効果をもたらします。脳は感情や精神のコントロールを司り、いろいろな機能を果たしています。ではどのような場面で脳の機能を抑制する必要があるのか。それは、例えば職場でのプレゼン、大事な会議の前、チャンスが控えている場面をさします。そのような場面で、人は皆往々にして緊張します。そして、一般的には、その心的負荷のかかる場面で深呼吸したり、散歩したり、人に慰めてもらったり…etcなどの対処をします。しかし、そんな中アルコールに頼ってしまう人もいるのです。どうして?そう思いますよね。でも本人には経験としてアルコールを飲む事で、フワフワした気分になり、多幸感、嫌な気持ちを忘れることができた。という過去の飲酒による上記のような一見、サポートしてくれたような体験を利用しようとしているのです。

いや、別にそれで難局をしのげるならいいじゃない。という意見もございましょう。ですが、残念ながら人はその間違った成功体験を手放せないのです。(全ての人がそうとは言いません)「え、何で?緊張する場面は終わったんだからお酒飲まなければいいじゃん?」と思われる方も多いでしょう。では次に、そのアルコールによって脳がどう壊れていくのかご説明します。


壊れていく脳の機能

先に述べたようにアルコールは脳の働きを抑制するものです。これは私が持っている専門家医の本からの引用です。

「そのためアルコールを飲み続けると、脳は本来の機能を保とうとして、自前の抑制系のシステムを働かなくしてしまいます。するとアルコールが切れたとき、働くはずの抑制系システムが働かず、脳が興奮した状態になって不眠などの離脱症状が現れます。しかし、初めのうちはその興奮が軽いレベルなので、症状としては現れないのです。そして再びアルコールを飲むと、脳の興奮は治ります。ただし、脳の状態はもとの地点にまで戻りません」(引用:『アルコール依存の人はなぜ大事なときに飲んでしまうのか』著:仮屋 暢聡 出版:阪急コミュニケーションズ より)

つまり脳が元々持っている機能をアルコールが補完してしまい、脳が正常に作用するという生理作用を阻害してしまうのです。そして飲酒を加速させる要因は他にもあります。それは「キンドリング」という仮説です。これは元々てんかん発作を説明するために考えられた、ネズミを使って行われた実験の事です。以下上記の本よりの引用です。

「ネズミの脳に電極をさして微弱な電流を断続的に送ると、ある時点までは何も起こらなかったのが、あるとき突然大きなてんかん発作が起こります。前と同じ微弱な電流を送っただけなのに、その刺激に反応してしまうのです。それと同様に、脳にアルコールという化学的な刺激を繰り返し与えると、あるとき突然、それまでと同じ量のアルコール刺激を与えただけなのに、離脱症状が起こるのではないかというのです」(引用:『アルコール依存の人はなぜ大事なときに飲んでしまうのか』著:仮屋 暢聡 出版:阪急コミュニケーションズ より)

離脱症状はここでは、「指の震え」「嘔吐」「発汗」「頻脈」「痙攣」「意識障害」などです(後日、離脱症状の記事も作ります)。私はこれは、脳のアルコールの受け皿のキャパシティゲージがどんどん増えていってしまうことを意味していると解釈しています。離脱症状はアルコールという化学物質が脳に一定量まで達していないので起こる症状です。でも、お酒を飲み続けるとその症状は落ち着きます。しかし、ここに飲酒の恐ろしさが潜んでいます。この上限量は前述のマウスの実験のように『上昇し続ける』という点です。俗にいう「酒に強くなった」という誤解とつながります。誤った情報によるもので、体を鍛えるのと同様に、自分の体がアルコールに強くなったと思われている方の何と多いことか。その実、体が耐性を得たのではなく、脳がどんどん正常ではなくなっているということなのです。まさに脳を削って依存症になるために頑張っているということを意味しています。上記の実験について「マウスの実験だから人のに必ずしも当てはまるとは言えない」という厳しいご意見もあるかと存じます。ですが、脳の研究はまだまだ研究が進んでいるとは言えません。人体実験はリスクもありますし、倫理的な側面から言っても問題を多く無理ではないかと個人的には思います。私の個人的見解を述べるとすると、「人に当てはまるとは言えない」=その代わり、みなさんが進んで飲酒をしてある一定数はアルコール依存症になっている。という、自ら進んで人体実験を行なっているようなものです。その結果、人類は長い間アルコールとの問題に向き合う必要が生まれ、人々に親しまれている反面、人々を苦しめているのです。「いいや!私はアル中なんかになるものか!」と豪語される方は、未来のアルコール依存症のサンプルケースとして、これからも飲酒していただいていってください。もし前回、そして今回の記事を読んで「ちょっと自分のお酒の向き合い方を考えよう」と思ってくださった方はこれからもアルコール依存症の情報を自分の経験を踏まえて記事を作らせていただきますので、適量での飲酒に努めてください。


2回目の記事で、一番伝えたかった事を書きたかったので長々となってしまい、自分の情報をまとめる能力の低さにがっかりします。ここまで読んでくださった方には感謝しかないです。ここで述べたことはアルコール依存症の要素の一部である『完治しない』部分でしかありません。私は、アルコールが憎いというわけでもありません。ただ、家族とアルコール依存症は密接に関わっており、当時多感な時期に廃人のようになっていく母親と接していてとても苦しい思いをしました。そして当時の自分には母親のアルコール依存症についての知識もなく、周りの大人に助けを求めることもできませんでした。だからこそ、あの時の私のような人に知って欲しいという思いで記事を書いています。また、アルコール依存症は本人の「心の弱さ」などは関係ありません。本人が一番苦しんでいます。もう一度だけ注意喚起させてください。


アルコール依存症は目には見えません。全ての人がなるとは言えません。でも、誰でもなります。そして、発病すると転がる石のようにあとはただ落ちていくだけです。「私には関係ない」と言えますか?あなたの家族、恋人、友人がならないと言えますか?あなた自身のことがわかるのはあなただけです。ですからどうか、お酒を甘く見ないでください。お酒を売っている会社は何の保証も手助けもしてはくれません。

それでは、また別の記事でお会いしましょう。フォロー、スキ、記事のシェアをしていただけるとこの活動を続けていく元気、気力をもらえます。また、コメントで質問なども受け付けております。ぜひお気軽にコメントしていただけますと幸いです。以下は今回引用した専門医の本です。


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