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オンラインツールmiroの10の活用〜「見える化」(ビジュアライズ)でオンライン会議/ワークショップはもっと楽しくなる〜後編

出村 沙代 Sayo DEMURA

オンラインでの研修やワークショップが、対面の劣化版(対面でしていたことをそのままオンラインにする)ではなく、目的に合わせた場づくりの一つの選択肢だということも、だいぶ当たり前になってきたように感じる今日この頃。

前編1〜6に引き続き、オンラインにおいて、参画型ワークショップ/研修をより豊かにする視点から、オンラインボードmiroの10の活用をご紹介します。

前編はこちら▼

「活用すれば場が良くなる」というよりも、「目的に合わせて必要な使い方をするとより良くなる可能性が上がる」くらいにみていただけるとうれしいです。

そもそもmiroって何?という方は、対話支援ファシリテーター玄道優子さんの記事が丁寧でわかりやすいのでおすすめです♪


<グラフィックファシリテーションとしての活用編>


私のビジュアライズの仕事の8割を占めている方法のご紹介。リアルタイムに目の前(画面共有)、もしくは参加者全員がアクセスできるor見える形で描いていき、空気感の伝わりづらいオンラインでの議論において、ビジュアライズにより対話の活性化や、思考の活性化を促す方法です。


7. タブレットを直接画面共有して描いていく

こちらはmiroを使わず手元のタブレットのアプリでグラフィックファシリテーションするパターン。miroではありませんが、少しご紹介・・・!

参加者全員の視界に入る場所でグラフィックファシリテーションをしていくので、場に影響を与える可能性が高い活用方法です。文字が多いと、読む必要が出てきてパッと視覚的に目に飛び込みにくくなったり、話された言葉と異なる文字を描くと、意味合いが変わってしまったり、言語へのこだわりが強い参加者にはノイズになることもあるので、文字はできるだけ正確に、かつ、パッとみて情報が飛び込んで来るように情景やイメージでできるだけ描く必要がある方法だと感じています。シンプルかつ、技術面、スピード面でのスキルが求められる方法です。(同時に、もっとも依頼を受けることが多い活用方法。秘密保持の関係で、公開できるグラフィックがほとんどありません。。)

8. 画面共有をしながら直接miroに描く/miroを手元でみてもらう


画面共有ができない、もしくはしないほうが議論にとって都合が良い場合、miro上でグラフィックファシリテーションをしながら、みたい人だけ見れるようにします。miroのペンは(私は)描くのにコツがいるなぁと感じていて、また、線の一本一本がデータとして読み込まれるので、長時間のグラフィックファシリテーションでは、グラフィック量が増えるに従ってデータが重くなっていくのが難点です。 ※実際どんな風にmiroのツールを使うのかは「10」でご紹介する明日美さんの記事をぜひ読んでください♪ 

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Graphic by Sayo Demura    のと未来会議より


<チームで協力してビジュアライズしていく編>

実際に、話しあいの場の対話をグラフィックファシリテーションしていくと、話のスピードが早かったり、内容が専門的だったりして、話されていることをビジュアライズしながら、色つけまでしていくのは困難な場合があります。記録目的として、講演会や会議の内容などを要約してビジュアライズしていくグラフィックレコーディングは、残す情報量が調整できますが、対話/議論の活性化を目的としているグラフィックファシリテーションでは、そうはいきません。場の鏡として、話されている内容だけでなく、空気感や感情などの正確なリアルタイムの反映が求められます。必要な情報を受け取ってビジュアライズ化していくことに重きをおくと色塗りが後からになったり、色塗りまでを優先すると、重要なポイントが抜け落ちたグラフィックになったりと、課題が多いのですが、複数名で実践することで、目的に合わせた活用をしながらも、リアルタイムに色塗りまで仕上げることが可能になります!!(対面でも実施していましたが、デジタル化することで、さらに可能性が広がっています!鼻息荒く)

