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私たちは何者か

はじめに

この記事はTeam DELTA Advent Calendar 2022 最終日の記事です。
メリークリスマス!最後まで読んでくださってありがとうございます。

Team DELTAって何?という方はこちらをご覧ください。

自己紹介

丹哲郎(たんてつろう)です。
Team DELTAの代表兼、SEVENRICH GROUPのグループCTOを務めています。

私たちは何者なのかという問い

「私たちは何者なのか」という問いへの答えについては、初日の記事にて既に明かされているのでそちらをご覧ください。

今回の記事では、この問いと答えに至るまでに私たちが考えてきたことについて、歴史を振り返りながら掘り下げてみたいと思います。

私たちはどこから来たのか

私たちは、成長企業向けに様々な事業支援を提供するSEVENRICH GROUPというグループに属しています。

このグループは、2011年7月に創業した会計事務所を母体としたホールディングスカンパニーです。

会計事務所としては、紹介のみで約800社のスタートアップ・ベンチャーに対する支援を行ってきた歴史があり、そこから今や会計税務に留まらない、ビジネスの成長をあらゆる側面から支援する「機能」を揃えた企業になっています。

そんな成長を遂げている最中のSEVENRICH GROUPに、Team DELTA代表の丹はエンジニア第一号としてジョインしました。2019年の出来事です。

インハウスエンジニアとしてスタート

ジョインした当初は、私(たち)は「機能チーム」と呼ばれ、先述したSEVENRICH GROUPが行うビジネスの成長支援をサポートする「機能」の一つとしてエンジニアチームがある、という位置付けでした。

まずはグループ内の他の事業部に対する「機能」を提供しよう、ということで、現在ポートフォリオにも掲載されている、パーソナルジム向けの経営管理SaaSをウェルネス事業部の事業部長とともに共同で開発するところから、私(たち)はスタートしました。

その後も、グループ内の事業や、出資先の事業からデジタルプロダクトの開発や改修の依頼を受け、インハウスのエンジニアとして半ば受動的に依頼ベースで動くという動き方を1年程度続けていきました。

孤独を克服するために組織をつくる

丹がジョインしてからしばらくの間は、丹以外にはエンジニアはいませんでした。

必要に応じて副業や業務委託などリソースの確保はできていたので、リソース面での苦しさはありませんでしたが、「自分が言ったことを周りの人間が全て信じてしまう」「自分以外に相談できる相手がいない」という孤独を感じていたため、そうした孤独を分かち合える仲間が欲しい、と思ったのがきっかけで、まずはリファラルでの採用をスタートしました。

当時(2020年4月)に考えていたコンセプト。
「健全な議論と、頻繁なフィードバックをお互いに行うことで、方向性的に安心して仕事をすることができる(チームとしての価値)」というところに、孤独を克服したいという意思が既に見える

現在では新規プロダクトのBizDevも兼ねながら自走している豊福や、テックリード領域をメインで張ってくれている山田はこの時期にジョインしてくれました。

事業部の性質上、当時は「個人がそれぞれで依頼を受けて捌く」という形式が強かったため、それぞれが違うプロジェクトに参画していたのが実情ではありましたが、だとしても隣に相談できる、同じぐらいの視座のメンバーがいる、というのは大きな安心になったことを覚えています。

デジタル×事業開発という強みの発見

2021年の5月にCLINIC TEN SHIBUYA というクリニックが渋谷にオープンしました。

実はこのクリニックの予約マイページを中心としたデジタル部分はTeam DELTAが手掛けています。

詳しくはnote記事に記載がありますが、このクリニックはデジタルを前提として設計されているという点が特徴で、例えば待合室が間取り上存在しません。

Team DELTAはそういった新しいクリニックをつくるというプロジェクトにDAY 1から参加し、医師や看護師のオペレーションの検討にも加わり、電子カルテの選定や、はては院内ネットワークの物理配線まで並走してオープンまでこぎつけました。

