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議員研修で少子化について学びました

議員研修に行ってきました。
一日目の山田昌弘先生の少子化についての講義は、少子化の原因として親世代の結婚に対する価値観やそれを内在化させた子ども自身の結婚観が非婚化の原因の一つであると分析されていました。

少子化の原因として、個人の価値観や文化的な背景が取り上げられることは行政ではあまりなかったと思います。
価値観や文化は個人の問題で、行政が踏み込むものではないと考えられているからだと思います。

親の価値観が昭和のままで、正規雇用安定所得を結婚相手の要件にしていると、自分の子どもがそれに当てはまらない相手を連れてきた時に強力に反対する。親の反対で結婚に踏み切れない、あきらめるということがあると具体的事例をいくつか紹介されました。
例えば、正規雇用の高所得男性でなければうちの娘を嫁にやらないとか、女性が正社員で男性が非正規雇用の場合親が反対してなかなか結婚に至らないと言うような事例です。

聞けば確かにそういう事はまだまだあるんだろうなぁと納得します。

昭和の時代の強力な価値観、標準モデルとされた男性片働き専業主婦子ども2人の4人家族。それが幸せのロールモデルとして親世代に深く内在化されており、そのモデルに合わない家族を作ろうとすると猛烈に反対されると言うものです。

今まで少子化対策として保育園の待機児童ゼロであったり、子育ての経済的負担軽減などの施策が考えられてきましたが、それ以前の問題である非婚化晩婚化には手がつけられて来なかったと感じました。

高度経済成長の時代にいっとき世間を席巻した幸せのロールモデル、男性片働き専業主婦モデルからどのように脱却するのか。

これは行政が施策として取り組むというより、生涯学習等の場で意識変容を促すような学びが必要だと感じました。

文化や価値観は他から言われて変わるものではありません。
自ら学び感じ取ることで、主体的に変わっていく、そのような体験的な学びの場が必要だと思いました。

また山田先生は、日本やアジアでは、親に「子供を幸せにする責任」があると考えられていることにも触れられました。

親には子どもを幸せに育てる無限責任がある。
このことは、親が考える幸せの枠に子どもをはめ込もうとすることになり、その枠にはまらない方向に子供が進もうとすると強力に反対することになる。

結婚すると言う場面では、特にこの親の責任が前面に出て、娘や息子が親世代の考える幸せの枠からはみ出た形の結婚を望んだときに強力に反対する。
結果として,その結婚を諦め、その後も良い結婚相手が見つからないまま年を重ねてしまう、といくつか事例を紹介してくださいました。

どの事例もあーそういうこともあるだろうなと納得するような内容でした。
少子化晩婚化非婚化は若者世代の雇用の不安定、経済的な不安が大きな原因としてあると思っていましたが、親世代や親世代の価値観を内在化した子ども世代の価値観が大きく影響していることに気づかされました。

価値観や文化の問題に行政がどう関わっていくのか難しい問題ですが、幸せな人が増えるよう令和という今の時代にふさわしい価値観や文化を新たに作っていく必要性を感じます。
大変深く大きなテーマをいただいた講義でした。
山田先生ありがとうございました。

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