一人で後から仕上げることも可能ですが、場が高まっているその瞬間にグラフィックがある程度できている状態で共有されることで生まれる一体感議論の深まり変容のトリガーがあることを知ると、その瞬間を逃さないために、チームでの実践はパワフルだと感じています。

そこで、デジタルの特徴を最大限活かした、役割分担・・・さらには、一人ひとりの得意(聴くのが得意、描くのが得意、イラストが得意、英語が得意等)を生かしたビジュアライズの事例をご紹介します。


9. 2人〜複数人で描く  

①主線(文字とイラスト)/色塗りの2名で実践
役割を分けることで、聴く/編集/描くに集中できる点が良い点です。また、色塗りも、色に集中できるので、短時間で視覚的にもわかりやすい色つけ可能になります。

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▲Graphic by Sayo&Junko
JAXAの国際ワークショップより「2050年までに、インフラの拘束から解放されて暮らし方の自由度が飛躍的に向上した社会を実現〜インフラの投射によって実現される動的生活空間に関する調査研究」より


②テキスト/イラストの2名での実践

miroは便利なのですが、ペンでの文字をきれいに素早く描くことが難しいという点を課題に感じていましたが・・・英語になるとテキストフォントがさまざまあるので、イラストは手描きのまま、文字はテキストで残すことで、視覚的にも読みやすいグラフィックになります。

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10. 日英2カ国語を同時進行でビジュアライズする
     

日本語/英語/イラスト/グループ化/色塗りの5名での実践
参加者に、英語話者、日本語話者が混在している時、どちらの言語も残せると、一緒に同じ絵をみることが可能になります。リアルな場では、5人も模造紙の前に立っているとそれだけで圧迫感が出たり、場への影響が出てしまいましたが、miroを活用することで、同時に編集できるメリットを活かして、必要なグラフィックをリアルタイムに仕上げることが実現します。

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▲Graphic by Asumi&Eri I&Reona&Bun&Sayo 
第3回のと未来会議(日英同時開催)より
のと未来会議では、ビジュアライズでのと未来会議を応援したい人、グラフィックファシリテーション/場づくりについての実践を積みたい方の実践の場としても場をひらいています。こちらの事例は、実践中のメンバーを含む5名で実験的に実施しました。実施方法について当日の様子や詳しいTipsも含めてあすみんさんがわかりやすく記事にしてくださっています。ぜひご覧ください♪



おまけ

気に入っている活用方法の一つに、miro上で、関心のある話題が描かれているグラフィックの上に集まってもらい、ブレイクアウトルーム(小グループ)を作り、その後の対話につなげるという方法があります。

関心の近い人と話ができるので、話の導入がスムーズで、深い話ができるまでの時間が早くなったり、より関心のある話しがしやすくなるので、機会があればぜひ実践してみてください♪

つぶやき

約3年前、玄道優子さんからmiroって可能性が広がるよ。参加者の表現する幅が広がるよ、と教えていただいてから、何百回(正確には数えていないですが、miroのボードは数百作成しています)と、タブレットでの数千の実践/失敗の試行錯誤をしながら探求してきました。日の目をみなかったmiroボードたちのおかげで、今、必要なその瞬間に、失敗なく、活用できるようなノウハウが蓄積できてきた気がしたので、文字にまとめる。をしてみました。

ワークショップは生物です。同じ場はないし、その時に共創するメンバーや参加者によっても大きく代わります。同じことをしたからといって同じことが起きるわけでありません。もし、miroでのビジュアライズをしみようかな、と思われた方がいたら、後半の7〜は、特に自分自身で使いやすい方法を模索したり、自分にあった実践を探してもらえるとうれしいです。

