大学入試 3日前
僕は社会性コミュニケーション症という
発達障害を持っている。
僕の主な症状は、相手の気持ちが理解できない事や読解力のなさ等がある。
また、抽象的な事を言われても理解が出来ない。
僕が障害を診断されたのは中学1年の頃。
親に連れていかれたクリニックだった。
知った時はスッキリした。
今まで人間関係が上手くいかなかったのは、
コイツのせいだったのか、と。
高校3年になり僕は受験生になった。
第一志望の大学を決めた。
親の負担を減らす為、授業料の免除が可能な特待生として推薦を貰って合格する事を決めた。
その為に推薦を貰うため勉強も仕事も頑張った。
推薦会議の結果、
僕は特待生として推薦させて貰える事が決まった。
高校の定期テストが終わり、1ヵ月後に控えた入試に力を入れた。
入試内容は、小論文と面接。
志望校の過去問を取り寄せた。
過去問を開いた。課題文型小論文だった。
小論文の設問には、
本文の200字以内の要約と本文の内容をふまえた上で、600字以内の意見を求めるの2問だった。
取り敢えずやってみた。
書けなかった。
原因として挙げられるのは、読解力のなさ。
何を聞かれているのか分からなかった。
そんなタイミングで小論文講座なるものが
高校で開かれた。参加した。
小論文の書き方やコツを習った。
自信がみなぎった。
過去問をやってみた。
書けなかった。
全4回の小論文講座を受けたが
読解力については一切扱われていなかった。
この時、再び僕は発達障害だった事を認識する。
全4回の小論文講座を受け終わった際には
入試1週間前だった。
焦った僕は、帰りに本屋に寄った。
本屋に着くと、僕は真っ先に参考書のコーナーに早歩きした。
どの参考書を開いて読んでも
読解力について触れられていなかった。
家に帰ってネットで読解力の付け方を調べた。いくつか記事を見つけた。
しかし、読解力の無い僕には、その読解力の記事が理解できなかった。
僕は、読解力の無い奴は、読解力の付け方という内容を理解出来ないという事実を突きつけられた。
僕の志望校の小論文の傾向で言うと
「私は◯◯と考える。」などのはっきりとした主張が書かれていない。
ここで僕は、抽象的な事が理解出来ない事を思い出して、絶望の淵に立たされている。
取り敢えず面接練習に力を入れる事にした。
僕は、面接で予想される質問が書かれたプリントに回答を書き込んで、国語の先生に添削して貰った。
多少の添削はあったものの内容は良かったと言われた。あとは練習あるのみだとも言われた。
入試3日前に控えた今日。
親から小論文は諦めても大丈夫だと言葉を貰った。
受験生になって、これほど安心できた言葉はない。
親は僕の障害を誰よりも理解してくれている。
僕の志望する大学は、推薦以外にも
学業特待生選抜というものがある。
国語・英語・地理歴史の3教科のテストの結果で決まるのだ。
僕が志望校に合格できる・特待生になれる手段はまだあったのだ。
僕は、この試験なら自信がある。
得意教科である地理歴史。
英検準2級ではあるが、資格は持っている英語。
可でもなく不可でもない国語(何とも言えない。漢字だけならイケる)。
今までも定期テストだけは頑張れて来れた。
慣れない小論文よりも慣れている3教科を頑張ろうと思った。
(推薦書にびっしり推薦理由を書いてくれた担任には申し訳なさ過ぎるが…)
3日後まで出来る事は全力で取り組む。
それでもダメなら学力で勝負を掛ける。
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