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今なお「現役幹線」、中央本線の旅

4時35分、川西池田駅改札口。
いつも感じてるのだが、いつ改札を抜けたらいいのだろうか、と。
嬉しがって30分も前から入ってるってのも、歳もあって何だかこっ恥ずかしいし(心の中で)、かといって5分前というのも慌ただしい。
人にとってはどうでもいいことだが、早朝の初電前に改札まで来るとずっと悩んでいくのだろうなと。多分だが。


川西池田 → 北新地

川西池田から
普通|木津
クモハ321-10

お馴染み「初電」

お馴染み、初電の木津行き。
それにしても結構乗っている。少しでも涼しい時間に移動しておこう、という事か。
塚口の電留線の電車群は動く気配はなく、まだ「夜」のままだ。

今回は尼崎をスルーしてJR東西線へ

5時13分、尼崎着。いつもはここで東海道線に乗り換えるが、今日は乗り越してみようと思う。
程なくJR東西線に入ったが、車内の顔ぶれはあまり変わらない。
加島から地下線を行く。地下なので昼も夜もそう大して変わらない。景色の変化に乏しいので退屈かな…と思ったが、いつもと違うルートの景色と車内にワクワクが止まらない(笑)

御幣島〜海老江で淀川の下をくぐる。それなりに距離があるので、だいたいどの辺りで川の下あたりかは察しがつく。青函トンネルほどの距離はないが、それでも地下で川をやり過ごしている技術の凄さに、1人密かに感嘆のため息をつく。

まだ人がまばらな北新地で下車

26分。北新地着。

大阪 → 米原

大阪から
快速|長浜
モハ223-1004

最近設置が増えてきたインターフォン。すぐ出てくれれば頗る便利だが・・・

この時間、北新地駅の改札は無人だったのでこのインターフォンで
「青春18きっぷだから自動改札を抜けれないので、モニターにきっぷを映すから改札機を開けて欲しい」
旨の連絡をしようとボタンを押すのだが・・・数分の間だったが・・・なかなか出ない。
遠隔操作でおそらくだが一人で何駅も担当しているからこうなるのだろう。ここでマゴついて乗り継げなかったら、と不安になる。それは杞憂に終わったがこのシステム、ちょっと考え物ではある。

ディアモール大阪が実質、大阪駅への「連絡通路」

大阪駅に向かって歩く。全て地下街(ディアモール大阪)で、しかも早朝だから人気もほとんどなく歩きやすい。
北新地から大阪までは、公式では所要時間は12分とあったが、実際歩くと10分もかからなかった。
しかし・・・暑い。大阪駅に着いて次に乗る列車のホームに着いても汗が止まらない。ここの徒歩連絡は冬にするか(笑)

長浜行きはいわゆる「外線快速」

やってきたのは長浜行き快速。
データイムの快速は高槻から先が各駅停車になるが、この時間から数本は長岡京のみ停車の「速達タイプ」だ。
225系…と思ったら、4連+4連で後ろは223系。しかも弱冷房車。しかし汗ダラダラの今の僕には、弱冷房でもありがたい。
立ち客を少しあって54分、発車。

今や稀少となった窓下のテーブル

車端部だったからか、この区画にはこんな小さなテーブルがあった。
こういう小道具があるだけで、旅は結構楽しくなる。

朝から動きの活発な吹田貨物ターミナル

吹田貨物ターミナルと茨木停車あたりまでは憶えていたが、居眠っており気が付いたら向日町付近…車内も立ち客だらけだ。
桂川を渡り、

京都着。さすがに観光客の姿はまばらだ

6時28分、京都着。ここからは各駅停車となる。
米原までこの列車が先着ということもあってか客が集中しており、大阪から続いている立ち客の解消には程遠い。
山科からもかなり乗ってきた。このあたりの流動は京都や大阪を向いているだけ…と思っていたが、滋賀への流れというのもあるのか。事業所が多いためだろうか…

大津で客扱い終了直後に車内の非常ボタンが押されたとかで、再開扉。1号車に急病人が出たとか…
「運転士よりお知らせ致します。1号車の車内にて急病のお客様がおられますため、これより救護を行います。終わり次第、発車します…」
車掌からの案内は聞き慣れているが、運転士からの案内というのは初めてだ。結局4分遅れの43分、大津を発車した。

