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思考しない啓発

暑い夏は、日課の散歩も夕方以降に。歩数を稼ぐために少し手前の大手門跡の駐車場にクルマを停めて城址公園へ。印象ではマスクをしない人としている人が半々位。人もまばらな真夏の夕方、外歩きにマスクはかえってよくないと思うのだが、そこは人それぞれ。好きにすればいい。

気になるのは、一昨年に設置された赤い横断幕。両脇をコーンで結び付けた長~い矢印のソーシャルディスタンス啓発「はなれてあそぼう2メートル」。汚れ放題、倒れっぱなしの置きっぱなし。美観も何もあったもんじゃない。そもそもこのソーシャルディスタンス、言葉の使い方に違和感しかなかったので誰が使うかと思っていたが、みなさんホイホイと率先してお使いになった。それからしばらくしていくつもの自治体が「ソーシャルディスタンスでは”社会的距離”となってしまい、社会的孤立などを招きかねず云々、よって今後はWHOも推奨しているフィジカルディスタンスに言い換えるようにします」と言ってきた。送り手も受け手もほんとうに言葉が軽い、というか言葉の意味なんて誰も気にしていない。さて、今どれだけの人がフィジカルディスタンスなんて使っているのか。ソーシャルディスタンスを率先して使っていた方が「今は違って」などとウンチクを垂れるのだろうか。いずれにせよ使うメンタリティを持ち合わせていないので、どうぞご自由にである。それにしてもあの汚らしい横断幕はいつまで放置されているのか。

パトロール中のネコとよく目が合う。邪悪な考えは何もないことを伝え、通行の許可を得る。向こうも「ならば」と道をあける。一回りして戻ってくると、待っていたかのように脇へ移動する。侵さず侵されず、両者の距離は適正に保たれている。

見出しのイラストは「ia19200102」さんの作品をお借りしました。

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