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-[支配的運要素]ザスパクサツ群馬戦- The press of EHIME NO.6(投げ銭式)

お疲れ様です。De:Lです。

勝たなければいけないホーム戦でしたね。その試合を落としたという意味ではこの敗北はチームに、そしてファンに大きな影を落とすものとなりました。
しかし、なぜこの試合の負けがそれだけのインパクトを与えたのか。しっかり考えていかなくてはいけません。

また前回より、The press of EHIMEを投げ銭式のnoteになっています。もちろん、全部無料で読むことは可能です。投げ銭含め、コメントなど、皆さんのアクションをください!

こちらは前回のサッカー理論解説記事になります。5レーン4レイヤーなど、意外とちゃんと知らない理論を解説しました。ぜひご一読ください。

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DAZNでは見逃し配信が可能です。戦術的にも見れますし、ぜひご登録を。

このthe press of EHIME2021は2021シーズンの愛媛FCの一戦一戦に注目し、よかったこと(Gpoint)と悪かったこと(Bpoint)をまとめ、その試合から愛媛が学ぶことを整理したうえで、特定の選手(FeturePlayer)や、戦術を取り上げ、愛媛の進化を読み解いていこうという完全個人運営のnoteとなっています。ここでの文章、画像、考え方は完全に私個人のもので、愛媛FCとの関連はないもとし、DAZN映像からの引用も含め、一切の商標利用はないことを宣言しておきます。また、4節以降の投稿されたものは投げ銭式となっており、すべて無料で読むことが可能です。

1.振り返り

まずスタメンですが、

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満を持してといいますか、遂に3421へ挑戦した和泉サッカー。

シーズン前からしてみれば、343乃至は3421は至極当然の選択かと思われましたが、プレシーズンマッチの今治戦から442を中心とするサッカーを展開していました。

勝たなければいけないこの試合で、和泉サッカーの狙い、そして和泉サッカーと川井サッカーの融合の片鱗を2節以降見せてきた流れで、3421でのスタート。

感慨深いもんがあります。

その上、川村がボランチに戻って、前前節からの大車輪の活躍前田とタッグ近藤もシャドーに戻り、前野も前シーズンの主戦場CBへ戻りました。

まさに、現状の流れとメンバーから考えた、最適解と言える布陣であったと試合前は興奮したのを覚えています。

後半の交代を反映した最終的なメンバーは

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榎本が初出場。積極的にドリブルを仕掛けた点は非常に評価できましたね。

残念だったのが浦田。

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ここまで全試合フル出場だった彼ですが、残念ながら筋肉系のトラブルで途中交代。内田をCBの左(正確には内田はWBで榎本はフリーWGのような状態)で起用せざるを得ませんでした。

大谷を含めたCBの第一候補コンビが二人とも怪我している状況は現状の愛媛の雰囲気の悪さを象徴するかのようです。

では、DAZN発表のスタッツを振り返ります。

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チャンスの数は同じといえます。

パス数も後ろでつなぐ時間は長かったのもありますが、上回り、アタッキングサイド自体もバランスが良いといっていいでしょう。

これは後述しましたが、”運の要素(からくり)”とすごく関係があると考えています。

今の愛媛のもつ流れ、雰囲気、そして運。すべてにおいていいほうに向いていない。これは大きな問題点であることは異論ないかと思います。

2.スタメン考察

今回の論点はこちら

・見かけの3421
・山瀬と横谷のシャドー
・川村と前田のボランチコンビ
・忽那と榎本のWB

2.1.見かけの3421

正直興奮しましたw

川井サッカーとの融合を考えるなら3421は最適解と言えます。

この3421の背景を少しだけ探ってみたいのですが、

まだ多様化はしましたが、ここ数年のJ2で支配的に流行っているのが3421ですね。

J2はJ1と比べると個の能力が少し落ちるので、パスを繋いでボールを支配して勝つサッカーを成立させるのが難しくなります。ただ、ドン引きでカウンターを狙わないのがポイントです。J2型[3-4-2-1]は序盤にハイプレスを仕掛けます。というのも、J2だとハイプレスを外せるチームが少ないからです。うまくハメてしまえばミスを誘ってショートカウンターで仕留められる。ただ、ずっと前がかりでやるチームはほとんどなくて途中で引いて5バック化します。怖いのはカウンターであって、むしろ引いてしまえば崩せるチームの方が少ないですから。危なそうならば1トップへのロングボール、繋げそうな時は繋ぎますがそんなに無理はしません。