瀬田、南草津とドンドン乗り込んできて、大阪発車直後のまったり感はどこへやら。すっかりラッシュの雰囲気だ。

京阪神複々線の終点・草津着

57分、草津着。大阪から1時間ほどで滋賀の真ん中たありとはやはり早い。4分遅れはそのまま…
まとまった降車があったのは7時2分着の守山。学生が大半だったがやはり事業所が近いせいか、用務客の姿も結構見かけた。

秋の稲穂が楽しみな湖東路

まだ眠いが、こういうどこまでも広大な田園風景と、朝ぼらけに浮かぶ山々の風景を見ていると早起きも悪くないなと思う。

通勤客が続々と降りていく

20分、能登川着。ようやく乗車が減って降車客が目立つようになってきた。
終点からひと駅手前の彦根でようやく空いてきた。滋賀県のラッシュはなかなか範囲が広い。

列車は北陸本線へ乗り入れるが、米原でどっと客が降りて行った

38分、米原着。いつの間にか定時になっていた。

米原 → 名古屋

米原から
普通|大垣
クハ310-11

駅弁は望むべくもなく、順当に改札横のコンビニへ。
ホームに戻ると、駅員のアナウンスが
「特急しらさぎ号、名古屋行きは特急列車です。青春18きっぷでの御乗車はできません…」
という内容で、しつこいくらいに繰り返されていた。
この時期ならではの案内だ。

JR東海エリアにやってきた

大垣行きは311系の4連。
この電車もJR初期の列車なのでいつ完全退役になってもおかしくない。
発車直前に大阪方面からの新快速が到着したが、その乗り継ぎ客でこちらがさほど混み合うほどはやって来ず8時3分、米原を発車。
山登り客と思しき人から荷物の「直撃」を食らったが、こちらは食事中。あまり怒る気にもならない。人間、腹がくちくなると鷹揚になるもんだなと再認識。

たかがコンビニ弁当、されどコンビニ弁当

その弁当とは、米原駅改札横のセブンイレブンで仕入れた「お好みバラエティ弁当」。
いわゆるコンビニ弁当だが、腹を満たすのには充分で惣菜の味付けはくどくなく、朝食として丁度よかったものを選んだ気がする。

伊吹山は山麓のみ・・・

近江長岡を出て、伊吹山がお出迎え。
空はスッキリしないが、茫洋とした山容に遠くまで来たことを実感する。
柏原を出て程なく岐阜県入り。もっとも美濃と近江の「国境」を実感するのは、その先の今須トンネルをくぐるまで感じづらい。

これだけの「武将」が一同に会した場所も、そうそう国内には無い

25分、岐阜県に入って最初の駅・関ケ原着。
関ヶ原の戦いで陣を張った武将の名前が羅列しているあたり、「古戦場跡」としての雰囲気が出ている。
垂井で再び車内はラッシュ状態になり37分、終点の大垣着。

大垣から
新快速|豊橋
クモハ313-5003

民族大移動、とは上手く言ったものだ

青春18きっぷ期の大垣名物「民族大移動」に参加。
キレイに左側通行で、なかなか気持ちが良い。
僕自身イベントというものには縁の薄い人間だが、ごういう「イベント」には何故かよく出くわす(笑)

東海エリアの「新快速」に乗車

ホームに出るとすでに列車はやってきており、乗車促進のチャイムまで鳴っているので慌てて乗車。
8時40分を若干過ぎて発車。よくあのノロノロと進む行列から乗り継げたものだ。
「新快速」と名乗っていながら穂積、西岐阜と岐阜までは実質「各駅停車」で、

岐阜着。この広大なホームが羨ましい・・・

岐阜からようやく快速運転を始める。

「大幹線」に架かる橋梁だが、鉄橋は意外なまでにスマート

58分、木曽川を渡る。モスグリーンの鉄橋鋼材が目に眩しい。

名鉄「ミュースカイ」と一瞬の離合

名鉄名古屋本線と並びながら尾張一宮着。
ここでドア付近はすし詰め状態に…名古屋にに近づいていることを実感する。

稲沢操車場付近で「緊急停車」

9時8分、稲沢駅を過ぎたあたりで、運転席から聞き慣れないブザーが鳴って急停車。どうやら車内の非常ボタンが押されたようだ。車掌からも案内があった。
運転士が運転席から出て客室へ。それにしても今朝の大津での急病人といい、こういうことって続くものだなぁ…
ややあってブザーが止んで、それから程なく運転士も戻ってきた。14分、発車。

