東京観光①(欠如とデジャブの上陸編)
8月6日、僕は東京に行った。幼稚園の頃に祖父母と共に、いとこの家を訪ねた事はあったが、一人旅で東京に行く事は初めてだった。ただ、東京に住む友達と観光するから一人旅と行って良いかは分からないが、一人旅という事にしておく。
9:10 乗車
両親が新潟駅のホームまで見送りに来てくれた。僕は、新幹線に乗車して、自由席に向かった。僕は、スーツケースを置いて、新潟駅のホームを眺められるA席に座った。初めて一人で乗る新幹線に、僕は東京観光への気持ちに高ぶっていた。不安要素で言えば横向きに置いた僕のスーツケースが自身の列の荷物置きの殆どを占めていた事だった。そんな事もあり、C席に座った人の荷物は、前列の荷物置きスペースに侵食していて、申し訳ない気持ちになった。そんな状況ならば、僕がスーツケースの向きを変えれば良かったのだが、そんな勇気もなくホームから僕の写真を撮る親バカな両親にハリウッドスターばりに手を振るファンサをし、現実から目を反らした。自身の荷物置きリテラシーの欠如を感じた。
9:16 発進
予定通り新幹線が動き出し、見慣れたビルを猛スピードで後にする。ほんの一瞬で知らない田園風景が広がる。あっという間に長岡、群馬を越した。埼玉に入ると窓からベルクというスーパーをよく見掛けた。TOKYO FMで放送されている日向坂46と乃木坂46のラジオ番組のスポンサーという事もあり少し嬉しかった。
10:43 東京上陸
東京に着いた。スペースを独占してた僕のスーツケースを取りだし、ホームに出ると暑さしか感じなかった。東京に着いて最初に思った事が“暑い”だけだったのが悔しかった。日本一“暑さ”がステータスである沖縄で抱くのなら納得だが、東京でも感じてしまった。夏に全国各地に旅行に出掛けるとしても確実に“暑い”がファーストインプレッションだという運命を突き付けられた様な感覚がした。そもそも東京に着いた感じがしなかった。と言うのも、ホームには東京に来た人しか居なかった。生粋の東京人も少なかったのだろうか、歩くスピードが皆遅かった。駅だけが発展した村に来たのかと思った。
これが東京………。
マスクをしていた僕は、暑さに対するため息をした。自身のため息がマスクに籠った。僕は、ため息に窒息しそうになり、マスクをパタパタさせた。そんな事をしながらエスカレーターを降りると駅構内には、早歩きする人達で溢れ返っていた。
これが………東京か………。
こんだけ人が居たら………、
暑いぞ…………………………。
目の前の光景に、思わずした ため息がマスクに籠り、窒息しかけた。
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