引用元

というのが、前提にあるようです。

収めることのできるワントップに対して、ロングボールを放り、そこに対して奪われようが、収め切ろうが、全力スプリントしていく、所謂ゲーゲンプレスのような要素が元となっています。

ボールを奪ってから、瞬間的に数的有利を作るわけですから、理想としては、和泉サッカーと川井サッカーの最終到着地点的戦術です。

しかし、あくまでこの3421はみかけだけで、多くのシーンで442のフォーメーションを取っていました。(ビルドアップ時は如実に)

これはおそらく、WBに採用している二人のバランスの悪さが引き起こしている可能性が高いです。

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左は忽那で攻撃的。右は茂木で守備的。その上、山瀬は吉田の近くでサポート重視。近藤は縦横無尽なフリーマン。そうすると必然的に442になりますw

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今言った選手個々人の個性を頭に入れるとこんな感じ。なんとなく442に見えません?

もちろん戦術的に可変し、442になっていたことも考えられますが、おそらくこういった背景で3421が442に見えていたと思われます。

ですから、あまり3421を体現できていなかった、というのは大きいです。

茂木と忽那のバランスは課題ですね。

2.2.前田と川村のボランチコンビ

久々に川村のボランチを見てホっとしている限りです(どこ目線w)

ですが、実は話題にしたいのは前田のほうで、今回はこの雨と前田の相性に言及したいのです。

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こちらDAZN公表の川村のヒートマップです。

わかりやすく前目ですね。ということは前田は後ろ目でボールを触ることになるわけです。

このヒートマップは前後半合わせてもものですが、前半は如実にこの二人の縦関係が目立ちました。前田は本来であればもっと前目でボールを持ちたいわけですが、群馬のハードプレスもあり、特に後ろで回す時間が長かった前半は前田が後ろで触る時間が長くなり、秋元将軍もお怒りでした()

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前田と川村ともに前線にいると一気に攻勢にでることができる火力があります。

このシーンは川村のバックプレスからボールを奪い、前野と忽那で左サイドから攻撃を仕掛けたシーン。

前野と忽那の二人だけで三人の敵を引き付けた。

必ず他のエリアでで数的有利になる。乃至は数的同数になる。

となるわけです。ここで位置を上げていた前田にボールが渡ると、トップが鋭く反応。吉田が遠いサイドへ走り、山瀬がつり出されたSBの後ろを狙います。

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SBがつり出されたわけですから、その裏(所謂ポケット及びハーフレーン)が空きます。そこに山瀬が走ります。吉田と近藤がセンターレーンと向こうのハーフレーンに走っています。前田がそれを見逃すわけもなく、一気に敵ディフェンスラインを崩します。数的同数

欲を言えば、5レーンを意識して山瀬をサポートするとすると、山瀬はハーフレーンでボールを受けたわけですから、アウトサイドレーンに人が欲しかった。このシーンでは忽那は上がってきてはくれませんでしたが、ここで忽那が山瀬のさらに外にいると完全に数的有利をつくっていたことになりますし、5レーン的サポートとして最適解です。

やはり、前田のパスは愛媛にピリッとしたアクセントになって良いですね。

しかし、前田には課題も存在し、それが

”雨との相性が非常に悪い”

です。前田のパスの成功のほとんどはグラウンダーパス(転がるパス)であり(70%強がグラウンダーパス)、ロブパス(浮き球のパス)の成功率は低くでています。

つまり、雨でボールの転がりにくい試合ではこのシーンのようにグラウンダーパスで崩すにはコートの調子にも左右されてしまい、現実的ではありません。ロブパス(もっというとロングパス)の早急な改善が必要ですね。まぁ彼ならすぐどうにかしそうですがw

3.Gpoint Bpoint 支配的運要素とは

3.1.運に対する好意的思考

皆さん、運という概念をどうお考えですか?

