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未来の共食「オンラインで会うときは一緒に食事をされてはいかがでしょうか?」

こんにちは。デンソーデザイン部佐藤です。いつもはオンライン共食(固い表現ですね)を研究テーマとして書いているのですが、今年という特別な年、コロナ禍により、一緒にクリスマスを過ごせない方も少なくないのではと考えて、そんな方々に向けて記事を書くこととしました。

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この記事を書いた目的

上記の通り、親しい人と離れているが会いに行けない。そんな方に少しでも素敵なクリスマスを過ごしてもらうために「オンラインで一緒にご飯を食べること」が役立ちそうと考えました。それはどういうことなのか、なぜなのかをオンライン共食実験の体験談を中心にお話ししようと思います。

「一緒に食べる」ことで広く深くなる会話

私は「誰かと一緒に食事する事は幸せにつながる、技術はそれを助ける」という仮説のもと、オンライン共食を中心とした研究をしております。おそらく親しい人と離れて暮らすという方々は普段からチャットなりビデオ通話なりをされていると思うのですが、そこに「食事」という行為を含ませることで、会話を広げたり、理解を深めたりできると考えています。

そもそも、共食という行為は、生命維持や成長持続のための栄養補給という事だけでなく、人間関係の構築と密接にかかわってきたものです。その原理にはオンラインでも活用でき、コミュニケーションの不安感を補う作用すらあるのではと考えています。

視覚と聴覚のビデオ通話に、味覚・嗅覚・触覚でもつながる。

電話では会話では話が途切れてしまうと、不安な気持ちが募ってしまう方も多いのではないでしょうか。それがビデオ通話なら、画面の相手が笑ってくれていれば救われる、もしかしたらできるだけ繋がっている感覚が多いほうが会話の質云々よりも、お互いに落ち着いてられるのではと考えています。

そこで、手軽に買えるクッキーでもいいので、同じものを用意して、一緒に味わってみてはいかがでしょうか?「このクッキーはバターの香りが濃厚だね!」という会話でも、クッキーがビジュアルで捉えられ、かつ味と匂いと食感でも同じものが共有できます。まずはたったこれだけでも、味覚・嗅覚・触覚が同じものを捉えているという感覚は聴覚と視覚を補い、コミュニケーションを助けてくれることを類似実験から感じていました。参照:栗きんとん食べ比べ実験

私は栗きんとんの食べ比べを行ったのですが、小さな利き酒セットとかがお互いに準備できるようならば、そういうものでも感想を伝え合うと面白いかもしれませんね。

ひと工夫、「一緒に作って楽しむ」を加える

そして、食べる手前の話になりますが、例えばコンビニスイーツのケーキに何かトッピングするなど、最後のひと手間を一緒に行うこともお勧めです。共食行為における同調作業、と呼んでいます。

今年はオンライン飲み会を含めた家飲みが増加し、それの良くない点として「おつまみのマンネリ化」と答えた方が27%で1位でした。(江崎グリコさん調べ)新鮮味の無い食事がどれほどネガティブなインパクトがあるかがわかると思います。

以前、オンラインで皆でおにぎりを握る会に参加したのですが、非常に新鮮な体験でした。子供も交じり、おにぎりを見せあい、上手くできるように工夫したりと、食事の楽しみを拡張したワクワク感や一体感をもたらせてくれました。

さらに、もうひと工夫「食を贈る」

最後のひと工夫は、さらに前の段階の話、「食事を贈る」ことも一緒に食べる喜びを高めてくれます。ただし、注意しなければならないのは「贈る」ときには相手に様々な配慮をしなければ逆効果になってしまうことです。

それは「相手が喜んで受け止められるかどうか」次第で、好みでないものだった、多すぎた、高価すぎたり熱意が込められすぎていてた、ということが起こりやすいようです。実際に贈る側のモチベーションが過度に高まりやすい傾向があるのではと考えています。(参照:おすそ分けの考察

「食事を贈る」行為は相手のことを良く知っている間柄であればお勧めです。もしまだ相手のことをそれほどよく知らないということであれば、事前に好みを聞いたり、相場を事前に決めて、自分と相手に送る分とで、お互いに用意しあうなどのワンステップがあるといいと考えています。


いかがでしょうか。どれも特に仰々しい準備は必要なく、私自身が効果を実感した、コミュニケーションを楽しめるものを選んで記事にしてみました。もしこれらの知見が皆様のクリスマスやオンライン帰省にお役立てられれば幸いです。こんな年もあったよねと、今年一緒に食べた・飲んだ食卓は後々にいい思い出として振り返られるのではないでしょうか?

以上で今回の記事は終わりです。皆さまが良いクリスマス・年末年始を過ごせることを祈って。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

※本投稿は株式会社デンソーデザイン部の自主研究活動であり、
弊社の開発案件や事業をご紹介するものではありません


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