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かつて男子バレーは最強だった! 『ミュンヘンへの道』

 これは、まだバレーボールが今のような国民的なスポーツになる前の話です。小学生の頃、実写とアニメを融合させた画期的なドキュメンタリー番組がありました。それが『ミュンヘンへの道』です。

 ホイッスル、サーブ、スパイクのアニメーションのあと、こんなナレーションから始まりました。「これはバレーボールに青春をかけた男たちの、血と汗と涙の、そして心の記録である」。この番組は、当時の日本代表監督・松平康隆さんが男子バレーボールやチームの知名度向上を目指して、テレビ局に企画を持ち込んだものらしいです(Wiki情報)。この頃、野球は男子の間ではメジャーなスポーツでしたが、バレーボールは人気のないスポーツでした。女子バレーはオリンピックで金メダルを取っているし、バレーボールと言えば、女子のスポーツのイメージでした。

 この状況を覆したのが、このアニメとドキュメンタリーのハイブリッド番組でした。普通のドキュメントは、結果が既に分かっている段階で作られるのですが、この番組は同時進行です。どういうことかというと、放送段階では金メダルは取れていません。ミュンヘンオリンピックで金メダルを取るために、男子バレーチームが奮闘努力する様子が、ドキュメント映像とアニメで丹念に描かれていました。また、各回に一人が主人公となって、感動的なエピソードが描かれていました。この後に日本代表監督になる南将之さんや大古誠司さんの回は、本当に感動しました。

 この番組が放映中だったのは、ミュンヘンオリンピックの前です。日本は本当に金メダルが取れるんだろうか?。回を追うごとに、男子バレーボールの人気が高まっていきました。今でこそ当たり前の、クイック攻撃は外国勢との体格差をカバーするための技です。それから一人時間差も日本が考え出した攻撃です。守備でも、フライングレシーブは日本発祥です。今ではあまり見られませんが、ドライブサーブという攻撃的なサーブもありました。このような技も、番組内で詳しく解説されていました。

 主題歌もカッコよくて、誕生日にレコードを買ってもらいました。作詞はあの阿久悠さんでした。選手や監督には、想像を絶するプレッシャーがかかっていたと思います。そして、男子バレーボールチームは期待を裏切ることなく、ミュンヘンオリンピックで金メダルを取りました。この影響で、翌年の中学校の部活では、男子バレーが大人気となりました。

 もうすぐ東京オリンピックです。男子バレー、金メダルを目指して頑張れ!。


#テレビドラマ感想文

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