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それは回線工事から始まった

 趣味でパソコン雑誌を何種類も買って読んでいたので、インターネットの基礎知識は、かなり昔からありました。当時は、個人ユーザ向けに”パソコン通信”というものがあり、限られたパソコンマニアが、クローズドな個別のネットワーク環境(NIFTY-ServeやCompuServe)で、”掲示板”などを通じて、細々と交流していました。今では当たり前な電子メールさえも、ありませんでした。日本ではインターネットはまだ普及していなくて、一部の大学や研究所で使われているだけでした。

 しかし、海外への手紙もあっという間に送れる電子メールの便利さが知れ渡るようになり、インターネットも次第に広がって行きました。私も職場でインターネットが使いたかったので、上役たちに相談すると、「それならお前がやれ」とインターネット環境の整備を任されました。今のように、無線LANなんてありませんから、10BASE-Tの有線ケーブルを敷設することから始まりました。

 有線ケーブルの敷設が完了し、ルータの設置やサーバへのメールアドレスの登録などが終わり、やっとインターネットが使えるようになりました。と言っても、初期の頃は電子メールがメインの用途でした。なんでホームページをブラウジングしないのという声が聞こえそうですが、その頃はホームページ自体がまだ普及していませんでした。面白いサイトは海外のものがほとんどで、海外のホームページをリストアップした紹介本などが売られていました。当然ですが、国内のウェブサイトは、ほとんどありませんでした。もちろん、GoogleやYahooのような検索サイトもありませんでした。

 今と比べると隔世の感がありますが、黎明期のインターネットを懐かしく思い出しました。

#はじめてのインターネット

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