名古屋でごっそり客が入れ替わった

9時22分、名古屋着。

名古屋 → 中津川

名古屋から
区間快速|中津川
クハ314-21

昼飯用の駅弁を調達したり、トイレを済ませたりしていたら丁度いい時間に。

「多数派」になりつつある315系

中津川行き区間快速は、前にも乗った315系。
東海道線にも進出しており、JR東海管内の「ポスト313系」としての足場を固めているようだ。
先行の列車・・・貨物列車なのだが・・・の遅れで、発車が遅れるとのこと。
定刻だと9時46分に出なければならないのだが、その時刻にEH200の貨物列車が少し離れたところを通過していった。こちらもややあって発車。3分ほど遅れた。

金山で東海道線と別れて、いよいよ中央本線へ。
立ち客はおらず、ロングシートにはぽつぽつと空きも…隣の車両は立ち客がいるようだが、概ねまったりもした雰囲気だ。
10時1分、大曽根。ここでまとまった降車があった。

今日も名古屋は暑そうだ・・・

庄内川を渡り名古屋市ともお別れ。
春日井で先行していた、遅れて運行している貨物列車を追い抜く。
石油を充満したタキ(貨車)を連ねていると、いかにハイパワーの機関車とは言え「足」も遅くなるのだろう・・・

神領電車区も315系が目立つ

神領で車両基地を眺めつつ、

特急「しなの」が軽やかに通過

その神領で、後続の特急「しなの」の通過待ちをしつつ、

やたらと構内が広い高蔵寺

18分に着いた高蔵寺からようやく快速運転。
ただし、その快速運転も多治見まででその先はまた「各駅停車」に。古虎渓と定光寺のみ通過で、普段から客の少ないこの2駅を飛ばしただけの実質「普通列車」といったところか。
この先、庄内川沿いに走るのだが景色の良いところは全てトンネルで通り過ぎるのでやや興ざめだ。
が、このトンネルのおかげで中央本線の安全な運行が担保されているのだから文句は言えない。
通過駅である定光寺、岐阜県に入ってすぐの古虎渓をあっという間に通過し、

多治見着。日本で一番暑い町、のタイトルを持つ

28分、多治見着。
ウツラウツラしていたら瑞浪を発車していた。
多治見からこの方、駅間が長くなっているような気がする。快速、転じて普通列車に乗っているのだが、多治見から先の方が駅間の走っている時間が「長く」感じることから、皮肉にも快速列車らしくなっているから不思議だ。

緑に富む車窓は中央本線の特徴のひとつ

東濃地方の緑濃い車窓にすっかり和む。

恵那着。ここで大半の客が降りた

55分、恵那着。
出るのが億劫になるくらいの日差しだ。

涼しげな色のシートだけが「涼感」を醸し出す

このあたりまで来ると、今乗ってる車両は僕を含めて2人…他の車両も大差ないだろう。
終点間際の美乃坂本付近で、リニア新幹線の工事現場を見る。北陸新幹線の新大阪延伸もそうだが、果たしてこれらの「鉄道」は僕が生きている間に実現するのだろうか…

中津川着。左の列車は坂下行き・・・

11時5分、中津川着。
やはり暑い…

中津川 → 塩尻

中津川から
普通|松本
クモハ313-1326

中津川駅の待合室で仕事関係の連絡をやり合ってふと時計を見たら、発車10分前…危ない、危ない。

この列車で「東海」を脱出

松本行きはすでに入線しており、座席も大概埋まってしまった。
が、車端部のロングシートはガラ空きだったので、そこに腰を降ろす。

やはり旅には駅弁がつきものだ

で、名古屋駅で仕入れた「幕の内弁当こだま」でお昼とする。
オーソドックスな幕の内弁当で、食べていてホッとする味だった。
食べている間に定刻12時、中津川を発車。

2つ目の停車駅、坂下でまとまった降車があった。ここまでが岐阜県なのだが、それと同時に中津川の「勢力圏」という事か。
ひたすら明るい日差しの下、

緑深い田立で、美濃から木曽へ入る

田立で長野県入り。いよいよ木曽路だ。
19分の南木曽でまとまった乗車があった。ワンマン運行のため2両編成のうち大半の客はドアの開かない後部車両へ行ったが、一部はそのまま乗った車両(前部車両)に留まったことから、立ち客が出た。

