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人は20代で1億回の選択をする

20代後半で少し悩んでいた時期に、とても勇気をくれた本がある。

「選択」という行動について深く研究し、様々な示唆をくれる『選択の科学 / The Art of Choosing』だ。

この本では、「選択」の意味を色々な角度から語ってくれている。その中でも、心に残っているフレーズがある。

わたしたちが「選択」と呼んでいるものは、自分自身や、自分の置かれた環境を、自分の力で変えることだ。

ちなみに、人は、1日に35,000回の選択をしているという。

もちろん、その選択には、zoomでビデオをオンにするかしないか、という些細なものから、今日恋人にプロポーズすべきか、といった重大なものも含む。

しかし、多かれ少なかれ、1日に35,000回も、その後の人生を変えるための選択をしているということだ。1年に換算すると約13,00万回、22歳で社会人になって30歳になるまでの20代の8年間で、約1億回の選択をすることになる。

一つ一つの選択によって、人生は形作られていく。

そんなメッセージは、著者のシーナ・アイエンガーの生い立ち話によって、より一層心に響く。

彼女は、13歳という若さで全盲になっている。

インドからアメリカに渡った家庭で育ち、シーク教の教義を従順に守る環境で育った。それもあってか、アメリカの「自分のことは自分で決めるのが当たり前であるだけでなく、望ましいことである」という文化をとても力強く感じたそうだ。その時の気持ちをシーナは短いフレーズで纏めている。

目が見えなくても、見えるものがあった。それが「選ぶ」ということだった。

目が見えない、という状況ほどに、20代後半の僕は抗えない苦難に出くわしたわけではなかった。それでも、新しい仕事に取り組むなかで、何を足掛かりに進めばよいか分からず、暗中模索ではあった。

そんなとき、「いまできることは、変えるために選択することしかない」と、この本は思わせてくれた。もやもやが吹き飛んだ感覚があった。

前向きな思考に自分をもっていきたいときにお勧めです。

~追記~

ちなみに、シーナは、「選択」という分野の第一人者であり、かの有名な「ジャムの法則※」を導き出した研究者でもある。ジャムの実験の考え方は、マッキンゼーのコンサルティング手法(選択肢は3つに絞って顧客に提示する)にも取り入れられるほど、有名な実験になった。

※ジャムの法則・・・商品の数が多すぎると、消費者の購入率が下がるという実験結果


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