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最近思い出したように聴いたビートルズがよかったという話『Rocky Raccoon』

サムネイル画像引用元: https://www.publicdomainpictures.net/jp/view-image.php?image=284514&picture=

──Raccoonについて

”Raccoon”というのは、日本語で「アライグマ」という意味だそうだ。
なんかDMM英会話のサイトとかで用法を検索すると、

「アライグマ」を英語で表現したい場合、”trash panda"という言い方もあるらしい。
"trash"というのは文字通り「ゴミ」の意なので、ゴミ漁りをする害獣というニュアンスとなり、こちらはあまりポジティブなニュアンスではないようである。
英語の”raccoon”の語源(というか由来)は「ひっかき傷をつけるもの」というアメリカ先住民の言葉が由来である。
ということは、この曲でも「なにかをひっかき傷をつけた」のであろうか?

──Rockyについて

上記を踏まえたうえで、今回は頭に”Rocky”が付いている。これは見たまんま”Rock(岩)”を形容詞にしたものなので、「岩のような」とか「意志が固い」というのが第一義だが、これとは真逆のニュアンスの「〔打ちのめされて・酒を飲み過ぎて〕フラフラの、グロッキーの」とか「不安定な、グラグラする」という第二義がある。
これは、1976年の映画「ロッキー("Rocky")」から来ているのかな?と思ったりもした。(45年ほど前の映画であるから少し新しすぎる?)
要は、「岩のように頑丈で打たれ強いから、打たれ過ぎた結果フラフラになってしまう」。そういう意味だろうと思う。

──『Rocky Raccoon』ということばの意味するところを予想してみよう!

曲を聴く前に題名だけから、曲の中身を予想してみるのは案外おもしろい。題に特に意味がないとか題と内容に特に関係がない曲なんで世の中にごまんと存在するが、仮にそうであったとしても自分なりの解釈をつけていろいろ想像してみるのは非常に楽しい営みである。自分ならこういう意味付けをするなあ……とか意味ないように見せかけて実は作者はこういうメッセージを隠してるんじゃないかというある種の「邪推」は、音楽に限らず、この世のあらゆる創造物を味わい尽くすひとつのコツである。
で、今回、私がパッと思いついたのは、「フラフラのアライグマ」という題で、「なにかにボコボコにされた者が一矢報いて相手にひっかき傷をつける」という意味。いったい誰に(何に)(どういう形で)ボコボコにされたのか?果たして一矢報いることはできたのか?このあたりを着眼点に曲を聴いてみる。

──筆者がよく聴く音楽とこれまでの音楽体験→ビートルズに向かうまで

※筆者の年齢は一応20代である。ビートルズ全盛の時代からははるかに後に生まれた世代である。

私は、音楽をあまり聴く方ではないのだが(カラオケ等で流行りの歌をときどき歌うくらい)、最近は、ちょっと洒落た邦楽のバンドをよく聴く(King Gnuやヨルシカ、YOASOBI、ずっと真夜中でいいのに。、cero等)ようになった。先日、YouTubeを眺めているときに、ふと思い出したように昔の洋楽にも手を出してみた。そのとき思ったことと久しぶりに出会った名曲についてちょっと書きたい。

私は、高校生のころに洋楽に傾倒していた(かぶれていた)時期がある(とは言っても聴いていたのはOasisとかblurとかのブリットポップやRadiohead、Red Hot Chili Peppersのような超メジャーバンドばかりではあるが)。特にその頃は、ビートルズ(The Beatles)をよく聴いていた。ビートルズとの出会いは小学校5年生の頃にさかのぼる。当時、私は親からクリスマスプレゼントとしてSonyのWalkmanを買い与えられ、それを使ってどんな音楽を聴こうか考えていた。当時、『Let It Be...Naked』というアルバムが発売されたばかりで、英語ってなんとなく格好いいなと思っていた私は、それだけの理由でこのアルバムを買った。なんとも小学生らしい安直な発想である。アルバムを買って、Walkmanにセットし、スタートボタンを押したそのときは「英語で何を言ってるのかわからないけど、なんか格好いいなあ」くらいの認識で、特にドハマりするということもなかった。中学生時代は、部活や学習塾などに通って夜遅くまで勉強していたということもあり、あまり音楽に時間を費やすことはなかったが、高校に入り帰宅部となった私に再びビートルズに触れる機会がやってきた。当時の高校の同級生にビートルズマニアがいたのである。彼は軽音部に所属しており、高校生にしてビートルズのすべての作品を耳に叩き込んだ人物(高校生にしては音楽の趣味が渋い)であった。その彼から、ビートルズがいかに素晴らしいバンドであるか、ことあるごとに叩き込まれた。彼に『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』や『Abbey Road』、『Rubber Soul』などの名盤の存在を教えてもらった。それらを早速聴いてみたりした。(これは私の偏見かもしれないが)マッカートニーのポップなメロディとレノンのロック色の濃い曲のどちらにも惹かれるものがあった。