木曽谷はまるで箱庭だ

南木曽を出てしばらくで、この箱庭のような風景。
木曽路はまだ始まったばかりだが、序盤でこんなに美しい風景が最初に来るとは…この先が楽しみだ。

十二兼で下り中津川行きとすれ違う。
その後も野尻、大桑と進むがどの駅も1〜2人がぽつぽつと降りていく。
よく山間のローカル線は乗降ともに「ゼロ進行」の駅が続くが、曲がりなりにも「幹線」である中央本線。主要駅以外のローカル需要が全く無い訳ではなさそうだ。

古い駅舎に鮮やかな色の貨車・・・さながら鉄道模型のような風景だ

須原で上り貨物列車と上り特急「しなの」とすれ違い。
こんな山間の駅に「役者」が揃うとは、なかなか豪勢だ。

倉本を出てしばし木曽川の方へ視線を集中…

寝覚の床。なるほど・・・寝ていてもハッとする美しさだ

多分この柱状節理の河岸が名勝「寝覚の床」だろう。
こういう景勝地へはゆっくりと訪れるのが「筋」なんだろうけど、列車から見る景勝地というのもこれはこれで、なかなかオツなものだ。
上松で学生が数人乗ってきた。同じユニフォームだから学校の部活なのだろう。暑いさなか御苦労なことだ。

木曽福島着。時が止まったかのような空間だ

13時3分、木曽福島着。
上松までに乗ってきた学生は、ここで皆降りていった。

原野を過ぎてウツラウツラして目が覚めると奈良井。

木曽谷の旅もいよいよ佳境・・・

雨が降ってたらしく、ドアが開くと土の臭いが飛び込んてきた。
山肌から沸き立つ霧のような雲に、寝ぼけ眼には「この世ではないのではないか」という気にさえなるくらい、幻想的だ。

晴れ渡った贄川から時ならぬ大量の学生風の若者が乗車。
定期を持っているようなので通学中なのだろうけど、こんな木曽の山中かた…と思ったが、もうあと数駅で比較的大きな町である塩尻だから彼らの「生活圏」なのだろう。
何となく名古屋都市圏の列車に乗ってるような気分だ。

塩尻着。列車はJR東日本エリアへ・・・

51分、塩尻着。
幾分、風はあるがまだまだ暑い。

塩尻 → 甲府

塩尻から
普通|塩山
モハ210-3013

ここからいわゆる「中央東線」に乗る。
東京から名古屋までの山間を走る中央本線は、ここ塩尻で路線の実態がガラリと変わるため名古屋からここまでが「中央西線」と呼ばれ、そしてここから東京までが上記の呼び方にある。
かつて北海道や中国地方に未成区間を挟んだローカル線で「南線」「北線」と呼ばれた線区(興浜線・三江線)があったが、幹線ではこの中央本線が唯一の例だろう。

しばらくお世話になり続ける211系

やってきたのは長野色の211系。
松本始発なので車内にはすでに客はいたが、それほど混んでおらず悠々と席が取れた。
さっき乗ってきた「西線」と別れ

塩尻の外れで「大八廻り」の旧線が分かれる

単線の「辰野回り」(通称大八廻り)のひょろひょろとした線とも分かれる。
ひょろひょろ、とは書いたがこれから通る「みどり湖経由」の新線が出来るまでは、この単線が中央本線のメインルートだった。

ロングシートだが、これはやめられない

久しぶりの長野、ということで信州の地酒「真澄」に敬意を表す。
この「旨辛七味ポテト」は以前食べて日本酒によくあったことを覚えていたので、再トライ。
甘みすら感じる「真澄」に、ピリピリ来る七味がまた何とも言えない。

長い塩嶺トンネルを抜けて程なく岡谷。
その岡谷の発車ベルは、博多や小倉でよく聞いたJR九州の音色と全く同じだった。

中央本線のハイライトが近づいてきた

「真澄」のカップを空けた頃、諏訪湖が見え始めた。
そういえばこの日本酒もこのあたりが産地だったはず。図らずも地場のものを地場で消費していた。
54分、上諏訪。塩尻からの通学や用務客がほとんど降りていった。
茅野、青柳と過ぎて

中央線では比較的新しい駅

すずらんの里。
何となく北海道を思わせる駅名だが新興住宅地でもあるのだろうか。
車内から付近を観察したが、至って普通の高原の街並みだった。

富士見でいわゆる「バカ停」

15時15分、富士見着。
14分ほど停まるので、酔い覚ましに駅の外へ出てみる。

なかなか渋い富士見駅舎

いかにも「高原の駅」といった感じの駅舎だ。
駅に併設してソバ屋があったが、さっき塩尻で食べたばかりなので今回は辞退。その代わり駅前にあった土産物屋みたいな所で惣菜パンを買いおやつとする。
こういう「逡巡する」愉しみがあるのも、各駅停車の旅ならではだろう。
駅に戻って、乗ってきた列車に戻ろうとしたら

