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 ”倫理”と聞くと、哲学的でとても難しいものと考えがちですが、倫理の漢字の意味を知れば、そのイメージは判り易くなります。”倫”とは、人の輪や仲間を表わす漢字で、”理”は、秩序やことわりを表わす漢字です。つまり、倫理は、”仲間の間での決まりごと”や”守るべき秩序”ということになります。要するに、”倫理とは社会生活を送る上での一般的な決まりごと”、と捉えることができるのです。

 社会生活は、その人が住む文化圏によっても大きく違うので、その倫理観も文化圏が違えば全然異なります。日本の法律では、一夫一婦制が基本ですから、不倫は法律で罰せられる犯罪ではありませんが、倫理的にはアウトです。しかし、一夫多妻が認められている国々では、不倫は絶対悪ではありません。”無制限な多妻”は認められませんが、ルール(法律)の範囲内なら、問題ありません。また、大学生の頃に読んだ冒険家・植村直己さんのイヌイットの話の中では、村全体で子供を育てるイヌイットの”多夫多妻”のような婚姻関係もあります。

 現生人類は、大きな気候変動で絶滅しかかったことが判ってきました。正確な数の推定は難しいのですが、5000人から10000人程度の人口にまで減少したそうです。しかし、我々の祖先はここから頑張って、今のような数十億人もの人口になるまで繁栄したのでした。ただし、絶滅しそうになったため、遺伝子の多様性がかなり失われました。人種を問わず現生人類のゲノムが極めて近いのは、この時のイベントが原因だと考えられています。

 極限状態では、一夫一婦制なんて言ってられません。いかに子供を増やして、子孫を残すかが一番の重要事項です。また、トドやアザラシの群れのように、強い遺伝子を持った一匹のオスがハーレムを作る一夫多妻のような状況も強い子孫を残すためには1つの戦略でしょう。

 不倫は(日本では)非倫理的な行為なので、このように呼ばれています。個人的な考えですが、不倫をする人の考えには”自己都合”や”推論する力の欠如”が目立ちます。もっと具体的に言うと、”こんなことをすれば、どのような結果が待ち受けているかが全く想像できない”ようなのです。ひょっとすると、これらの人たちの一部には『学習障害』の人たちがいるのかもしれません。人類の数が増え過ぎた現在では不倫する人々は厄介者ですが、人口が激減した将来の日本では救世主になる可能性もあります。もちろん、あくまでも可能性だけですが・・・。

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