優子さんはmiroの使い方講座も実施されています。まずはmiroを使えるようになりたい!という方はこちらがおすすめです^^


チームで共創する時に大切だと思うこと

・・・大切だと思うこと、たくさんありますが、今回は、こちらを文字にしておきたくなりました。

「聴くトレーニング」をして仲間と入る。

グラフィックレコーディング、グラフィックファシリテーションは「描いている」行為が目立ちますが、インプットがなければ描けません。聴いていることを全て理解している(受け取っている)とは限らないというのは、みなさん感じていることだと思うのですが、ビジュアルプラクティショナーとして、なんとなく聴こえてきたことを描いている実践者の描くグラフィックは、グラフィックの情報が偏っていたいり、描き手がたまたま聴こえてきたことを、キャンパスに残したグラフィックになります。
ex.英単語の勉強をしたことがある人はイメージしてほしいのですが、聴いたことのない英単語は聴こえてきませんし、意味のわからない英文章は、すぐに手元でメモができないと思います。

人は聞きたいことを聴いているので、自分自身が普段から聴いていないこと(例えばお金の話は恥ずかしいと思っている人はお金の話等はすぐに頭から抜けていってしまうので、グラフィックに残し辛い)は、聴いていても受け取れないので、グラフィックに反映されません。(言い換えると、グラフィックファシリテーションの実践自体が聴くトレーニングにもなります◎)

場のために描いたグラフィックが、何年、何十年後にも残った時、メディアとしてのグラフィックとして責任を持つのであれば、目的に合わせて必要な情報(事柄、感情、エッセンス)を残せているか、自分の価値観と向き合っている(聞こえない声を受け取る訓練をしている)か、お互い確認したりトレーニングしておくと良いのではないかと感じています。仕上がったグラフィックに対してチームとして一緒に責任を持てる、そんな仲間と出会えることを願っています。
※チームで描くことや、プロになることを推奨しているわけではありません。自分らしく、自分の目的あったスタイルと技術/スタンスと共に過ごせますように^^


技術はさまざま

ここまで読んで、お!活用できそう。というものから、そんなの私には無理だよ。という方法までさまざまだった方もいるのではないかと思います。(出村の文章力の無さで、ちんぷんかんぷんだったよ、という方もごめんなさい)

例えば、英会話に、「友達と話したい」「趣味の本を読めれば良い」「日常会話ができれば満足」という方から、「仕事としてこれで対価をいただくような通訳ができるようになりたい」という方までさまざまように、ビジュアルプラクティスも、自分が目指す姿によって、磨く技術もさまざまだと思います。
また、友達の家やまちづくりの会議では、楽しく英会話できる程度で良いけれど、国家の会議に出向くのであれば、流暢な英語力が求められる・・・と、現場によっても求められるスキルが変わると思います。

同じように、ビジュアライズも、現場によって求められる技術とグラフィックが変わってくるように思います。まちづくり、身内の会議であれば高いスキルや技術力は必要ないですし、むしろ楽しく進められることの方が大切だと思いますが、組織の役員会議や人の命に関わるような議論の場で、話された言葉を違う言葉に置き換えたり、聞き取れたことだけを描いて残ったグラフィックでは、説得力がないし、求められる技術力も変わってくるのは自然なことな気がします。

もし、この記事を読んで「難しいなぁ」という気持ちと共に「できるようになりたいな」という気持ちが生まれているとしたら、「難しいなと私は今感じているのだな」と受け止めて、「今はできないだけ。会社をよくするために/家族と対話するために/コミュニティをよくするために/話し合いを本音で話せるようにするために・・・、まずは、毎日実践してみようかな」という気持ちに少しでもなっていただければ、文章が苦手ながらもこの記事を書いた出村的に、とても励みになります。


もし、一人で実践続けるの無理だよ、と思えば、共創ビジュアルプラクティショナー養成プログラムも秋に実施しているので、ぜひいらしてください。これまでに、ビジュアルプラクティショナーとして事業を立ち上げた人や、組織内で活躍している方など多数修了しています。

技術を高めるためには毎日練習が必要ですし、至らない自分のグラフィックを受け止めて腕を磨くタフさや、描くこと以外のスキルも必要だと感じています。私たちが持続可能に暮らしていける住みやすい未来を一緒に創る仲間とこれからも出会えることを願って、泥臭いけれど、探求を続けていきたいです。まずは現時点までの実践のご紹介でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!必要な方に届きますように。



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