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HSPより敏感なエンパスについて-1

これまでHSP(Highly Sensitive Person)について何回か書いてきました。特に2021年7月の記事は、HSPについて幅広くまとめました。

さて、世の中にはHSPとよく似た雰囲気を持つエンパスと呼ばれる人たちがいます。またHSPとエンパスの両方の資質を持った人もいます。実は私自身も強度のHSPでありながら完全なエンパスでもあります。

HSPとエンパスには少し違いがあります。

エンパスとは

エンパスは、一言で言うと、HSPよりさらに敏感な人たちです。エンパスもHSPと同様、5人に1人ぐらいの割合でいると言われています。またHSPの中にもエンパスの人がいます。私も生まれつき強度の内向型HSPとしての気質を持ちながら、強力なエンパスでもあります。

エンパスは、HSPの持つ感じる力、すなわち共感力、直感力、視覚力、表現力のうち、特に共感力がとても強い人たちです。さらに共感力が強いだけでなく、周りの環境、場所や他人のエネルギー、思考、感情を自分のものとして受け取ります。

HSPは周りや他人のエネルギーには敏感ですが、それを自分のものとして受け取るというところまでいかない人も多いです。そこが多くのHSPとエンパスの違いです。

またエンパスは、直感力も優れているため、人の心や世界情勢を読んだり、予知能力を持つ人もいます。スピリチュアルなことに興味を持ったり、スピリチュアルな能力が開花している人は、一般的なHSPよりエンパスに多く見られます。

しかし敏感すぎるゆえに自分がエンパスだと気づいて、自分を守る方法を知らないと、人生にとても疲れやすくなります。逆にポジティブな環境や人、美しいものからは、普通の人よりも素晴らしい影響を受けることができます。つまり良くも悪くも周りの影響を受けやすいのです。

エンパスはHSPと同様に遺伝的なものであると言えますが、子供時代の子育てやトラウマによってエンパスとしての資質をさらに強く持ってしまう場合もあるようです。

今まで自分はHSPだと思っていた人でも、ひょっとするとエンパスである可能性もあります。自身も完全なエンパスで精神科医のジュディス・オルロフ医師のサイトの20項目のチェックリストをわかりやすく翻訳してみましたので、自己評価してみてください。次の質問に「はい」がいくつあるか数えます。

エンパス自己評価チェック
1. 過度に敏感、恥ずかしがり屋、または内向的であると言われていますか?
2. 頻繁に圧倒されたり(焦ったり)、不安になったりしますか?
3. 議論や怒鳴り声は、こちらが病むほど苦手ですか?
4. 自分に合わない(生きづらい、居心地悪い)と感じることがよくありますか?
5. 人混みに疲れ果てて、自分自身を復活させるために一人の時間が必要ですか?
6. 騒音、臭い、ノンストップで話し続ける人と一緒にいると疲れ果てますか?
7. 化学物質に敏感ですか、それともチクチクする服に耐えられませんか?
8. 公共交通機関より、自分で車を運転して早めに出発する方が好きですか?
9. ストレスを感じると、食べ過ぎてしまいますか?
10. 他人と親密な関係になると、窒息するように感じるのを恐れていますか?
11. ビックリしやすいですか?
12. カフェインや薬に強く反応しますか?
13. 痛みに敏感ですか?
14. 社会的に孤立する傾向がありますか?
15. 他の人のストレス、感情、または症状を自分のことのように感じますか?
16. マルチタスクに圧倒されるより、一度に一つのことをするほうが好きですか?
17. 自然の中で自分自身のエネルギーを充電しますか?
18. 難しい性格の人やエネルギー・ヴァンパイアと一緒にいた後、回復するのに長い時間が必要ですか?
19. 大都市よりも小さな町や田舎のほうが気分が良くなりますか?
20. 大規模な集まりよりも1対1のやり取りや、小グループのほうが好きですか?

Are you an empath?  20 Question Self-Assessment Test  Judith Orloff M.D.

「はい」が1〜5個の場合、あなたは少なくとも部分的にエンパスです。
「はい」が6〜10個の場合、中程度のエンパスの傾向があることを意味します。
「はい」が11〜15個の場合、エンパスの傾向が強いことを意味します。
16以上の質問に「はい」と答えた場合、あなたは本格的なエンパスであることを意味します。

特にエンパスの特徴としてあげられるのは、上記の項目15です。HSPは敏感なものの、他人のエネルギーや思考や感情を自分のものとして受け止める人は多くないと考えられますが、エンパスは違います。このため自分と他人の感情を区別したり、他の人や場所のエネルギーから自分を守る方法を知らないと、ある意味一般的なHSPより疲れやすくなるのです。


エンパスの特徴

エンパスの原因としては、遺伝的なものが大きいですが、ほかの人と比べて次のような点が科学的に指摘されています。

1.ミラーニューロンの働きが強い
2.他人の感情が同期しやすい
3.ミラータッチ共感覚がある
4.電磁場などに感応しやすい
5.ドーパミン感受性が高い

ミラーニューロンとは、他者の行動を見て、まるで自分が同じ行動をとっているかのように「鏡」のような反応をする、共感に特化した脳細胞のことです。

エンパスは、特にこのミラーニューロンの働きが特に強いといわれています。他人の感情、苦痛や恐怖や喜びをまるで自分のことのように感じてしまいます。友達が傷ついて悲しんでいたら自分も悲しくなる、逆にとても喜んでいると自分も嬉しくなるなど。

優れたメンターのそばにいつもいるだけで、直接何かを教えられなくてもその人の優れた点を受け継げるのもミラーニューロンの働きかもしれません。

また部屋の中の誰かがあくびすると、それが移ったりしますが、感情も伝染します。特にエンパスは、他人の感情と同期しやすいので、不機嫌な人が近くにいるだけで、自分も不機嫌になってしまいます。このため、できるだけポジティブな人と関わるようにし、ネガティブな人は避けるように注意が必要です。

ミラータッチ共感覚というのは、共感覚のなかでも特殊なものです。共感覚とは、複数の五感で感じる感覚、たとえば音楽を聴くと色彩が観えたりする感覚のことですが、ミラータッチ共感覚は、他の人の感情や知覚を自分の身体で感じることができる感覚です。

エンパスは、電磁場の影響も受けやすいので、太陽活動や地磁気の変化も敏感に感じます。また人の脳や心臓は電磁波のフィールドを発生しており、特に心臓の電磁場フィールドは大きいため、エンパスはこれを敏感に感じて、他人の感情を受け取ったりするのかもしれません。

霊が目撃される場所や、何か事件があった場所などは、地磁気が乱れていることも多いため、エンパスはそれを敏感に察知して、そういう場所を避けることができます。

ただし、それらの感覚を全部受け取ってしまうと、情報量が多くなりすぎて疲れてしまうことになります。

エンパスにもHSPと同様、内向型と外向型の人がいますが、内向型エンパスは、ドーパミン感受性が高いため、少しのドーパミンで満足してしまいます。ドーパミンは達成感や自己成長、快楽を司る神経伝達物質の一つです。

ただ外向型の人や、非エンパスの人はドーパミンを多く分泌する必要があるため、内向型エンパスと一緒にいると、刺激が少なすぎてつまらないということになるかもしれません。お酒の弱い人が少しのお酒で酔えるというのと似ているかもしれません。お酒飲みは、お酒の弱い人と一緒にいても物足りないですよね。


エンパスには大きく分けて次の3つのタイプがいます。少し長くなったので、続きは改めて書くことにします。

・身体エンパス
・感情エンパス
・直感エンパス

Cover Photo by Suhyeon Choi

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