見出し画像

現代思想コース/哲学的思考養成ゼミの6月からのテキストが決まりました。

2022年3月から始まりました、ソトのガクエンの現代思想コース(哲学的思考養成ゼミ)では、フロイト『フロイト、無意識について語る』(光文社古典新訳文庫)とサルトル『イマジネール』(講談社学術文庫)を読み進めて参りました。どちらも5月末にて一旦区切りとし、6月から新しいテキストを読んでいくことになりました。


基礎力向上ゼミ(毎週火曜21時~22時半)

左:浅田彰『構造と力』(勁草書房)
右:岡本裕一朗『フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ』(中公新書)

基礎ゼミでは、現代思想を理解するための基礎力を身につけることを目的にしています。今回は、構造主義以降の現代思想史の流れをつかむべく、岡本裕一朗『フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ』(中公新書)浅田彰『構造と力』(勁草書房)をテキストに選びました。とりわけ後者は、80年代日本における「現代思想ブーム」を引き起こすきっかけとなった歴史的名著です。「現代思想」がすでに歴史の一部となり、また個別の思想家についての研究が蓄積された令和のこの時代に、もう一度その内容を吟味するのは、とても意義のあることだと思います。また、両著を読み比べて、この40年間で、哲学史・思想史という、ある観点からの語りの仕方が、いったいどのように変わり、何が捨象され、いったい何が得られたのかといったことを考えてみたいと思います。

毎回、おおよそ1章分ずつ読み進めていきます(長い章の場合は分割します)。やり方としては、各自、あらかじめ当日の範囲を読んできて、参加者の方に作成いただいたレジュメに沿って、色々と意見を出し合いながら理解を深めていきます。テキストの内容理解はもちろんですが、「この部分からもっとこう考えることができるのでは」「現在問題になっているこの話題につなげるとどうなるか」「個人的な経験では」というように、テキスト読解よりも、テキストを中心にさまざまな方向に議論が展開する方向に重心を置き、(少し気軽な雰囲気で)皆さんと色々とお話しするような形で進めたいと思います。まずは、『フランス現代思想史』(中公新書)をさっと読み進めた後、『構造と力』(勁草書房)に向かいましょう。


古典読解ゼミ(毎週土曜22時~23時半)

左:Gilles Deleuze, La philosophie critique de Kant, PUF, 1963
右:ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(國分功一郎訳、ちくま学芸文庫)

古典読解ゼミでは現代思想の古典的著作を丁寧に読んでいきます。今回は、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(國分功一郎訳、ちくま学芸文庫)をテキストに選びました。こちらはカントという哲学者の個別研究の本ですので、「古典」と呼ぶのはどうかと思うのですが、参加者の方から、ここを出発点として、いずれドゥルーズの『差異と反復』という最大級の古典を読めるようになるような読解力や知識力が身につくテキストを読みたいというリクエストをいただき、こちらを選定いたしました。
カント哲学を諸能力の組み合わせ(組み換え)によってクリアに解説した良著であり、カント哲学の勉強にもなりますし、ドゥルーズの本のなかでは比較的読みやすいというのも選んだ理由にあります。(とはいえ、実際読み進めていくと、きっとあちこちで頭を唸らせることになるはずですが。)

古典読解ゼミの進め方としては、レジュメを使うか一文ずつ読むか迷うところですが、ご参加いただいた方々と相談して決めたいと思います。


現代思想コースは、現在、15名ほどのメンバーで楽しくゼミを行っています。興味・ご関心をお持ちの方は、ソトのガクエンのHPPeatixもしくはnoteのサークルページからぜひ詳細をご覧ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?