当たりまえだけど当たりまえじゃない。父の突然の死から感じたこと。
少し風が冷たくて心地よい天気の良い日。ふと仕事の手を止めて時計を見るともう11時。「もうすぐお昼かぁ、今日のお昼は何食べようかなー。」そんないつもの日常だったはずの金曜日。
めずらしく旦那さんから会社に電話。保育園の娘がまたお熱でて、お迎えの電話かなー?と思いながら電話に出る。
「どしたの?」
「大阪のお父さんが倒れたって」
意味がわからなかった。お父さんって?え??なんのこと?なんで倒れた??
急いで母に電話する。でも、でない。よく見ると叔母からラインがきていた。すぐ叔母に電話をかけた。
「ちかちゃん。おとうさんだめやった。お母さんショック受けてるから、はよ帰ってきて。」
目の前が真っ暗になった。携帯を持つ手が震えていた。でも涙はでなかった。わけがわからなかったのだ。だって昨日まで元気だったのに。今は死んじゃったってこと????
すぐに大阪にいかなきゃ。航空券取らなきゃと検索するものの手が震えるのと動揺しすぎてうまくキーボードで文字が打てない。飛行機で飛んで行きたいのに、あいにくの金曜日どの便も満席。仕方がない。もどかしいけど新幹線で行くことになった。
娘達には何て言おう。とりあえずじいじが病院に運ばれたから私たちも病院に行くんだよ。と伝えて新幹線に乗り込んだ。不思議そうな顔をしたけど、無邪気に喜ぶ娘に胸がぎゅっとなる。
自分の中でもまだ信じられなかった。実感がない。死んじゃったって言えなかった。言ってしまったらもう本当に会えない。そんな風に感じて怖かったのだ。
新幹線の長旅。ぐずる下の娘を抱っこしてデッキから流れる景色をただ見つめていると胸の奥がぎゅうと締め付けられて涙があふれ出た。
どうして昨日電話しなかったんだろ。孫たちの声をきかせてあげればよかった。もっと一緒に過ごす時間をつくればよかった。もっといろんなところへ旅行にも行きたかった。
後悔ばかりだ。そりゃ自分より先にお父さんが死ぬだろうって思っていたけど、こんなにも早いだなんて。
もっとお父さんと話がしたかったよ。もっとお父さんの事を知りたかった。今度帰ったときはお父さんに聞こうと思ってたんだ。お父さんはどんな風に感じて、思って自分の人生を過ごしてきたのか。
でも本当はこの間、夏に帰ったときに聞こうと思ってたんだ。でも、いざ聞こうと思うと、なんだかそんな真剣な話をするのがちょっとはずかしくて、どんな風に切り出したらいいのかわからなくて聞けなかったんだ。
今度聞こう。ってしてしまった。
でもその今度はなかった。お父さんが生きてるのが当たりまえだと思っていたから。次また会えるのが当たり前だと思っていたから。
当たりまえは、当たりまえじゃなかった。
頭ではそんな事わかっていたけど。今、心から本当に理解した気がした。
だから今を思いっきり生きなければならないんだな、と。
娘には大阪に近づいてきた新幹線の中でじいじの死を伝えました。じいじは今から天国へ行く事。じいじの体は無くなっても心はなくならない事。じいじに会いたくなったら、いつでも心の中に会いに来てくれる事。そしてじいじが今までみたいにこれからもずっとみまもっていてくれる事。
娘はだまって聞いていました。そして私にしがみつきじいじありがとうと言って泣きました。
そうだねじいじにありがとうを言いにいこうね。
たくさんの愛情をもらったもんね。
そして、父の死から1週間が過ぎました。
今だに信じられない気持ちも、後悔もたくさんあるけれど、それ以上に感じるのは、父がどんなにたくさんの愛情を私たちに注いでくれていたかという事。
小さい頃怖い夢を見たら一晩中手をにぎって一緒にねむってくれたこと
仕事から帰ると必ず私たちと遊んでくれたこと
寒い日にお父さんの上着のポケットの中で手をつないでくれたこと
夏の暑い日、帰省した私を車でお迎えにきてくれるときは、車が暑いからと言って私用のアイスノンをクーラーボックスにいれて持ってきてくれていたこと(母は、私にはそんな事しないのに!!!とやきもちやいてましたけど笑)たくさんの思い出がよみがえります。
本当にやさしいお父さんでした。
思い返せば父から否定的な事は一度も言われた事がなく、どんなときも何も言わずに応援してくれていた。
自分が親になってわかる事、心配してるからこそ、子どもにいろいろ口出ししてしまう。意見してしまう。でもお父さんはどんなときも何も言わず、ただ応援してくれていた。私を信じていてくれていた。そして私ののやりたいようにさせてくれていたんだ。私はいなくてもいい子なんかじゃなかった。たくさんの愛情に気づいていないだけだった。
そうか。そうだったんだ。
こんなにも愛情深いお父さんの娘として生まれてこられてなんて幸せなんだろう。
お父さん、ありがとう。
私もお父さんの事少しでも幸せにできていたかな。そうだったらいいな。
私はお父さんのように人を信じて応援できる人になりたかったんだ。だからコーチングを学ぼうとおもったのかもしれないな。
そんな風に今思っています。
当たりまえのようで、当たりまえじゃない。
それを忘れずに毎日を、一瞬一瞬を大切生きること。
お父さんからのメッセージ。
本当にありがとう。
↑父20代の頃の写真。優しいお茶目な父でした。
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