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『対岸の彼女』

同じものを見ていたはずなのに、いつしか連絡も取らなくなり希薄な関係になった人間関係というのはたくさんある。
自分自身が変わっていくように、私の人間関係も気づくとアップデートされている。
当たり前なのかもしれないが、あれだけ濃密に過ごした関係が今となってはこうも希薄になってしまうのは何故だろう。
時間が。かかわる人が。その時、その人のことをいつの間にか忘れさせてしまう。
無論、執着するのはどうかと思うが少しもの寂しくもある。
そんなことを考えていると、これまで関わった人々が、自分の中の鋳型を穿つが故に、会えば会うほど別れもあり穴だらけになった自分がわからなくなることがある。
だが、間違いなく出会いが私を作り、別れがまた新しい私を作っている。
あの時、あの人と出会い別れがあったからこそ自分の中には真っ直ぐな原動力足るものが備わっていると。

人と関わることが向いていないのかもと後ろ向きになっていた私の背中を押してくれた作品でした。

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