事業開発についてはもちろん記事にも登場する共同創業者の大江が中心となって進めてはいましたが、「デジタルの側面からするとこういったサービスやあり方が可能」というように、ただ言われたものを作るだけではなく、事業開発にまで大きく踏み込んで支援するという実績を作ることができた好事例でした。

元看護師の長田や、現在プロダクトマネージャーを務めている中島などもこのCLINIC TENプロジェクトに深くコミットして活躍してくれています。

この成功体験から、Team DELTAの強みとして、「テックリードな事業開発支援」というメニューがあるのではないか、ということがわかってきました。

チームとしてリソース最適化に向き合い始める

私たちの強みやなしうることについて、SEVENRICH GROUP内外での解像度が上がるにつれて引き合いも増えていきましたが、当時はPjMもディレクターもいなかったため、とにかく「直接、現場または事業責任者から依頼を受けて、できる範囲で全てやる」というような仕事をしてしまっていたという課題がありました。

本来は、グループインハウスのエンジニアチームとして動いていた以上、稼働=投資をどの支援先に投下していて、どういった成果を上げているのか、ということを可視化したうえで、全体最適を考えてリソースを投下していくのが当たり前だと思います。

しかし当時はそれ以前の状態で、とにかく全てに優先度をつけずに「やります!」と答えていた結果、稼働の全体量を把握して適切なリソース投下を計画的に行うどころか、頑張って採用した数名のメンバーも疲弊してしまう状態になっていました。

2021年7月の四半期定例のスライド。
エンジニアリソースをむやみに採用しても意味がなく、リソースの可視化と最適配置、案件のコントロールを行うマネジメント・ディレクション機能が必要と判断

そこで、各プロジェクト内部の適正な進行管理と稼働の可視化、そしてそれらプロジェクト・稼働を積み上げた結果のチーム全体としての稼働状況の可視化と、それに立脚するリソース投下の最適化の意思決定プロセスの整備を目的として、プロジェクトマネージャーの石井とそのアシスタントとして伊藤を採用しました。

石井及び伊藤のジョインにより、各プロジェクトの稼働状況から積み上げでチーム全体の稼働状況の可視化を行うことができるようになり、一定の秩序が導入されました。

稼働状況が可視化されることによって、チームがどの出資先やクライアントに注力して支援を行っているのかが定量的に可視化できるようにもなり、「チーム」としての動きを行えるようにもなってきました。

「CTOは孤独である」という気付き

単なる孤独を癒やすための個人事業主の寄り合いのようだったチームに一定の秩序やプロセスが導入され、チームとしての輪郭が見えてくるようになったころ、いくつかの出資先から「クラウドのコストを削減するのを手伝ってほしい」と依頼されることがありました。

メンバーのもともとのスキルセットもあり、それぞれの依頼に対してかなり大きな成果を上げることができたうえ、複数の出資先からニーズを確認できたことで、成果も出せそうだし市場にニーズもありそうだということがわかりました。

そこで、既存の出資先を中心とした支援とは多少独立した「コスト削減代行サービス」として本格的な拡販を試みることにしました。

紹介を中心として様々なお引き合いをいただき、実際に成長企業のCTOたちと会話していく中で、あることに気が付きました。

それは、「クラウドコストで困っているお客様は、必ず他のことでも困っている」ということでした。

事実、コスト削減でお引き合いをいただいたのにも関わらず、「コスト削減ではないけど、現行のクラウドのアーキテクチャが最善なのか自信がないので見てほしい」「言語やミドルウェアのバージョンを上げなければいけないのはわかっているけど、ノウハウもリソースもないので誰かに頼りたい」というようなお悩みを打ち明けていただくことが非常に多い。

そこから私たちが得たのは、「CTOは孤独である」というインサイトです。

スタートアップでCTOを務めている方のうち多くはCTO経験が豊富ではなく、採用できるメンバーのスキルレベルにも限りがある中で、頼れる相手もおらず日々孤独に事業と向き合っています。