特急「あずさ」が通過

丁度特急「あずさ」が軽やかに通過していった。
普段なら何となく惜しい気がするが、今回は青春18きっぷの旅だ。
「特急?ドンドン先に行ってくれ。僕はのんびり行くから気にしないよ」
と鷹揚な気持ちで見送った。

29分、発車。

山梨県に入るも、山の風景は同じ

信濃境で長野県とはお別れ。鮮やかな山容が車窓を彩る。
小淵沢を出てなお一層、車内は空いてきた。6両はいかにも過剰な気がするが、折返しの甲府エリアでラッシュを捌くならばこの両数も納得する。

日野春あたりまで来ると富士見あたりから続いていた山々が離れて「峡北」らしい風情になってきた。
16時3分。韮崎着。このあたりから甲府都市圏といったところか。

またもや豪快に居眠を決め込み、

甲府着。一旦ここで降りる

15分に甲府に着くまで気が付かなかった。
やはり酒を飲むとこうなるんだな…

甲府 → 高尾

甲府から
普通|立川
クハ210-4

甲府駅で色々見て回り、

再び211系。「初期ロット車」だ

戻ってきたらすでに立川行きが入線していた。
211系の4号車…まだこんな古いクルマが存在していたのか。

何処となく「国鉄」の香りが残る

古いだけあって車内の設えも、何となくだが国鉄チックなものを感じる。
シートは更新されてるとは言え、竣工当初のレイアウトで残っているボックスシートは僕のような18キッパーには嬉しい「アイテム」だ。
51分、発車。

身延線と分かれると、程なく最初の駅・酒折。

酒折。謂れをぜひ聞きたいものだ

酔っ払ってしまいそうな駅名だ。ここで先行の貨物列車を追い越す。
車内は立ち客少なめ、ボックスも半分が埋まってるという感じだ。

写真中央に富士山をチラリ

山梨市付近。
遠くに富士山が笠を被っていた(頂上が雲で覆われている、の意)
ぶどう畑でいかにも山梨らしい風景だ。比較的高地で育つこのぶどう畑の広がり方を見ているとおそらくだが、今乗っている中央本線も緩やかではあるが登っているのだろう。
17時4分、山梨市着。

やはりこの方向からの眺めがよい

東山梨でボックスが丸々空いたので移動。
やはり進行方向に座ると落ち着く。

12分、塩山着。
ここで後続の特急を待つため8分停車…長閑で良い。

再びのコンビニ弁当。でも悪くない

その間に甲府駅1階にあったファミリーマートの「幕の内弁当」で小腹を満たす。
「幕の内」のワードに飛びついた感があるが、可もなく不可もなくといった仕上がり。
面白かったのは甘タレ仕込みのかき揚げが入っていた点。「幕の内の三種の神器」は当然ながら網羅しつつ、こういう「小技」がコンビニ弁当にはよく見られる。

横では特急が乗車扱いのために停車

食べている間に特急「あずさ44号」が隣に入線。
ほんのちょっと停車して、すぐに追い抜いて行った。

いつの間にか結構高くまで登ってきた

塩山を出た後もジリジリ登っていき、結構標高を稼いでいた。
勝沼ぶどう郷に停車中、進行方向の景色に霧のようなものがかかっていたのを見た。雨なのだろうか…

甲斐大和。この駅のすぐ東で「笹子越え」が始まる

31分、甲斐大和着。
窓に雨粒が走っている。やっぱり降ってきたか…
直後に長い笹子トンネルに突入。甲府エリアから大月エリアに入る。

判りにくいが、結構雨が降ってきた

抜けて笹子。
雨が割とキツく降っている。そして次駅の初狩が近づくころには、

白っぽいのはどうやら雨雲か

車窓は真っ白に…雷なのか、時々車窓全体が光る。

大月着。窓の濡れ方が雨の強さを物語っている

48分、大月着。
構内に雨音と蝉時雨が響く。5分停車…
大月を出ると小降りになり、次駅の猿橋に着く頃には雨の気配は無かった。まったくもって局地的なものだったようだ。