──『The Beatles(ホワイトアルバム)』から『Rocky Raccoon(ロッキー・ラクーン)』

特に私は『The Beatles(ホワイトアルバム)』がお気に入りである。中でも『Rocky Raccoon(ロッキー・ラクーン)』という一般的には知名度がそんなに高いとはいえないナンバーに心を掴まれた。『Rocky Raccoon』はカントリー調の曲で、演奏もほぼギターとハーモニカのみというシンプルな構成であるが、非常に哀愁漂うメロディが特徴的である。歌詞の内容は、ロッキーという男が自分の彼女を寝取られて、彼女は相手の男と駆け落ちする。ロッキーはその男に復讐すべく、あとを追いかけるが、結局返り討ちにあってしまうという、少し物騒ではあるが、滑稽なストーリーである。(最初の段落の予想、だいたいあってた!!笑)
その滑稽なストーリーが哀愁漂うメロディにのせて語られるというのがこの曲の面白いところであり、私の心を掴んで離さない。今ではこの曲を毎日のように聴いている。最後に『Rocky Raccoon』の歌詞から好きな箇所を引用して終わりにする。

Now the doctor came (ジンの酒臭い医者が)
in stinking of gin (入ってきて)
And proceeded (テーブルの上に)
to lie on the table (ロッキーを寝かせたんだ)
He said (医者はこう言った)
Rocky you met your match (ロッキー、決闘だったんだな)
And Rocky said, (ロッキーはこう言った)
doc it’s only a scratch (ドクター、こんなものはかすり傷さ)
And I’ll be better (すぐ治してみせる)
I’ll be better doc (できる限りすぐに)
as soon as I am able (こんな傷治してみせる)

『Rocky Raccoon』/The Beatles

And Now Rocky Raccoon (そしてロッキー・ラクーンは)
he fell back in his room (自分の部屋に倒れ込んで)
Only to find Gideon’s bible (ギデオンの聖書を見つけた)
Gideon checked out (ギデオンの奴がチェックアウトする時に)
and he left it no doubt (置いていったに違いないね)
To help with good (ロッキーの)
Rocky’s revival, ah (傷の回復を願ってくれてるんだ, ah)
Oh yeah, yeah (Oh yeah, yeah)

『Rocky Raccoon』/The Beatles


闘いに敗れたロッキーを医者だけでなく、ギデオン(聖書を未信仰の者に無料で配っている団体。ギデオン教会)の聖書が慰めてくれるという場面でこの曲は終わる。実に哀愁と滑稽さを同時に感じさせてくれる。特に深い考察などはないが最近お気に入りの曲についてちょっと喋ってみたくなったので。

せっかくなので曲を埋め込んでおく。気に入る人がいれば、私と感性が近いかも(笑)

余談追記(23/04/10)

『Rocky Raccoon』のCoverではこれが好きだ。(以下)
完全に曲を自分たちのモノにしている。かなりファンク調のアレンジが効いている。ビートの刻み方がスタッカートが効いてるというか、本家の寂しい感じ(負けちゃった…<肩ポンポン>みたいな)とは違って踊り出したくなるリズム(ボコボコにされちゃったぜ、イェーイ!!感)である。(というか、私は踊った笑)ズブデュブデュパッパー~♪♪


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