そういったCTOたちと寄り添い、ともに孤独を克服することがもしできれば、それは当初Team DELTAが丹一人で構成されたエンジニア部門から、チームとして歩き出そうと決めたときのコンセプトにも通底する意義があると感じました。

そこで、「孤独なCTOを救う」というコンセプトで、クラウドコストの最適化に留まらず、ミドルウェアバージョンアップや速度改善など、「いつかはやらないといけないが、どう着手したらいいのかわからないもの」の領域に特化した「開発組織向け専門技術支援」をサービスとして展開することに決め、「CTO Booster」という名前を付けました。

この名前は、顧問の 深津さん から「このサービスは、単にコスト削減代行するだけのサービスではなく、ノンコア領域の"やらなければいけないこと"からCTOを解放し、本来注力すべき攻めの開発に注力できるようにする、というサービスだ」という旨のコメントを頂いたところから着想を得て自分たちで命名したものです。

コストセンターから事業体へ

CTO Boosterの存在が生み出した成果は他にもあります。

先述したとおり、当初のCTO Boosterのメインのサービスは「クラウドコスト削減代行」でした。

これはマネタイズの方法が少しユニークで、「完全成果報酬型」、その名の通り「削減額からの成果報酬」をいただくというサービスです。

通常、受託でプロダクトの開発に参画しているエンジニアは、成果ではなく稼働に対してのフィーを受け取っています。準委任であればまさにそうですし、請負であったとしても結局は稼働ベースで見積を出しているため構造として大きくは変わりません。

それに対し、CTO Boosterは「稼働ではなく、ノウハウで価値を提供する」ということを意識したプライシングを行っています。
稼働「時間」に対するフィーではなく、成果に対する報酬を請求するというロジックです。

これは、例えば事業会社においてはコストセンターでしかないエンジニア、特にクラウドやインフラに強みのあるエンジニアが、自らのノウハウや能力によって大きな成果 = 「売上」に直接貢献できるということを意味します。

このようにして、自分たちの強みを活かして事業を開発し、市場にニーズがあればそれが売れて自分たちの利益になる、という成功体験を積むことができたというのも大きいと思っています。

端的にいえば、Team DELTAとして自分たちのビジネスを立ち上げ、それによってチームが成長したりやりがいを感じてメンバーがジョインしてくれるようになり、また次のビジネスを立ち上げ・・・という正の循環がより解像度高くイメージできるようになってきたというわけです。

(そして)私たちは何者か

改めて、冒頭で紹介した、アドベントカレンダー1日目の記事を引用します。

テックリードな事業開発支援

デジタルを前提とした新規事業を企画している企業向けに、専門家の視点から並走して事業開発を支援します。企画設計・プロトタイピング・プロジェクトマネジメントなど新規事業立ち上げのフェーズに合わせた柔軟性のある開発体制を提供します。

ソフトウェア・プロダクトの共同開発

クライアントの細かなニーズにあわせて共同開発体制を提供します。成長企業の事業特性への理解をもとに、将来拡張性・中長期的なクラウドコスト・採用コストまでを見据えた最適な技術選定からお手伝いします。

開発組織向け専門技術支援

インフラコストの最適化・バージョンアップ・速度改善・セキュリティ改善などの専門性の高い技術課題に対してノウハウやリソースを提供し、クライアントのCTOや開発者が事業成長により一層コミットできる環境を整えます。

【2022年12月版】「DELTA」の自己紹介|SEVENRICH GROUPの技術支援事業
https://note.com/delta_sevenrich/n/n15f551a4d7a5

個人事業主の寄り合いでしかない「孤独を克服するための組織」だったところから、テックリードな事業開発という強みを見つけ、秩序が導入されたチームとなり、そして自分たちで収益性のあるビジネスを開発・提供できる事業体として立ち上がった私たち。

インハウスエンジニアとしてコストセンターでい続けるのではなく、自分たちで収益性も作れるようになってきた今、さらにチームを拡大・成長させていくため、もっと仲間が欲しいとより切実に思えるようになってきました。

では、将来一緒に働く仲間に対して、「Team DELTAにジョインする意味」とはなにかということを訴えかけるとしたら、どういった言葉があるだろうか?

