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バルセロナも活用する仮想通貨が気になって調べてみた

※仮想通貨の購入を推奨することを目的とした記事ではありません。激しい値動きをするもので、購入前によーく注意が必要です。

FCバルセロナが仮想通貨「$BAR」なるものの発行を予定している。

FCバルセロナは「新デジタルコマーシャル戦略」の一環として、「$BAR」を発行したと記事には書いてある。

主にFCバルセロナとファン向けに発行されるとされる$BARは、それを保有することで、Socios.com上でバルセロナが開催する投票案件やアンケートに参加することができるようになる。そして、たまに選手と直接触れ合うサプライズもあるらしい。うーん、それだけ聞くと、なんか面白そう。

どんな仕組み?

$BARの購入者に対する留意点がインターネットに掲載されている。

その中でもポイントとなる部分を下記に抜粋する。

1) $BAR will be priced at €2and the FTO will be the only chance to buy them at a fixed price.
2) $BAR will be sold on a first come, first served basis.
3) The 48 hour flash sale will begin at approximately 1pm on Monday June 22nd and end at 1pm June 24th – unless all $BAR put up for sale are sold before then.
4) As of 1pm on June 24th $BAR, will be tradeable on both Socios.com and Chiliz.net.
5) As of June 24th the circulating supply will be 1 million $BAR.

$BAR=2€で、100万$BAR(2億円強)を、期間限定発行する、とのことだ。

また、下記の記事には保有メリットが纏められている。

すごく雑に、訳します。笑

世界中どこからでも買える
②クラブの意思決定に投票で参加できる
③カンプノウに飾るイラストを選ぶ投票に参加できる
④もしかしたら選手に会えたりスペシャルなリターンがあるかも
⑤もしかしたら選手からメッセージや動画が届くかも

⑥Token Huntアプリで仮想通貨Chilizを拾えるかも($BARと交換可能)
⑦Socios.comアプリをDLするとクイズとかゲームができる
⑧$BAR保有者だけのチャット機能ができる予定
➈$BAR保有者だけのクイズやゲームが開催される予定
ボードメンバーに選ばれるともっと良いリターンがあるかも

ファンとしての面白さだけ抜粋するとすれば、太字にした②④⑤➉あたりがコアなリターンとなるだろう。

ファンではなく、ゲーム感覚で買う人にとって、⑥のToken Huntは面白い機能だ。まるでポケモンGOのように、AR技術を活用したアプリによって、道端で仮想通貨を拾うことができる。

ちなみに、この仮想通貨発行、FCバルセロナだけがやっているわけではない。

パリサンジェルマン、ユベントス等、名だたる名門サッカークラブが同時多発的に活用を決定している。

まだまだ始まったばかりの仕組みで、今後どんなムーブメントが起きるのか、どのような問題が起きるのか、読み切れない部分も多い。

しかし、「世界中のファンが、ほんの少しのお金で好きなチームと繋がり、距離を超えたリターンを享受できる」という思想は、とても面白い。

このムーブメントを先導するChilizとはどんな会社なのだろうか。

そもそもChiliz社とは?

Chiliz社は、仮想通貨Chilizの発行し、Socios.comを運営している、本拠地をマルタ共和国におくスタートアップだ。

※ちなみに、マルタ共和国は、地中海に浮かぶ諸島で、シチリア島と北アフリカ沿岸の間に位置している国。二重課税回避条約を多くの国々と結んでいる、法人設立手続きが容易で迅速に設立できる、還付金を加味した実質的な法人税率がとても低い、などの理由で、コスト削減を目的としてヨーロッパ企業が本店所在地として選ぶことが多い。

Chiliz社は、FCバルセロナ含む名門サッカークラブと提携を正式に発表している。「ブロックチェーン」「仮想通貨」という、少し足踏みするような領域にチャレンジする決断をクラブに促したことがすごいと思う。

ちなみにChiliz社は、2019年5月、最大手仮想通貨取引所のバイナンスとの提携をしたことでも話題になった(2018年に資本提携もしている)。これにより消費者向けに、ブロックチェーンの特徴である、即時決済や、ギフト用プリペイドカード、デジタルサービス向け少額決済などのサービスを提供できるようになった

つまるところ、とても少額にとても早く安全に、スポーツクラブの仮想通貨を売買できるようになった、ということだ。

また同社は、2020年2月、米大手スポーツマーケティング会社である、agardère Sports社との提携も発表している。agardère Sports社は、NFL、MLB、プロゴルフの選手と契約しマーケティングやマネジメントを行っており、スーパーボウルチャンピオンのチーフスの選手であるエリック・フィッシャーやテレル・サッグス等とも契約している、米国のスポーツ業界に強いネットワークを持った企業だ。

ちなみに、Chilizの親会社はMediarex Groupという、オンラインのポーカーゲームの運営会社で、オンラインエンターテイメントには一日の長がある企業と思われる(同社も拠点はマルタ共和国)。

なぜ名門クラブを動かせたのか?

インターネット上ではほとんど情報がないChiliz社だが、なぜここまで名だたる名門クラブの賛同を得ることができたのだろうか。

創業者・Alexandre Dreyfusは、フランス出身の連続起業家ですが、事業ドメインはもともと「ギャンブル」。Chilizにおいて「スポーツ×賭博は絶対にやらない」と明言しているようですが、スポーツ界がすんなり受け入れるタイプの起業家ではないようにも見える。

このあたりは引き続き動向を追っていきたい。

なににしても、海の向こうのスポーツクラブとの距離を少しでも近く感じられる、そんな仕組みであれば、笑顔になる人も多いだろう。

※(念のため再掲)仮想通貨の購入を推奨することを目的とした記事ではありません。激しい値動きをするもので、購入前によーく注意が必要です。


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