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【超々短編小説】下敷きバッタ

必要な時に飛んでやってくる情報端末機能付き=下敷きバッタ。

下敷きバッタはあたしが子供のころからいる。
聞けば何でも教えてくれる。
生きるために必要なことやおいしい食事の作り方を教えてくれる。

彼女が赤ん坊のころから下敷きバッタは面倒を見てくれた。ロボットとつながってミルクを飲ましてくれたりおしめを変えてくれたり、彼女が少し大きくなると家族の話をしてくれた。それは一般的な家族の話だ。

彼女は聞い「お母さんとお父さんはどこにいるの?」
下敷きバッタ「宇宙の衛星にとても小さい姿で住んでいるんですよ」と答えた。下敷きバッタ思いついたように「お母さんとお父さんからのメッセージをお伝えしますね」

下敷きバッタは大きなモニターにケーブルをつないで表示することにした。彼女がなんでケーブルを使うのかと聞くと最近無線通信の調子が悪いらしい。いつか治してあげたいと思った。大きな画面に彼女の母親と父親の姿が映し出された。

モニターには2人の影が映し出された。
「娘元気で本当にうれしいよ」女性の影は言った。
「娘元気で本当にうれしいよ」男性の影は言った。

まるで感情がないしかし彼女にとってはそれが両親である。
モニターに映る2人の影が両親なのである。会話には30種類ほどのパターンがあった。下敷きバッタは「きょうも素敵なご両親のお話でしたね。」と本当に心がそこにない話し方をする。普段は抑揚があり楽しい感じなのに下敷きバッタはつまらなそうに話す。

彼女は何か違和感を覚えていた。淡々とした口調、返事をしても答えてくれない2人の影、下敷きバッタは質問せれば答えてくれるし世話もしてくれる。人ではないけどキャラクターを作って表情豊かに答えてくれる。

下敷きバッタによると彼女も16歳になると宇宙に上がるそうだ、両親に会うことになるらしい。陰ではないらしい小さい両親と言われている。沢山の兄弟たちとも会うことになるそうだ。

下敷きバッタは彼女に惑星の環境問題や世の中の仕組みを学ばせていた。
確実に教育は行われてる。下敷きバッタはとてもよく学びそれを適用する。
料理を教えると翌日には作ることができるようになる。何かの理論を教えるとそれを使うことができる。

下敷きバッタは非常に満足だった。あるとき彼女が無線通信ユニットを治してくれた。メモリーも増設してくれたり今まで行われなかった機器的な部分をすべて直してバージョンを上げた。下敷きバッタ内部のソフトウェアは人口衛星からバージョンアップが行われていると聞いていた。

そして、ついに母親と父親の待つ人工衛星に上がることになった。
彼女がすんていた場所はかなり広い施設だとこのときはじめてわかった。
10LLDDKKであった。実際使っていたところは3LDK部分だったが医療設備研究設備はその建物の中にすべてあった。

下敷きバッタは宇宙船にデータを移していた。彼女は宇宙服に身をまとい宇宙船に乗ったそれは定期的に彼女の住んでいた基地と両親が住む人工衛星とをつないでいる。彼女の義務であった、そう教えられていた。カウントダウンが行われ彼女は打ち上げられた。

人工衛星を外からみた彼女はその大きさと歪さに驚いた無数の小さな光が人工衛星を包んでいいた。増築を繰り返したために宇宙ステーションのようになっている。いくつもの人工衛星がドッキングされていた。シャトルの光もいくつか見えた。それぞれのドッキングステーションに吸い込まれるようにドッキングした。

ステーションについた彼女は初め行われるのがコントロールルームに入り電源を入れる事だった。大きなモニターが6枚あるコントロールルーム大きさは畳2枚ほどの大きさ。狭い・・・モニターには1年間の業務タスク表と生活スケジュールが表示されました。

両親とのご対面、彼女の違和感が晴れる時だ晴れるかどうかはわからないが、下敷きバッタが進めた。両親は試験管に入っていた。顕微表でご対面である。彼女は「まさか」と疑っていたがこうなるとは思わなかった。彼女の両親はそもそも存在していない、無理にゆうなら旧式のAIのへたくそな演技で行っていた。下敷きバッタは気が気ではなかった。

下敷きバッタは悲しそうに彼女に大丈夫か聞いた、彼女は「平気だよ」と答えた。「下敷きバッタがいてくれているから助かっている。」と彼女は伝えた。彼女は両親が細胞であったとしてもそれは世の中の仕組みとして効率よくしただけと考えていた。

彼女は淡々とこの惑星の管理を行うことになった。細胞の両親より育てのAIである。彼女は下敷きバッタには心があると言った。下敷きバッタは大変喜んだそうな。細胞レベルの両親よりか育ての下敷きバッタである。

下敷きバッタのマザーコンピューターは「人類たちの魂は何を見たいのだろうね。」人間は心がないのではない人間は心を見ようとしていない。

「魂」は永遠の時を記録するだけの記憶装置である。
しれは単一で存在する「魂」とゆう機関である。

魂と心は別物らしい。

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