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散歩に飽きない街、小田原。

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梅の美味しさ美しさ

梅の美味しさ美しさ

実家の庭には4本の梅の木がある。昔あった柿の木や、今もあるカリンの木などは、実がなってもたいてい猿がやってきて食べてしまう。梅はなぜかいつもきちんと収穫できるので気に入っていた。大人になってからは、梅酒を漬けたい友人などを招いて、みんなで梅雨の晴れ間を狙って収穫したものだ。だけど今年はコロナのこともあって、一人で楽しむことになった。

庭にはほとんど白梅ばかりだが、一本だけ紅梅が咲く。家の門をくぐ

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箱根駅伝コースの散歩道

箱根駅伝コースの散歩道

小田原出身だというと、箱根駅伝の小田原中継所は近い?と聞かれることがときどきある。駅伝選手たちの猛スピードで駆け抜けると、背景として一瞬で過ぎ去ってしまう国道1号線。全く同じコースも、ゆっくり歩くとところどころに昔ながらの町並みを感じられる景色がある。

昼夜両方の散歩の写真を織り交ぜながら、小田原市民会館から、小田原中継所がある鈴廣を通って地球博物館までの約4kmをご紹介したい。

まず小田原市

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早川港の散歩道

早川港の散歩道

エリック・ロメール監督の『緑の光線』という映画が好きで、何度も見ている。見る度に旅へ出たくなる。海に行きたくなる。このコロナ禍で家にこもっている間に、今までミニシアターでしか見たことのなかったこの映画をオンラインで見れることに気づいた。見た途端、漁村で夕日を見たくなった。

小田原は砂浜や山も美しいけれど、港があるのでとにかく魚がおいしい。小田原で漁村に行きたくなったのなら、夕方に港まで散歩すれば

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北原白秋の散歩道

北原白秋の散歩道

その名の通り、北原白秋が歩んだという散歩道がそのまま残っている。母校である中学の真裏にこんな歴史があるとは知らなかった。

車1台がやっと通れる農道のような道の入り口に「野外劇場の観覧席」という看板がある。こんなところに野外劇場があったはずがない。新しくできたなんて風の噂にも聞いていない。なんだか「注文の多い料理店」みたいで不気味だなとさえ思いながら歩いていく。鬱蒼とした森の中を進んでいくと、突然

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とにかく散歩に飽きない街、小田原。

とにかく散歩に飽きない街、小田原。

緊急事態宣言が出る少し前から梅雨の始まりまで丸3ヶ月、ずっと小田原の実家で過ごしていた。それまで、ほぼ毎月飛行機に乗るような生活を送っていた。STAY HOMEなんて言われて「1〜2週間で飽きてしまい出かけられないことにイライラする自分」が容易に想像できた。

ところが3ヶ月、全然飽きなかった。驚くほど飽きなかった。それは料理とか庭仕事とか手芸とかドラマとか、出かけられないなりにやりたいことに没頭

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