今回のアドベントカレンダーは、初日の記事も含め、それをそれぞれの言葉で物語る試みだったともいえます。

私たちはどこへ行くのか

では、私たちはこれからどこに向かうのでしょうか?

現時点では、大きなマイルストーンとして「成長企業が、技術で困ったことがあったときの第一想起」を置いています。

どれかにワクワクしてくれるなら、ぜひお話したいと思います。

CTO Boosterの新サービス立ち上げ

現在はクラウドコスト削減代行が特に目立っていますが、ミドルウェアバージョンアップや速度改善、アクセシビリティ対応など、「いつかはやらなければいけないこと」を広いノウハウでサポートするような、開発組織向け専門技術支援のサービスの拡大をどんどん行っていきたいと思っています。

自分たちが欲しいと思うサービスを、自分たちで立ち上げて顧客にぶつけてみてPDCAを回していき、事業体としては利益を生みつつもそれ以上にCTOたちに心から感謝されるというきわめてエキサイティングなミッションだと思います。

より大きな共同開発案件へのコミットメント

出資先・クライアント問わず、アプリケーションやメディアの開発支援も事業として伸ばしていきたいと考えています。
プロジェクトマネージャーやテックリード人材が社内にしっかりといるという強みを活かした盤石な開発や、場合によってはテックリードな事業開発支援などのよりエッジの効いた強みを活かしてさらに上流から関わるなども模索していきたいと思っています。

アプリ開発者だけではなく、もともとweb制作を主にやっていた三浦さんなどがジョインしてくれたので、メディア領域なども含めまだまだソリューションの幅は広げられると思っています。

出資のチャンスメイク

プロトタイピングなどの事業開発支援を通して、「アイデアはあるが形にするところができない」起業家を早いステージから支援することで出資のチャンスを作り、単に受託開発で稼働に対してフィーを受け取る以上のレバレッジの効く取り組みを中長期的には作っていきたいと考えています。

セミナー登壇や執筆などのポジショニング

2022年はパートナーであるNHNテコラス様と共同でクラウドコスト最適化についてセミナーに登壇するなど対外的な発信も強化しています。

特に事前の検証が難しい技術的な意思決定においては、「何を言うか」ではなく「誰が言うか」、という場面も多いとは思うので、そういったときにきちんと信頼していただけるように、成長企業でのクラウド活用においての第一想起を取れるポジショニングを行っていきたいと思っています。

We're Hiring!

最後まで読んでくださってありがとうございました!

この記事がTeam DELTA Advent Calendar 2022の最後の記事になります。
今まで読んでいただきありがとうございました。

改めて、Team DELTAが何者なのか、ということがより深掘りして理解していただけたかと思います。

そのうえで、ご興味を持っていただけた方とはぜひお話したいです。

Team DELTAでは、成長企業の技術支援に興味のあるエンジニアやディレクターを募集中です。

メンバーは、インハウスのエンジニアと肩を並べて事業を支えるもよし、自分の武器を外販事業化して売上を追うのもよしな環境です。

案件フェーズも様々なため、上流の事業開発から関わるもよし、開発に責任を持つもよし、スキル的にチャレンジングな案件にメンバーとして参画するのもよしです。 得られる経験やスキルが幅広いため、キャリアステップも設計しやすいです。

まずは正社員(新卒・中途)、業務委託(副業・アルバイト・インターン)など、皆様のご希望にあわせた勤務形態、報酬をご用意できますので、ぜひ一度カジュアルにお話しできますと幸いです。

まずはフォームからお気軽に連絡ください!


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