”皆さんは運がいいですか?” 松下幸之助

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松下幸之助の運に対する概念には、非常に学ぶことが多いです。

運とは、”確率とポジティブな行動が合わさってできた結果の量である”

私はこの定義がすっと腑に落ちました。

Twitterにも書きましたが、

幸運とはそれを受け取る準備のあるものが受け取る。

この”それを受け取る準備”というのが、定義における”ポジティブな行動”にあたります。そのポジティブな行動を生むのは、メンタルコントロールです。

サッカーの試合においては、

・とりあえず予定の位置にスプリントしていたものを、パスの出し手の様子と相手の配置を考慮して、スプリントしてみる。(効果的攻撃)
・なんとなく言われてやっていたアップを、自分なりに工夫してアップに臨む。(心拍数上昇、乳酸の適量化)
・味方が撃ったシュートが相手にはじかれたときにどこに落ちたらすぐに再攻撃できるか考えてサポートランする。(波状攻撃)

などなどあります。

これにはもちろん、確率的要素があります。

・パスの出し手も、相手の配置も考慮したが、ボールが芝でスリップしてトラップの難しいボールになってしまった。
・工夫したアップを行ったが、相手と交錯し、怪我をした。
・どこに跳ね返ってくるか、跳ね返ってきたときにすぐ攻撃できるか、考慮したが、結局自分のところにはボールは跳ね返ってこなかった。

と必ずしも好転しないことも(悪転)。

でも、本来なら五分五分だった確率的要素を、メンタルコントロール一つ(ポジティブな努力)配し、4割対6割、3割対7割、さらには2割対8割にだってできてしまうわけです。

つまり”好転することそのもの”を支配することはできなくても、”好転する確率”はある程度支配することができるわけです。

これを支配的運要素といいます。

なぜこんな話をするかというと、まさに愛媛FCは今この運というものを支配することを求められているからです。

はっきりいって、負けが続いて、選手やスタッフ陣が、自分たちの戦術やプレーに不安が募り、”ポジティブな行動(思考)”ができていません。

・もしこのパスがスリップしていなかったら・・・
・もしこのシュートがあと30㎝ずれていたら・・・
・もし監督の指示がもうひとタイミング早かったら・・・
・もしそのルーズボールが手に入れば・・・
・もしはじかれたシュートが愛媛の選手のもとに落ちたら・・・

そんなシーン山ほどありました。

でも愛媛はその五分五分を尽く外し続けた。不安にもなるでしょう。行動が間違っていると感じてしまうでしょう。

それでもポジティブな行動(思考)をやめてはいけません。続けることで、五分五分ならまだしも、4割対6割なら、必ず愛媛に運のいい瞬間がやってきます。その瞬間にゾーン(幸運を受け取る準備ができた状態)にいることができるか。愛媛にはそれが求められています。

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この63分のシーン。あとから映像をみるとオフサイドではありません。

現場のレフェリーからすると難しいのはわかります。しかし、愛媛はここにツキがなかった。

完全に運を支配することはできません。どんなに近藤がここでオフサイドに気をつかっていたとしても、オフサイドになってしまうこともあったでしょう。

でも、運の確率は支配できるわけです。

次にこんなシーンがやってきたときに今度はオフサイドにならないために、ポジティブに思考し、近藤は”CBがレフェリーから隠れていないか”とか、他の選手は”相手のライン位置を指示できるか”など、工夫と努力をし続けなくては、運は支配できません

今回の運に関することは以下の論文も参考にしています。もし興味ありましたら、めちゃめちゃ長い(舐めたらトビます)ですが、読んでみても面白いかもしれません。

3.2.サポーターは。。。。

ところで。

サポーターもこれは同じです。

重要なのは”ポジティブ”であるという点。

結論として、ポジティブさが幸運を引き寄せ、流れを変えるわけです。

罵声も時として、選手を奮い立たせ、ポジティブにさせるかもしれません。しかし、正直いってそんな選手は前時代的で、現代の選手はそれでポジティブになることは考えにくいです。

今週のオンライン勉強会で登場いただいた愛媛大学准教授の話を聞いて、やはり、最近の若者のマインドは、罵声で変化しないと確信しました。

ポジティブ。

これがキモなわけです。

愛媛サポーターにも、そのポジティブさが求められる局面にあります。

4.まとめ

お疲れ様でした。今週もふりかえっていきました。

愛媛FC正直いって厳しい現状です。

でもサポーターとして、ポジティブさ、忘れてはいけませんね。

なによりも、

我々ファンができることは信じること、そして、何より楽しむこと。サッカーはエンターテインメントです。

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来週はホームで岡山戦。

アクセスの悪さが定期的に話題に上がる()ホームニンジニアスタジアムですが、ポジティブさを忘れることなく、臨みましょう!!!

今回もfootball.labさんのデータを参考にさせていただいています。

普段は愛媛FCを中心にサッカー記事を書いています。

また2020シーズンの振り返りはこちらです。

今回はご一読ありがとうございました!!!

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