なぜ芸術家は知覚を拡大することができるのか
曖昧で間違いやすい知覚を補うために、人は科学と哲学という二つの方法を採り入れた。ただ、科学は計量であり、知覚を量でとらえることはできるものの、質はとらえられない。そこで質を受け持つものとして哲学があるが、哲学者の人数分だけ考え方があり、対立する考え方も現れ、ますます異質になっていく。よって科学も哲学も、知覚を拡大することは難しく、何か新しいものを生み出すことはできないのではないか。
そんな問いに対し、優れた芸術家こそ、不可能を可能にするというのだという哲学者アンリ・ベルクソ