四方津で最後の特急待ち・・・

18時9分、四方津。ここで最後の「バカ停」(6分)
また小降りになってきた。
特急「あずさ」が通過していった。道中、特急の通過を見届けたのは神領、中津川、須原、塩尻、富士見、甲府、そして四方津と7駅あった。
まさに「特急街道」中央本線だ。

上野原。曇ってるという事もあってもう日が暮れた感じだ

上野原で用務客2割、学生8割といった感じで大量乗車。
贄川の時と同じょうな雰囲気に。

黒々とした湖面が広がる相模湖

上野原を出たあたりで、相模湖がチラリと…東海道本線だと相模川が関東に近づいたひとつの区切りになるのだが、中央本線でも同じである事に気づく。
藤野で神奈川県入り。しかし山々が続く車窓ではまだ山梨県にいるような錯覚に陥る。

28分、相模湖。
肝心の相模湖は家々に阻まれ見通せず…携帯の地図では駅から徒歩数分でたどり着けそうな近さだが、湖自体はさっき見れたので良しとするか。

列車は立川まで行くが、ここ高尾で下車

38分、高尾着。
いよいよ東京だ。ここで立川行きは乗り捨てて後続の列車へ。

高尾 → 神田

高尾から
快速|東京
サハE233-533

駅のトイレに行ってホームをのんびり歩いていたら、大垣の時と同じく発車促進のメロディに急き立てられ、慌てて列車に乗り込んだ。
ぼんやりしていたら乗り遅れていただろう。間一髪で乗り継ぎ成功。

ホームに着くとまさに発車せんとしていた

オレンジ帯のE233系で一気に東京まで向かう。

お馴染み、「中央線の電車」なのだが、今乗ってるサハ車に

まだ「場違い感」が強いトイレスペース

トイレが付いていた。
多分計画されているグリーン車連結時の措置として設けられたものなんだろうけど、グリーン車がまだつながってない現時点では「浮いた」存在だ。
44分、高尾を発車。

西八王子で少し乗ってきて、50分の八王子でドカッと乗ってきた。シートが埋まって立ち客も少し…
豊田、日野と駅間が意外と長いことに少し驚きつつ、

立川着。特急の接続待ちをして、一緒に遅延まで引き継いだ(笑)

19時2分、立川着。
「かいじ48号」を待ち合わせてからの発車だが、その「かいじ」が3分遅れで走っているとのことで、こちらも遅れるとの事。
結局「かいじ」は9分到着。
「信号が変わり次第、発車します…」
車掌も「発車します」とは言えず歯切れが悪い。まあこればかりは仕方ないのだが…
11分発車。気がつくと立ち客だらけになっていた。

西国分寺ですし詰め一歩手前な状況だったが、国分寺で幾ばくか空いた。ホントに誤差程度だが。
32分、西荻窪。23区内に入った。混雑はかなりマシになったが、何故か僕の周りだけは立錐の余地もないくらい混んでる。何かの祟りだろうか(笑)

40分、中野着。ここからようやく快速運転。
今日は名古屋からの区間快速といい。朝乗ったアーバンネットワークの快速といい「よく停まる」快速に出くわす。まあ「鈍行旅」を旨とする青春18きっぷらしい旅にはなったが。

新宿着。人の多さに若干引く・・・

44分、新宿着。
潮が引いたようにガラガラになる。シートは埋まってるが、車内は八王子以来の静けさだ(大仰な)
代々木で山手線と分かれ、再び中央線単独区間に。
四谷、御茶ノ水を過ぎて、

神田着。東京まで行きたかったがスケジュールの都合でここで下車

56分、神田で下車。
これで岡谷~塩尻の「辰野回り」以外は完乗。

思えば中央本線は、名古屋口と東京口は押しも押されぬ通勤路線である一方木曽路や甲州路をのんびり走るローカル列車がいるかと思いきや、塩尻を境に新幹線連絡や首都圏からの特急列車が頻繁にやってくる。そしてほぼ全線に渡って貨物列車もあって・・・新幹線開通で年々寂しくなるJRの幹線鉄道で、今なお「らしさ」を保ち続けている線区と言えるのではないだろうか。
日本列島の中央部を走る、面白い鉄道旅になったと思う。
【令和6年7月25日乗車】

【完乗】なし

JR西日本 福知山線 川西池田~尼崎 11.0km
     JR東西線 尼崎~北新地 8.9km
複数社 東海道本線 大阪~金山 193.7km
    中央本線 金山~神田 394.9km

小計 608.5km

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